科学コミュニケーターは展示の企画やフロアでの解説、イベントの実施などをとおして積極的に社会に関わる役割を担っており、科学技術の専門知識とコミュニケーションのスキルを活かして、館の内外で幅広い業務に携わっています。このように科学と社会の接点で活躍する科学コミュニケーターを育成し輩出することは、日本科学未来館のミッションのひとつです。

科学コミュニケーター紹介

日本科学未来館には、多様なバックグラウンドをもつ科学コミュニケーターが在籍しています。科学技術をわかりやすく伝えるとともに、科学技術のあり方や未来社会をどう築いていくかについて、社会のさまざまな立場の人と対話をしながら考えていくのが科学コミュニケーターの役割です。

科学コミュニケーターのおもな活動

科学者や技術者と一般の方々をつなげるのが科学コミュニケーターの役割です。科学を解説したり、研究の面白さを伝えたりするだけでなく、一般の方の疑問や期待を研究者に伝えることで、科学と社会の間に双方向のコミュニケーションを生みだします。

  1. 展示フロアでの対話や実演

    来館者と対話をしたり、旬の科学の話題を伝えるトークを実施したりと、展示フロアでは知識を伝えるだけでなく、来館者と一緒に考えながら話を深めていきます。多様な人々が持つさまざまな意見を聞き、対話することで、課題解決やイノベーションにつながる気づきを生み出していきます。

  2. 展示やイベントの企画・制作

    先端科学技術の研究成果を、常設展示や企画展のかたちに仕立てることで、誰にでも楽しみながら体験できるようにしています。また、第一線の研究者などを招いて専門家と一般の人々が語り合うイベントを実施したり、一般の人々が研究開発に参加できる場をつくったりしています。

  3. 社会との連携・科学情報の発信

    館内だけが科学コミュニケーターの仕事場ではありません。国内外のあらゆる立場の人々と連携しながら、対話・協働の場を生み出し、未来の社会づくりに向けた科学コミュニケーション活動を展開しています。テレビなどへの出演、インターネットや新聞、雑誌、ブログの記事執筆を通じた科学情報の発信にも取り組んでいます。

科学コミュニケーターの養成と輩出

科学コミュニケーターの養成

科学コミュニケーターとともに業務に携わるのは、多様なバックグラウンドの人材です。科学技術の専門分野・編集や執筆の専門知識などを持つ科学コミュニケーション専門主任やスタッフ、デザイン・設計などの知見をもつ展示開発スタッフらとチームを組んで業務を実践することで、科学コミュニケーターの養成を推進しています。

「専門を問わず様々な業務に挑戦しています。」

中島 朋

企業・研究機関とのイベントや実験教室、ブログでの情報発信など、専門を問わず様々な業務に挑戦しています。また、来館者や異なる背景を持つ同僚と、科学技術と社会の未来像について語り合うことで、科学コミュニケーションのあり⽅について⾃⾝の考えをより深めることができます。

「幅広い経験を積むことができます。」

松谷 良佑

展示企画の担当として、常設展や企画展の制作に携わっています。研究者やデザイナー、制作会社など多くの方と関わりながら進める中で、科学リサーチや解説文の執筆、さらにメディア取材の対応等、展示の企画から制作、そして外部の発信まで、一連の幅広い経験を積むことができます。

科学コミュニケーターの輩出

日本科学未来館では、科学コミュニケーターを最長5年の任期制職員として採用し、科学コミュニケーターに必要なコミュニケーション能力やマネジメント能力などの能力開発を計画的に行っています。2009年度から2019年度までに、138人の科学コミュニケーターを輩出し、その多くが全国の研究機関や企業、科学館、教育機関などで活躍しています。

輩出先内訳(2009~2019年度、計138名)

輩出後の活動状況

未来館に在籍した科学コミュニケーターに輩出後の活動状況などを聞きました(※所属は取材当時)。

松浦 麻子

公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)

未来館で来館者とお話をしてみると、エネルギー問題や環境問題など、答えのない社会課題に対して、自分なりの考えや意見を持てない人が多いことを感じました。現在は、環境を守り野生動物の命を大切にする必要性を考えてもらう教育プログラムを開発しています。

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岩﨑 茜

国立研究開発法人 国立環境研究所

在籍時には、対話を重視したイベントの企画・実施に多く携わりました。互いの立場や考え方の違いを踏まえたうえで、新たな視点を見つける場をデザインすることは、やりがいのある仕事でした。このような経験は、環境問題の課題解決に活かしていくことができると思っています。

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代島 慶一

静岡科学館る・く・る

在籍時には、来館者との対話を重ねるなかで、相手のニーズに合わせて説明できるよう自身の専門分野以外のリサーチなども積極的に行いました。現在は、県内の科学関連施設とのネットワークを強化し、地域に根ざした科学館ならではの活動を推進しています。

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