イヌの視界(左)とヒトの視界(右)を再現した画像。イヌは、多くのヒトが区別している、赤や緑を区別しません。協力:今給黎隆、東京工芸大学色の国際科学芸術研究センター

この夏、こどもから大人までを対象にした”色”のイベントを開催します!
あなたは「青色」と「水色」を別の色だと思うでしょうか? 日本語をふくむ一部の言語を話す人は、明るい青色に「青」とは別の名前(「水色」など)をつける傾向にあることがわかっています。また言語にかかわらず、同じものを見ていても、色の見え方や色の仲間分けの仕方には個人差があります。さらに、ほかの生物と人間でも色の見え方がことなる例があります。たとえば虫や鳥のなかには、人間が知覚しない光(紫外線)を色として見ることができる種類がいます。
このイベントでは、研究者やほかの参加者とお話ししながら、さまざまな色の世界をめぐります。それを通して、あなたの知らない色が見えている他者に興味がわくかもしれません。

トーク&体験

生後2カ月の赤ちゃんの視界(左)と生後8か月の赤ちゃんの視界(右)を再現した画像。この期間に次第にものの輪郭ははっきりし、色も鮮やかに見えるようになります。協力:坂元咲智、橋本のぞみ、吉野優作、野口靖、東京工芸大学色の国際科学芸術研究センター

まずサイエンスライターの川端裕人さんに、虫や鳥、人間など生物から見た色の世界についてお話を聞きます。次に、赤ちゃんの心を研究している山口真美さんには、赤ちゃんやこどもを例に、人間どうしでも発達の段階によって色の見え方がことなることを解説していただきます。最後に、脳と色覚のかかわりを研究している栗木一郎さんと一緒に色の仲間分けをしてみます。集まった人同士でも色の感じ方がさまざまであることを体験します。

ワークショップ(午後のみ)

ワークショップでは、自由な雰囲気でゲストスピーカーやほかの参加者と話し合います。

トーク&実験のあとには、ゲストスピーカーに哲学者の清水将吾さんも加わり、みんなで感想を話し合うワークショップを開催します。研究者に疑問を伝えたり、他の人の意見に耳を傾けたりするなかで、もっと深いことを知り、考えるきっかけが生まれるかもしれません。お子さんや、会話が苦手な方もだいじょうぶ。清水さんや科学コミュニケーターが、「哲学対話」という方法を使ってお話ししやすい雰囲気をつくります。

未来館内には個性豊かな研究者たちが研究を行う「研究エリア」があり、9つの研究プロジェクトが集まっています。本イベントはその一つ、山口真美さん率いる「こどもからみる不思議世界探求」プロジェクトの活動の一環です。このプロジェクトでは、こどもから見た世界を明らかにし、赤ちゃんやこどもが育つ環境を考え直す活動を行っています。

ゲストスピーカー(敬称略)

山口 真美 の写真

山口 真美

中央大学文学部 教授

博士(人文科学)。専門は認知心理学、特に乳児の視覚についての研究。日本赤ちゃん学会副理事長。

川端 裕人 の写真

川端 裕人

サイエンスライター・小説家

『「色のふしぎ」と不思議な社会 ─2020年代の「色覚」原論』ほか、ノンフィクションや小説などの著書多数。

栗木 一郎 の写真

栗木 一郎

埼玉大学理工学研究科 教授

博士(工学)。専門は視覚心理物理学。主に色覚のメカニズムを、脳活動と知覚の関わりから調べている。

清水 将吾 の写真

清水 将吾

立教大学 兼任講師/NPO法人こども哲学おとな哲学アーダコーダ 理事

博士(哲学)。専門は哲学、教育哲学。子どもや学生を対象にした哲学ワークショップを開催。

ファシリテーション

飯田 綱規 の写真

飯田 綱規

科学コミュニケーター

さまざまな分野の専門家と市民が、人間について一緒に考える場をつくっています。好きな色はネイビー。

大久保 明 の写真

大久保 明

科学コミュニケーター

すべての人に開かれたミュージアムづくりを試行錯誤中。好きな色は浅葱色かもしれない。

加藤 昂英 の写真

加藤 昂英

科学コミュニケーター

来館者一人ひとりにとっての、科学とのより良い関わりかたを考えています。好きな色はマゼンタ。

アーカイブ動画

トーク&体験パートのアーカイブ動画はこちらからご覧いただけます。

開催概要

開催日時
2023年8月13日(日)
①11:00~11:45 トーク&実験(45分)
②13:30~15:15 トーク&実験(45分)、ワークショップ(45分)
※申し込みは、①と②のどちらかをお選びください。
※①と②のトーク&実験の内容は同じです。②のワークショップでは参加者とゲストスピーカーみんなでトーク&実験の感想を語り合います。
※②はトーク&実験とワークショップの間に休憩15分をはさみます。
開催場所
日本科学未来館 5階 コ・スタジオ(トーク&実験)、3階 ハブスペース(ワークショップ)
※本イベントは撮影し、後日YouTubeの未来館チャンネルにてアーカイブ配信を予定しています。
対象
小学3年生以上推奨
参加人数
30人(事前申し込み制、先着順)
※席に余裕がある場合は、当日も受け付けます。
参加費
入館料のみ
字幕の視聴について
(トーク&体験)音声認識字幕アプリを使用し、イベント会場に字幕を表示いたします。

(ワークショップ)字幕表示用の端末の貸し出しを行います。必要な方は、お申し込みフォームの当該項目で「利用する」を選択し、お申し込みください。
参加方法
【事前申し込み枠】(先着順)
以下「お申し込みフォーム」より事前申し込みを受け付けいたします。

※申し込み期間は8月11日(金)17:00までです。
※複数名でご参加の場合は、席数の確保のため、全員分の申し込みをお願いいたします。
※席に余裕がある場合は当日のご参加も可能です。

お申し込みフォーム
①11:00~11:45 トーク&実験(45分)
②13:30~15:15 トーク&実験(45分)、ワークショップ(45分)
主催
日本科学未来館、「こどもからみる不思議世界探求」プロジェクト
ワークショップアドバイザー
河野哲也氏(立教大学文学部 教授)
お問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
お問い合わせフォーム