新型コロナウイルス感染症とどのように向き合っていけばよいか、様々な形で情報発信を行っています。
新型コロナウイルスと私たちをふりかえる展示パネル
新型コロナウイルスが私たちの暮らしに大きな影響を及ぼすようになったのは2020年から。それまで当たり前にできていたことができなくなって寂しく思ったり、変わってしまった生活を不安に感じたり。新しくできるようになったことやコロナ禍ならではの発見もあったかもしれません。
日本科学未来館では、このパンデミックをふり返る7枚の展示パネルをつくりました。パネルには、2020年1月~2022年3月初旬までの日本での日々の新規感染者数、そのときどきにあった出来事に加えて、科学コミュニケーターの当時の思い、来館者やニコニコ生放送の視聴者からお寄せいただいたコメントを載せています。
この展示パネルのデータは以下からダウンロードできます。あのときどう感じていたか、今はそれをどう感じているかをふり返る資料としてお使いください。こうしたふり返りは、新型コロナの次の流行の波や将来あるかもしれない別の新しい感染症をよりうまくしのぐヒントになるはずです。
「あなたが感じた新型コロナ」[PDF 4.6MB]
(2022年8月3日公開)
このパネルを使った参加型パネル展示「みんなでつくろうつぶやき日記 あなたが感じた新型コロナ」(2022年3月19日~5月30日)について詳しくみる
動画で見る飛沫シミュレーション
理化学研究所が2020年に公開したスーパーコンピュータ「富岳」を使った飛沫のシミュレーション結果を、オリジナルの動画にしました。動画では、「マスクの有無」で飛沫の飛び方がどう変わるかを、「会話をしたとき」と「咳をしたとき」とで比較しています。
シミュレーション結果では、マスクには飛沫の広がりを抑える大きな効果がある一方で、すべての飛沫が抑えられるわけでもないことが示されています。なお、飛沫はウイルスそのものではありません。シミュレーションの特徴をふまえて結果を見て、自分たちの対策につなげることが大切です。
※「シミュレーション」とは、コンピュータを使って仮想空間で行う実験のことです。「富岳」を使うことで、さまざまな場面の飛沫のシミュレーションを、高い精度で高速で行うことができます。
協力:坪倉誠、BALE Rahul(理化学研究所)、和田耕治(国際医療福祉大学)、神代和明(東北大学)
データ提供:理化学研究所、「富岳」新型コロナ対策プロジェクト飛沫感染チーム
(2021年4月制作)
資料の提供について
動画データおよび解説パネルを、科学館や学校などでご利用いただくこともできます。データをご希望の方は、 以下の問い合わせフォームにてお申込みください。(等身大で動画を表示いただくには、横幅180センチ程度で投影できるプロジェクターを使用いただく必要があります)
問い合わせフォーム
日本科学未来館 オープンコンテンツ担当
TEL. 03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
動画で見る飛沫シミュレーション(ドームシアター編)
ドームシアター内で飛沫がどのように拡散するかを、理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」を使ってシミュレーションしました。
みなさんは今回のシミュレーション結果を見て、どんな疑問や意見を持つでしょうか。どこまで信頼し、どのように感染対策に活用しようと思いますか。
未来館では、2022年2月~8月まで館内ドームシアター前にシミュレーション動画を展示し、みなさんの意見を書いて貼っていただけるボードを設置していました。いただいた意見の中には、「咳の飛沫が可視化できてハザードマップになった」のようにリスクを客観的に受け止めようという意見もあれば、「知ることは大事だが知らない方が幸せな時もある」のようにリスクを知ることに不安を覚えるという意見もありました。
2022年6月には、シミュレーション研究者、感染症の専門家と一緒に飛沫シミュレーションの結果に関する情報発信のあり方について、参加者のみなさんに意見を伺いながら考える対話イベント「飛沫シミュレーションは感染対策のヒントになる?」を開催しました。
シミュレーションは、未来の社会づくりに役立つ技術として注目されています。一方で、同じ結果や伝え方でも、人によって受け取り方が異なります。いろいろな人がいる中、飛沫シミュレーションについてどう情報発信していけばよいのでしょうか。みなさんが実際に足を運ぶ場所での新型コロナウイルスの感染対策を通して、シミュレーションという技術やその使い方についても考えるきっかけにしてもらえれば幸いです。
シミュレーションの結果や方法、さらに詳しい内容については、下記のリンクから資料をご覧いただくことができます。
協力:理化学研究所、神戸大学、豊橋技術科学大学、東京工業大学、鹿島建設株式会社、株式会社数値フローデザイン、株式会社富士テクニカルリサーチ
「新型コロナウイルスのキモチ」スイングポップ
身近にひそむ感染リスクをアピールするため、新型コロナウイルスに関する注意喚起のポップを制作しました。ポップにはウイルスをモチーフにしたキャラクターが登場します。あえてウイルスにセリフを語らせることで、「どこにリスクがあるのか」「どのような行動がリスクを高めるのか」「どのような対策が有効なのか」をわかりやすく伝えることがねらいです。デザインは全部で7種類。状況や目的にあわせて使い分けができるようデザインしました。
未来館内だけでなくさまざまな場所でも使っていただけるよう、ポップのペーパークラフトをダウンロードできるようにしました。A4の紙に印刷してお使いください。
(2021年4月制作)
ニコニコ生放送での情報発信
国立国際医療研究センター国際感染症センターと日本科学未来館のコラボ企画。ニコニコ生放送を通して、新型コロナウイルス感染症に関する情報提供を行いました。
(最終放送:2021年9月18日)
未来館の感染拡大防止への取り組み
感染拡大防止に対する来館者の皆さんの協力を促すとともに、自らのふるまいを科学的にとらえていただく機会とすることを目的に、「risk≠0(リスクはゼロではない、だから)」というスローガンを掲げ、館内各所で情報発信を行いました。
また、未来館における新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の取り組みについて、その考え方や具体的な方法をまとめたガイドラインやマニュアルを策定し、2020年に公開しました。感染防止策についての理解が進んできた状況を踏まえ現在は更新していませんが、アーカイブとしてご紹介します。
スローガン「risk≠0(リスクはゼロではない、だから)」
館内での感染拡大防止には、施設としての対策を十分工夫するのはもちろんのこと、来館者の皆さんにもご協力いただき、双方でより良い環境をつくりあげていくことが不可欠です。館内で過ごすご自身のふるまいを科学的にとらえ、自らの生活や社会での行動を考える科学コミュニケーションそのものを体験いただければという思いを込めて、「risk≠0(リスクはゼロではない、だから)」というスローガンを掲げ、館内各所で情報発信を行いました。
ガイドラインについて
科学的な知見や考え方に基づいて自らが思考し、感染予防策や運営方法を創意工夫して立案・実施するため、政府や東京都等から公表された感染拡大対策に関するガイドライン等をふまえるとともに、専門家の方に監修・助言いただいて作成しました。社会で行われているさまざまな予防策の背景や仕組みを知ることで、創造的な対策や継続しやすい生活様式を生み出す一助になることを願い、公開しました。
「自らが思考し立案・実施するための 再開館に向けたCOVID-19対策ガイドライン」[PDF 3.90MB]
(2020年5月26日公開、2020年12月17日更新)
マニュアルについて
上記のガイドラインに基づき、実際に来館者をお迎えするにあたっての具体的なマニュアルも作成しました。他の類似施設の参考になればと思いから公開しました。現在の感染拡大防止の取り組みは、「ご来館にあたってのお願い」をご覧ください。
「日本科学未来館 COVID-19 対策マニュアル」[PDF 2.26MB]
(2020年7月22日公開、2021年4月12日更新)