プロジェクト概要
研究内容
本プロジェクトでは、人間の身体運動のメカニズムの解明に向けて、最先端の科学・工学技術の融合を実践します。潜在的な身体能力を開発する科学の構築と具体的な方法論の提案を目指します。スポーツ科学・理工学を専門とする早稲田大学の研究グループが核となり、目的達成型の機能拠点を構築します。人間を対象とした種々計測と、人間型ロボットの開発と人間への応用に関して重点的に研究を推進します。歩行・走行・跳躍などの基本運動のパフォーマンスの計測、独自に開発した装置やロボットの評価、参加型のデモンストレーションを行ったりすることのできる、運動計測・解析ラボを構築します。
科学コミュニケーション活動について
科学コミュニケーション活動を通じて、参加者が人間の運動能力の計測手法や改善方法に触れ、実感する場を設けます。また、日本や世界各国の次代を担う子どもたちに、最先端の研究活動を見学・体験してもらうことで、研究に対する興味を引き出し、将来的に科学の世界で羽ばたく人材が育つきっかけづくりを行います。国際交流を目指し、英語での活動も実施する。ラボツアー、ミニ実験室、トークイベント、対面&オンラインセミナー等を計画しています。
研究代表者
川上 泰雄
早稲田大学スポーツ科学学術院/早稲田大学総合研究機構ヒューマンパフォーマンス研究所
博士(教育学)(1995)(東京大学)。東京大学助手・助教授、早稲田大学スポーツ科学部助教授を経て、2005年より現職。人間の身体の形態と機能とトレーニング効果、成長・加齢変化に関して、生体計測を中心とした研究を進めている。また、スポーツパフォーマンスや身体運動能力の規定因子・向上方法について運動生理学(体力特性)およびバイオメカニクス(技術や道具の特性)の観点から研究している。2017年より上杉繁教授(理工学術院)とともにヒューマンパフォーマンス研究所を主宰、メンバーの高西淳夫教授・武岡真司教授(理工学術院)とともに日本科学未来館での活動を開始した。
メッセージ
人間の身体運動に関して、スポーツ科学と理工学の融合による研究を進めます。子ども、アスリートを含む青年、中高齢者を対象にしたプロジェクトや、種々デバイス・ロボットの開発・応用を実施します。来館者の皆さんの参加型イベントも企画しますので積極的にご参加ください。
研究成果
2024年
- 2024.03
- 【学会・シンポジウム発表】Shinji Takeoka. Polymer thin film devices for biomedical applications (Plenary Lecture). Joint Symposium between Waseda University and the University of Bonn, Bonn, Mar 11, 2024.
- 2024.01
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【論文】Hiroaki Taniguchi, Mao Nagata, Hirokazu Yano, Hidenori Okuzaki, Shinji Takeoka. Evaluation of stability and cytotoxicity of self-doped PEDOT nanosheet in a quasi-biological environment for bioelectrodes. ACS Applied Polymer Materials, 6(3): 1645–1652, 2024.
DOI: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsapm.3c02351
- 2023.12
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【学会・シンポジウム発表】川上泰雄. 身体の「バネ」の所在と使い方を考える. 日本スプリント学会第34回大会 シンポジウム『スプリントにおける”バネ”とその制御』 (早稲田大学ヒューマンパフォーマンス研究所共催), 同志社大学, 京都, 12/9-10, 2023.
【学会・シンポジウム発表】大谷拓也. ロボットから考える身体の「バネ」の使い方. 日本スプリント学会第34回大会 シンポジウム『スプリントにおける”バネ”とその制御』 (早稲田大学ヒューマンパフォーマンス研究所共催), 同志社大学, 京都, 12/9-10, 2023.
【学会・シンポジウム発表】大塚 俊. 生体内の知られざるバネとその役割 〜深筋膜に注目して〜. 日本スプリント学会第34回大会 シンポジウム『スプリントにおける”バネ”とその制御』 (早稲田大学ヒューマンパフォーマンス研究所共催), 同志社大学, 京都, 12/9-10, 2023.
- 2023.11
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【論文】中澤由理, 渡部竜也, 宮澤啓吾, 峯下弘毅, 大谷拓也, 川上泰雄, 林 憲玉, 高西淳夫. 人間の特徴に着目した投球ヒューマノイドロボットの開発—第3報:投球時の脱力動作を模擬する軽量肘部機構およびボールに回転を加える投球が可能な指部機構の開発—. 日本ロボット学会誌, 41(9): 805-808, 2023.
DOI: https://doi.org/10.7210/jrsj.41.805
【学会・シンポジウム発表】井上寛介,青木芳樹,玉地雅浩,上杉 繁
触圧覚刺激法に着目した運動機能向上のための肘関節を対象とする実験的装置の開発. 日本機械学会シンポジウム:スポーツ工学・ヒューマンダイナミクス2023,名古屋, Nov 10-12, 2023.
【学会・シンポジウム発表】青山凌太,玉木 岳,玉地雅浩,上杉 繁. 歩行時における下肢動作の支援を目的とした装着型テンセグリティ構造体の開発. 日本機械学会シンポジウム:スポーツ工学・ヒューマンダイナミクス2023,名古屋,Nov 10-12, 2023.
- 2023.09
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【学会・シンポジウム発表】岩本真輝,中澤由理,宮澤啓吾,峯下弘毅, 大谷拓也, 川上泰雄, 林 憲玉, 高西淳夫. 人間の特徴に着目した投球ヒューマノイドロボットの開発(第5報:弾性を備えた投球ロボットの肩・肩甲骨機構の開発). 第41回日本ロボット学会学術講演会,仙台, Sep 11-14, 2023.
【学会・シンポジウム発表】金丸光希, 津野太希, 峯下弘毅, 大谷拓也, 川上泰雄, 林 憲玉, 高西淳夫. 脚弾性を活用した2足走行ロボットのための高出力発揮・トルク計測可能な剛性可変機構の開発. 第41回日本ロボット学会学術講演会,仙台, Sep 11-14, 2023.
【学会・シンポジウム発表】津野太希,金丸光希, 峯下弘毅, 大谷拓也, 川上泰雄, 林 憲玉, 高西淳夫. 脚弾性を活用した2足走行ロボットのための軽量・高出力発揮可能な脚機構の開発. 第41回日本ロボット学会学術講演会,仙台, Sep 11-14, 2023.
【学会・シンポジウム発表】中澤由理,宮澤啓吾, 峯下弘毅, 大谷拓也, 川上泰雄, 林 憲玉, 高西淳夫. 人間の特徴に着目した投球ヒューマノイドロボットの開発(第 4 報:肘関節の慣性力利用を模擬した投球動作生成手法). 第41回日本ロボット学会学術講演会,仙台, Sep 11-14, 2023.
- 2023.07
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【学会・シンポジウム発表】Hiroaki Taniguchi, Mao Nagata, Hirokazu Yano, Shinji Takeoka.
Fabrication of Free-standing Nanosheet with Self-doped PEDOT and Evaluation of Its Properties,
The 13th SPSJ International Polymer Conference (IPC2023), Sapporo, Jul 18-21, 2023.
Hiroaki Taniguchi (LD1) ACS Applied Polymer Materials award sponsored by American Chemical Society, The 13th SPSJ International Polymer Conference, (IPC2023).
【学会・シンポジウム発表】Yasuo Kawakami, Shigeru Wesugi, Atsuo Takanishi, Shinji Takeoka, Takuya Otani, Fumiko Tanaka. Human performance transcendence: An approach from sport science, engineering, and medicine. International Symposium on Human Movement Studies: From Perspectives of Sport Science, Engineering, and Medicine, 日本科学未来館, July 27, 2023.
【学会・シンポジウム発表】Takuya Otani. Humanoid robots mimicking humans' anatomical and functional features. International Symposium on Human Movement Studies: From Perspectives of Sport Science, Engineering, and Medicine, 日本科学未来館, July 27, 2023.
【学会・シンポジウム発表】Carmela Julia Mantecón Tagarro. Unique shape of human biceps femoris aponeurosis: in vivo and in situ findings. International Symposium on Human Movement Studies: From Perspectives of Sport Science, Engineering, and Medicine, 日本科学未来館, July 27, 2023,
- 2023.06
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【論文】Hiroki Wakashima, Kodai Kishino, Shinpei Iizuka, Masahiro Tamachi, Shigeru Wesugi
Design of wearable tensegrity structures focusing on the tension propagation function throughout the. body
Proceedings of the Design Society, Volume 3: ICED23
DOI: https://doi.org/10.1017/pds.2023.129
- 2023.03
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【学会・シンポジウム発表】Yasuo Kawakami, Shigeru Wesugi, Atsuo Takanishi, Shinji Takeoka, Takuya Otani, Fumiko Tanaka. Human performance transcendence: an approach to the health promotion of humans from sport science and engineering perspective. 2nd International Conference on TU Health Science, Thammasat University, Thailand, Mar. 16-17, 2023,
【学会・シンポジウム発表】川上泰雄, 飯田綱規, 田中史子. Withコロナでの体力の維持・向上:科学的知見の応用を考える. 早稲田大学総合研究機構シンポジウム「Withコロナ時代の人間と社会のあり方を考える」, 早稲田大学, March 8, 2023.
- 2023.01
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【論文】Hiroto Shiotani, Katsuki Takahashi, Honma, Y., Kazuki Tomari, Hidetaka Hayashi, Natsuki Sado, Yasuo Kawakami. Mechanical linkage between Achilles tendon and plantar fascia accounts for range of motion of human ankle-foot complex. Med. Sci. Sports Exerc. 55: 66-73, 2023.
DOI: 10.1249/MSS.0000000000003020.
- 2022.08
- 【学会・シンポジウム発表】Yasuo Kawakami, Jiayi, Wu, Ryohei Aoki,, Hiroto Shiotani. Lower extremity muscle activity during walking at different speeds: the quadriceps change most. 27th Annual Congress of the European College of Sports Science, Paris, Aug. 30 - Sep. 2, 2022.
- 2022.07
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【論文】Hiroki Mineshita, Takuya Otani, Yuji Kuroiwa, Masanori Sakaguchi, Yasuo Kawakami, Hun-ok Lim, Atsuo Takanishi. Development of joint mechanism that can achieve both active drive and variable joint quasi-stiffness by utilizing 4-bar and 5-bar composite linkage. CISM International Centre for Mechanical Sciences, Courses and Lectures, 606: 231-237, 2022.
DOI: 10.1007/978-3-031-06409-8_24.
関連イベント
現在の入居プロジェクト
「アバター共生社会」プロジェクト
石黒 浩 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
「xDiversity(クロス・ダイバーシティ)」プロジェクト
落合 陽一 (筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター)
「こどもからみる不思議世界探求」プロジェクト
山口 真美 (中央大学 文学部)
身体性メディアプロジェクト「Cyber Living Lab」
南澤 孝太 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD))
「サステイナブルバイオテクノロジー」プロジェクト
渡邉 一哉 (東京薬科大学 生命科学部 生命エネルギー工学研究室)
「知的やわらかものづくり革命」プロジェクト
古川 英光 (山形大学 ソフト&ウェットマター工学研究室 SWEL)
「ヒューマン・オルガノイド」プロジェクト
武部 貴則 (大阪大学大学院医学系研究科 器官システム創生学講座、大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点(PRIMe)、東京医科歯科大学 統合研究機構、横浜市立大学 先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター、シンシナティ小児病院 消化器部門・発生生物学部門)
「ミトコンドリア生合成」プロジェクト
遠藤 斗志也 (京都産業大学生命科学部)