2011年3月11日に発生した東日本大震災。多くの尊い命が失われ、被災地では地域社会が大きな被害を受けました。それだけでなく、これまで私たちが顧みることのなかった、現代社会に潜むさまざまな課題が姿を現しました。その多くは、未だ解決していません。
日本科学未来館では、震災とその後の事象を科学的に分析し、教訓を学びとり、未来社会をともに紡いでいくための活動を展開しています。
特別企画「震災と未来」展 -東日本大震災10年-(展示期間2021年3月6日(土)〜 28日(日))
NHKとともに特別企画「震災と未来」展 -東日本大震災10年-を開催しました。あの日の記憶を、次のハザードに直面する“私たちの明日”と重ね合わせ、防災・減災の必要性を「自分のこと」として捉えていただく機会になることを目指し、「震災の記憶」、「その後の人々が生んだ絆」、「未来への課題」の3つのテーマを設定。NHKがこれまで記録・蓄積してきた映像や資料をさまざまなプレゼンテーションで振り返ったほか、震災・復興にまつわるストーリーをもった品々の展示を通じて復興への取り組みと課題、また今後の災害に対する備えを紹介しました。
ハザードを5つの段階でとらえる―福島原発事故を例に―(展示期間2020年9月16日(水)~)
東日本大震災で発生した福島第一原子力発電所の事故でもたらされた被害とその後の事態の進展についてタッチパネル端末で学べる展示「ハザードを5つの段階でとらえる―福島原発事故を例に―」を、常設展示「100億人でサバイバル」に追加しました。原子力発電という科学技術が持つリスク、リスクへの備え、さらに原発事故の直後からその後に生じた出来事と被害について、「危険の種に気づく」「正体を突き止める」「災害に備える」「被害を抑える」「経験を生かす」という5つの段階にわけて科学的なデータとともにご覧いただけます。
常設展示「100 億人でサバイバル」
※「詳しい解説」からタッチパネルで紹介しているテキストと画像の一部をご覧いただけます。
7年目の選択(展示期間2018年2月28日(水)~4月9日(月))
東日本大震災とその後の原発事故について、巨大地震への備え、放射能汚染の現在、エネルギー問題という3つの章立てで、科学的なデータをまとめました。この7年間に行ってきた「選択」に焦点をあて、これからどのような未来を築いていくのか考える展示。全パネルデータがご覧いただけます。
パネルデータ
- はじめに
- 巨大地震への備え
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マグニチュード9というハザード
東日本大震災の震源断層面で生じたずれの大きさと全国各地の震源分布を示しながら、いつかどこかで再び発生する地震のリスクを考えます。
自分で守る、みんなで守る
震災後、国や自治体による防災対策だけでは被害を防ぎきれないことがわかってきました。命や財産などを守るため、「自助」「共助」「公助」の必要性について考えます。
- 放射能汚染の現在
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減少する陸域の放射性物質/広がり薄まっていく海域の放射性物質
福島第一原子力発電所の事故により放出された大量の放射性物質の汚染状況は、この7年間で大きく変化しています。陸と海の放射性セシウムの拡散メカニズムと現状、さらに農作物や海産品への影響についてのデータを示します。
- 食べ物の放射能を見張る
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日本では震災後、食品中の放射性セシウムの濃度規制として、1㎏あたり100㏃以下という基準が定められました。一度汚染された場所でも、放射性物質のとりこみを防ぐ対策を施すとともに、放射能検査を行うことで、安全な食料生産が可能となりましたが、農業は復興したのでしょうか?キュウリや米を例に、現在の測定値と価格などを提示し、考えます。
- エネルギー問題
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なおも高まる化石燃料依存
日本のエネルギー計画は、震災の前、そしてこの7年間にどのように推移してきたのでしょうか。福島第一原子力発電所の事故により浮き彫りとなった、電線の向こう側につながるリスクとともに今後の在り方を考えます。
再生可能エネルギーを育てていく
将来の気候変動への危機の高まりにともない、世界のエネルギーは再生可能エネルギーへと大きく転換しつつあります。震災後の日本も、再生可能エネルギーによる発電量を大幅に増やしていく政策がすすめられています。今後大量導入が進むにつれて課題となっていく「コスト」や「不安定性」にも注目し、現状と今後の展望についてデータを提示します。
いま社会に必要な放射線リテラシーとは (展示期間2017年11月24日(金) ~ 26日(日))
ワークショップ「放射線ってどんなもの?」の内容をパネルにまとめ、科学イベント「サイエンスアゴラ2017」にて展示。多くの来場者と語り合いました。全パネルデータがご覧いただけます。
パネルデータ
- タイトル
- はじめに
- リスクをもたらすもの
- リスクの性質
- リスクへの対処
- Lesson#3.11について
Our Choice After The Disaster(展示期間2017年11月14日(火)~11月17日(金))
世界科学館サミット2017(SCWS2017)の参加者へ向けて、東日本大震災の経験からリスクについて考える「Lesson#3.11」の活動をパネルで紹介しました。 全パネルデータがご覧いただけます。(パネルはすべて英語表記です)
パネルデータ
- 1 Introduction
- 2 Preparing For the Great Tsunami
- 3 Dealing with Radio Active Contamination
学びとる教訓とは何か(展示期間2017年3月1日(水)~3月27日(月))
世界科学館サミット2017(SCWS2017)の参加者へ向けて、東日本大震災の経験からリスクについて考える「Lesson#3.11」の活動をパネルで紹介しました。 全パネルデータがご覧いただけます。(パネルはすべて英語表記です)
パネルデータ
- はじめに
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PDFデータ(0.5 MB)
- 1. 見えないリスクを想像せよ
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PDFデータ(0.2 MB)
自然現状や、科学技術の背後にあるリスクは、ふだんは見えませんが何かをきっかけに姿を現し再び消えていきます。現れては隠れるリスクの存在を、私たちは常に意識しておく必要がありそうです。
1-1巨大地震と巨大噴火
視野を全世界、あるいは10万年前までのスケールまで広げ、自然災害史をひもときながら、将来起こりうる危険と、それにともなう被害の可能性を考えます。
【DATA】 PDFデータ (1 MB) 【LESSON】 PDFデータ (0.7 MB) 【CASE】 PDFデータ (1.9 MB) 1-2福島原発事故は、今も続いている
事故では何が起こり、どう進展し、これからどのようなリスクが考えうるのか? 飛散した放射性物質の現状、被ばくによる住民の健康影響を、調査結果や最新データを交えて示し、考えていきます。
【DATA】 (1) PDFデータ (1.7 MB) (2) PDFデータ (1.2 MB) 【LESSON】 PDFデータ (0.7 MB) 【CASE】 (1) PDFデータ (1.3 MB) (2) PDFデータ (1.9 MB) 1-コラム 放射線の基礎
(1)環境中の放射性物質 PDFデータ (1.2 MB) (2)放射線被ばくと発がん PDFデータ (1.3 MB)
- 2.エネルギーの選択は未来の選択
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PDFデータ (0.6 MB)
福島第一原子力発電所の事故は、日本の電力システム の脆弱性を浮き彫りにしました。私たちは今後、どのようなエネルギーを選ぶべきなのでしょう。震災後、導入の進んでいる「再生可能エネルギー」を取り上げ、その利点と課題を考えていきます。
【DATA】 (1) PDFデータ (3.5 MB) (2) PDFデータ (1.5 MB) 【LESSON】 PDFデータ (0.7 MB)
- おわりに
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PDFデータ (1.0 MB)
いま社会に必要な放射線リテラシーとは 2016(展示期間2016年11月3日(木)~11月6日(日))
5年前、そして5年間に起きたこと(展示期間2016年3月5日~3月28日)
パネルデータ
震災から5年を契機に展開した小規模企画展。全パネルデータがご覧いただけます。
- はじめに
- 1. 1000年に一度の災害と原発事故
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地震発生と各地の被害状況、原発事故によって起こった放射性物質の飛散とその後5年間での推移について、観測データなどをもとに時系列でふりかえります。
- 2. 低線量被ばくの健康影響
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放射線を浴びると人体では何が起こるのか、100mSv以下の低線量被ばくの場合のリスク、福島の現状などについて、科学的なデータをもとに整理し紹介します。
- 3. エネルギーの未来
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東日本大震災を契機に電力システム改革がはじまりました。改革によって何がどう変わるのか、再生可能エネルギーへのシフトは可能なのか、国や地域、個人の選択を考えます。
- 4. 福島の今
- 5. 次のハザードに備える
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地震や火山が多い日本列島に生きる私たち。災害が起こる仕組みを理解し、地質資料や過去の歴史資料から過去を学ぶことが、次の災害に備える一歩になります。
- おわりに