
私たちの毎日の生活に欠かせない 「電気」 をつくる微生物を探す市民参加型研究(シチズンサイエンス)に参加してみませんか? 昨年にひき続き、今年も 「スーパー発電菌をみんなで探そうプロジェクト」 を実施します!
※過去の 「スーパー発電菌をみんなで探そうプロジェクト」 の様子はこちらのブログ(2022年の開催レポート、2024年の開催レポート)をご覧ください。
微生物のなかには、電気をつくることができる菌、通称 「発電菌」 がいます。身近な場所の泥や土の中には、多様な発電菌が住んでいると考えられています。これらをうまく利用することができれば、太陽光や風力などの自然エネルギーとともに、石油や石炭などの化石燃料に代わる新たなエネルギーの選択肢をつくり出せると期待されているのです。
しかし、実社会で使えるエネルギー源にするためには、高い発電能力の発電菌を利用するなどして、発電装置としての性能をもっと上げていかなければなりません。このような研究に取り組む研究者と一緒に、発電能力の高い 「スーパー発電菌」 を探す科学研究に参加してくれる中学生・高校生の仲間を募集します! 前回参加した経験を活かしたい方も、今回こそは参加するぞ! という意気込みの方も、一緒にスーパー発電菌を探してみませんか?
プロジェクトの研究代表者の渡邉一哉教授より
私たち研究者は、今まで調査したことのない土地や地層の泥に大きな興味があり、新たな参加者に期待を寄せています。発電菌の研究を行うプロジェクトメンバーがメンターとなり、相談しながら研究や発表準備ができるので、初参加でも安心して研究を行うことができます。また、今までのプロジェクトに参加した中学や高校グループの皆さんは、経験を生かしてさらによく発電する菌が住んでいる泥を探してください。
このプロジェクトは下記5つのステップで構成されています。すべてのステップに参加できることが応募の条件となります。

ステップ1. 泥電池を作って、測って、試してみよう!
事前にお送りする実験キットに発電菌が住んでいそうな近隣の泥や土を入れて 「泥電池」 を作成します。
※主に初めて参加されるグループ向けに、電池の原理や実験方法についてのレクチャーを6月21日(土)の午後に実施する予定です(60~90分程度)。科学的な研究を行ううえでの注意点などについてもお話しします。レクチャーの録画は後日共有する予定です。過去に参加されたことのあるチームの参加も可能です。
ステップ2(7月~8月):泥電池を測って、試してみよう!
ステップ1で作った泥電池がどのくらい発電しているかを継続して測定し、測定結果をまとめます。事前に参加者に詳しいマニュアルをお送りします。
ステップ3(8月下旬):結果を共有しよう!
アドバイスをしてくれる学生メンターと他のチームとオンラインで中間報告会をします。中間報告会では各チームが結果を共有し合い、データ分析のチェックを行います。
ステップ4(9月):最終報告を準備しよう!
同じチームのメンバーとともに、自分たちの泥電池の結果から何が言えるかを考え、最終報告会(ステップ5)のための発表資料にまとめます。中間報告会で出たアイデアや改善案を実施してみることもできます。
ステップ5(10月19日(日)):研究者と一緒に発電菌の課題と未来を考えよう!
参加者がオンラインで集まり、最終報告会を行います。まずは、それぞれのグループごとに分かれて、メンバーと研究者が一緒に、泥電池の結果を見比べたり意見を出し合ったりしながら、“スーパー発電菌”がいるかもしれない泥について考えます。その後、参加者全員で、各グループの考えを共有しながら、みんなで一緒に発電菌の未来を考えていきましょう。
※最終報告会への参加は必須です。応募する際、10月19日(日)に参加可能かをご確認ください。
研究代表者(敬称略)

渡邉 一哉
東京薬科大学 教授
ファシリテーション

セーラ ホクス
科学コミュニケーター

渡邉 桂佑
科学コミュニケーター
開催概要
- 開催日時
-
実験期間:2025年6月~10月
最終報告会:2025年10月19日
- 開催場所
-
【事前レクチャー、中間報告会、最終報告会】
・オンライン会議システムZoom
【実験など】
・自宅や学校
- 対象
-
中学生・高校生のグループ
※顧問または担任の先生にご指導いただける学校の科学部や探究活動のグループなどでの参加を推奨します。それ以外のグループの応募も可能ですが、応募数が多い場合は学校のグループ(先生からの申し込み)を優先させていただきます。
- 参加人数
-
20組程度
※お申し込みの際に、参加する生徒の人数と先生の人数、希望するキット数をお知らせください。
- 参加費
- 無料
- 注意事項
-
【泥の採取(サンプリング)について】
・申し込み時、泥または土をサンプリングする予定の場所についてお尋ねします。
・事前のサンプリングは、未成年の方は必ず保護者か引率の先生と一緒に行ってください。
・第三者の所有地や国等が管理する場所から、許可無く泥や土を採取すると法に触れる場合があります。ご自身の所有地以外で泥や土を採取する場合は、必ず所有者又は管理者の許可を得てから、採取するようにしてください。
・サンプリング時に以下のご用意をお願いします。
- カメラ(スマートフォン可)
- GPS(スマートフォン可)
- 汚れてもよい服
- 泥や土を採取するための道具(スコップ・ショベル、バケツなど)
【その他】
・事前レクチャー、中間報告会、最終報告会では、操作性の面からPCの使用を推奨します。
- 引率・顧問・担任の先生方へ
-
部活やクラスのグループ単位で参加してください。
ステップ1~2では、科学研究の基本である 「実験」 「観察」 「記録」 を継続して行うことで、 「正解がわからない問題」 「答えがあるかどうかわからない問題」 に取り組む体験をします。
ステップ3~5では、同年代の他の参加者との議論を通して、基礎研究において最も重要な 「考察」 に取り組みます。両パートを通して、「科学研究」 の一端が体験できます。
関連する単元
<高校>
物理基礎 「電気」 / 物理 「電気と磁気」 / 化学基礎 「物質の変化とその利用」 / 化学 「物質の変化と平衡」 / 生物 「代謝」
<中学>
「電流とその利用」 「生物の体のつくりと働き」
- 字幕の視聴について
- 事前レクチャー、中間報告会、最終報告会では、オンライン会議システムのZoomの字幕機能を利用します。お申し込みフォームでは字幕対応を希望するかどうかご入力ください。
- 参加方法
-
【事前申し込み制】
東京薬科大学の 「お申し込みフォーム」 より事前申し込みを受け付けます。
申し込み締めきり:2025年5月30日(金)17:00
※泥や土のサンプリング予定地点、参加人数、必要キット数は必ずご回答ください。
※複数キット申し込みの場合も、テスター(電圧測定機器)は1チーム1台とさせていただきます。また、テスターをお持ちの場合は原則としてテスターを配布しません。1台以上のテスターが必要な場合には、必要な数を申し込みフォームにご記入ください。
※グループ形態やサンプリング予定地等を総合的に判断の上、6月下旬に参加の可否をお知らせします。
- 撮影について
-
・事前レクチャー、最終報告会は録画します。録画は今年の本プロジェクトの参加者に限定して共有します。また、事前レクチャーや最終報告会で撮られたスクリーンショットは未来館および共催機関、アウトリーチ先の公式サイト(HP、SNS等)や報告書等の各種資料で使用される場合があります。
・撮影不可の場合には、カメラをオフにしてから会議にご参加ください。
・参加者ご自身による写真や動画の撮影については、個人でお楽しみいただく範囲であれば可能ですが、他の方が映りこまないようご注意ください。
- 主催
-
日本科学未来館
東京薬科大学 生命科学部 生命エネルギー工学研究室
- お問い合わせ先
-
【手続きやスケジュールに関するお問い合わせ】
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
お問い合わせフォーム
【科学や実験計画などに関するお問い合わせ・ご相談】
東京薬科大学お問い合わせフォーム
※2025年のスーパー発電菌をみんなで探そうプロジェクトに関する問い合わせであることをご記載ください。