身近な土壌に「スーパー発電菌」がいるかも?!

私たちの毎日の生活に欠かせない「電気」をつくる微生物を探す市民参加型研究(シチズンサイエンス)に参加してみませんか? 昨年にひき続き、今年も「スーパー発電菌をみんなで探そうプロジェクト」を実施します!

※過去の「スーパー発電菌をみんなで探そうプロジェクト」の様子は2022年の科学コミュニケーターブログをご覧ください。

微生物のなかには、電気をつくることができる菌、通称「発電菌」がいます。私たちの身のまわりにある泥や土の中には、多様な発電菌が住んでいると考えられています。これらをうまく利用することができれば、太陽光や風力などの自然エネルギーとともに、石油や石炭などの化石燃料に代わる新たなエネルギーの選択肢をつくり出せると期待されているのです。

しかし、実社会で使えるエネルギー源にするためには、高い発電能力の発電菌を利用するなどして、発電装置としての性能をもっと上げていかなければなりません。このような研究に取り組む研究者と一緒に、発電能力の高い「スーパー発電菌」を探す科学研究に参加してくれる中学生・高校生の仲間を募集します! 前回参加した経験を活かしたい方も、今回こそは参加するぞ! という意気込みの方も、一緒にスーパー発電菌を探してみませんか?

プロジェクトの研究代表者の渡邉一哉教授より

私たち研究者は、今まで調査したことのない土地や地層の泥に大きな興味があり、新たな参加者に期待を寄せています。発電菌の研究を行うプロジェクトメンバーがメンターとなり、相談しながら研究や発表準備ができるので、初参加でも心配せずに研究を行うことができます。また、今までのプロジェクトに参加した中学や高校グループの皆さんは、経験を生かしてさらによく発電する菌が住んでいる泥を探してください。

このプロジェクトは下記2つのステップで構成されています。片方だけの参加はできません。

ステップ1. 泥電池を作って、測って、試してみよう!

事前にお送りする実験キットに発電菌が住んでいそうな近隣の泥や土を入れて「泥電池」を作成し、どのくらい発電しているかを継続して測定します。
測定後には、発表の準備をします。同じグループのメンバーとともに測定結果をまとめ、自分たちの泥電池の結果から何が言えるかを考え、発表資料にまとめます。

<スケジュール>
6月下旬:実験のためのオンライン事前レクチャー
7月上旬まで:実験キット送付~泥電池組み立て
9月中旬まで:泥電池の運転と電圧測定
9月下旬まで:中間報告会(9月中に実施)
10月中旬まで:実験結果の整理

ステップ2. 研究者と一緒に発電菌の課題と未来を考えよう!

泥電池はこんな感じです

参加者全員で、オンラインで集まります。まずはグループに分かれて、メンバーと研究者が一緒に泥電池の結果を見比べたり意見を出し合ったりしながら、“スーパー発電菌”がいるかもしれない泥について考えます。その後、全員で合流して、各グループの考えを共有しながら、みんなで一緒に発電菌の未来を考えていきましょう。

実施日時:11月10日(日) 時間未定(午後を予定)
実施場所:オンライン会議システムZoom

研究代表者

渡邉 一哉 の写真

渡邉 一哉

東京薬科大学 教授

企画・ファシリテーション

廣瀬 晶久 の写真

廣瀬 晶久

科学コミュニケーター

セーラ ホクス の写真

セーラ ホクス

科学コミュニケーター

開催概要

開催日時
ステップ1.:2024年6月~11月
ステップ2.:2024年11月10日(日) (午後を予定)
開催場所
ステップ1.:自宅や学校、オンライン会議システムZoom
ステップ2.:オンライン会議システムZoom
対象
中学生・高校生のグループ
※顧問または担任の先生にご指導いただける学校の科学部や探究活動のグループなどでの参加を推奨します。それ以外のグループの応募も可能ですが、応募数が多い場合は学校のグループ(先生からの申し込み)を優先させていただきます。
参加人数
20組程度
※お申し込みの際に、参加する生徒の人数と先生の人数、希望するキット数をお知らせください。
参加費
無料
ステップ1. 概要
1.事前レクチャー
主に初めて参加されるグループ向けに、泥電池の原理や実験方法についてレクチャーします。また、科学的な研究を行う上での注意点などについてもお話しします。
※申し込み時、事前レクチャーに参加が可能な日時をお尋ねします。
※過去に参加されたことのあるグループの参加も可能です。

2.事前サンプリング
泥または土の採取(サンプリング)を行います。
※申し込み時、泥または土をサンプリングする予定の場所についてお尋ねします。
※第三者の所有地や国等が管理する場所から、許可無く泥や土を採取すると法に触れる場合があります。ご自身の所有地以外で泥や土を採取する場合は、必ず所有者又は管理者の許可を得てから、採取するようにしてください。
サンプリング時に以下のご用意をお願いします。
・カメラ(スマートフォン可)
・GPS(スマートフォン可)
・汚れてもよい服
・泥や土を採取するための道具(スコップ・ショベル、バケツなど)

3.実験
・事前にサンプリングした泥や土を使って泥電池を組み立てます。
・組み立てた泥電池でどの程度発電できているのかを計測し、記録をとります。
(参加者には詳しいマニュアルをお送りします。)

4.中間報告会
夏休み期間に行った実験データについて、グループごとに報告していただく会です。
ステップ2での研究者と参加者全員が集まる全体報告会に向けて、得られた実験データ、考察やまとめ方を整理します。
ステップ2. 概要
1. 各参加者の結果共有
2. 参加者同士や研究者とのディスカッション
注意事項
・事前のサンプリングは、未成年の方は必ず保護者か引率の先生と一緒に行ってください。
・ステップ1.の事前レクチャー及び中間報告会と、ステップ2.の全体報告会は、操作性の面からPCの使用を推奨します。

【引率・顧問・担任の先生方へ】
部活やクラスのグループ単位で参加してください。
ステップ1.では、科学研究の基本である「実験」「観察」「記録」を継続して行うことで、「正解が分からない問題」「答えがあるかどうかわからない問題」に取り組む体験をします。
ステップ2.では、同年代の他の参加者との議論を通して、基礎研究において最も重要な「考察」に取り組みます。両パートを通して、「科学研究」の一端が体験できます。

関連する単元
<高校>
物理基礎「電気」/物理「電気と磁気」/化学基礎「物質の変化とその利用」/化学「物質の変化と平衡」/生物「代謝」

<中学>
「電流とその利用」「生物の体のつくりと働き」
字幕の視聴について
事前レクチャー、中間報告会、全体報告会では、オンライン会議システムのzoomの字幕機能を利用します。
参加方法
東京薬科大学の「お申し込みフォーム」より事前申し込みを受け付けます。
申し込み締めきり:2024年6月7日(金)17:00
※泥や土のサンプリング予定地点、参加人数、必要キット数は必ずご回答ください。
※複数キット申し込みの場合も、テスター(電圧測定機器)は一団体1台とさせていただきます。それ以上の数が必要な場合には、必要テスター数を記入ください。
※グループ形態やサンプリング予定地等を総合的に判断の上、6月下旬に参加の可否をお知らせします。
撮影について
事前レクチャー、中間報告会、全体報告会では、オンライン会議システムのzoomの録画機能を利用して録画します。
事前レクチャーの録画については、当日出席された方、欠席された方も含めて参加者全員が視聴できるように共有します。
その他の録画は日本科学未来館、東京薬科大学の内部記録以外の目的で使用いたしません。
主催
日本科学未来館
東京薬科大学 生命科学部 生命エネルギー工学研究室
お問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
お問い合わせフォーム
スーパー発電菌を探そうPJの参加を申し込む