身近な土壌に「スーパー発電菌」がいるかも?!

私たちの毎日の生活に欠かせない「電気」を作る微生物を探す市民参加型研究(シチズンサイエンス)に参加してみませんか?昨年にひき続き、今年も「スーパー発電菌をみんなで探そうプロジェクト」を実施します!

※過去の「スーパー発電菌をみんなで探そうプロジェクト」の様子はこちらのブログをご覧ください。

微生物の中には、電気をつくることができる菌、通称「発電菌」がいます。皆さんに身近な場所の泥や土の中には多様な発電菌は住んでいると考えられています。これらの発電菌をうまく利用することができれば、太陽光や風力などの自然エネルギーと共に、石油や石炭などの化石燃料に代わる新たなエネルギーの選択肢を作り出せると期待されています。

しかし、実社会で使えるエネルギー源にするためには、高い発電能力の発電菌を利用するなどして、発電装置としての性能をもっと上げていかなければなりません。このような研究に取り組む研究者と一緒に、発電能力の高い「スーパー発電菌」を探す科学研究に参加してくれる中学生・高校生の仲間を募集しています!前回までの経験を活かしたい方も、今回こそは参加するぞ!という意気込みの方も、一緒にスーパー発電菌を探してみませんか?

プロジェクトの研究代表者の渡邉一哉教授より

私たち研究者は、今まで調査したことのない土地や地層の泥に大きな興味があり、新たな参加者に期待を寄せています。発電菌の研究を行うプロジェクトメンバーがメンターとなり、相談しながら研究や発表準備ができるので、初参加でも心配せずに研究を行うことができます。また、今までのプロジェクトに参加した中学や高校グループの皆さんは、経験を生かしてさらによく発電する泥を探してください。

このプロジェクトは下記2つのステップで構成されています。片方だけの参加はできません。

ステップ1. 泥電池を作って測って試してみよう!

お送りする実験キットに近隣の泥や土を入れて「泥電池」を作成し、どのくらい発電しているかを継続して測定します。
測定後には、発表の準備をします。同じグループのメンバーと共に測定結果をまとめ、自分達の泥電池の結果から何が言えるかを考え、発表資料にまとめます。

組立時期:7月上旬
実験期間:7月中旬~9月中旬(約2か月)
発表準備:9月下旬~10月中旬
実施場所:皆さんの学校など

ステップ2. 研究者と一緒に発電菌の課題と未来を考えよう!

泥電池はこんな感じです

参加者全員で、オンラインで集まります。
まずは、それぞれのグループのメンバーと研究者が一緒に、泥電池の結果を見比べたり意見を出し合ったりしながら、“スーパー発電菌”がいるかもしれない泥について考えます。その後、全員で合流して、各グループの考え共有しながら、みんなで一緒に発電菌の未来を考えていきましょう。

実施日時:10/29 時間未定(午後を予定)
実施場所:オンライン会議システムZoom

研究代表者

渡邉一哉 の写真

渡邉一哉

東京薬科大学 教授

ファシリテーション

廣瀬 晶久、セーラ ホクス(日本科学未来館科学コミュニケーター)

開催概要

開催日時
ステップ1.:2023年7月~2023年10月
※ステップ1.スケジュール
7月上旬まで:実験キット送付~泥電池組み立て
9月中旬まで:泥電池の運転と電圧測定
10月中旬まで:実験結果の整理
ステップ2.:2023年10月29日(日) (午後を予定)
開催場所
ステップ1.:自宅や学校など
ステップ2.:オンライン会議システムZoom
対象
中学生・高校生のグループ推奨
※科学部や探究活動など、最大10人前後のグループでの参加を推奨しますが、少人数(1名から)でも構いません。
※実験や報告会がありますので、部活動の顧問または担任の先生、保護者など、大人の方と一緒に参加してください。
参加人数
20組程度
※お申し込みの際に、参加する人数と先生または保護者の人数、希望するキット数をお知らせください。
参加費
無料
ステップ1.概要
1.事前サンプリング
泥または土の採取(サンプリング)を行います。
※申し込み時、泥または土をサンプリングする予定の場所についてお尋ねします。
※第三者の所有地や国等が管理する場所から、許可無く泥や土を採取すると法に触れる場合があります。ご自身の所有地以外で泥や土を採取する場合は、必ず所有者又は管理者の許可を得てから、採取するようにしてください。

2.実験
・事前にサンプリングした泥や土を使って泥電池を組み立てます。
・組み立てた泥電池でどの程度発電できているのかを計測し、記録を取ります。
(参加者には詳しいマニュアルをお送りします。)

3.ご用意いただくもの
(事前サンプリング時)
・カメラ(スマートフォン可)
・GPS(スマートフォン可)
・汚れても良い服
・泥や土を採取するための道具(スコップ・ショベル、バケツなど)
ステップ2.概要
1.各参加者の結果共有
2.参加者同士や研究者とのディスカッション
注意事項
・事前のサンプリングは、未成年の方は必ず保護者か引率の先生と一緒に行ってください。
・ステップ2.当日は、操作性の面からPCの使用を推奨します。

【引率の先生、保護者の方へ】
ステップ1.では、科学研究の基本である「実験」「観察」「記録」を継続して行うことで、「正解が分からない問題」「答えがあるかどうかわからない問題」に取り組む体験をします。
ステップ2.では、同年代の他の参加者との議論を通して、基礎研究において最も重要な「考察」に取り組みます。両パートを通して、「科学的研究」の一端が体験できます。

関連する単元:
<高校>
物理基礎「電気」/物理「電気と磁気」/化学基礎「物質の変化とその利用」/化学「物質の変化と平衡」/生物「代謝」

<中学>
「電流とその利用」「生物の体のつくりと働き」
字幕の視聴について
本イベントでは、音声認識字幕アプリ「UDトーク」をご利用いただけます。ご利用希望の方は、お申し込みフォームの当該項目にチェックを入れた上でお申し込みください。
参加方法
【事前申し込み制】
東京薬科大学の「お申し込みフォーム」より事前申し込みを受け付けます。
申し込み締めきり:2023年6月16日(金)17:00
※泥や土のサンプリング予定地点、参加人数、必要キット数は必ずご回答ください。
※複数キット申し込みの場合も、テスター(電圧測定機器)は一団体1台とさせていただきます。それ以上の数が必要な場合には、必要テスター数を記入ください。
※申し込み多数の場合は、サンプリング予定地等を総合的に判断の上、6月下旬に参加の可否をお知らせします。
主催
日本科学未来館
東京薬科大学 生命科学部 生命エネルギー工学研究室
お問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
お問い合わせフォーム
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