VISIONARY FES VOL.3

2022年4月20日(水)に公開を開始した常設展示「ビジョナリーラボ」の新展示「セカイは微生物に満ちている」。
展示をより深く楽しんでいただくため、トークイベントシリーズ「VISIONARY FES」を開催し、これまで微生物多様性と次世代の都市デザインについて考えてきました。

私たちは普段、たくさんの目に見えない微生物たちと共に暮らしています。しかし、現代的な都市環境やライフスタイルへの変化、さらに新型コロナウイルスの世界的流行は、これまでの私たちと微生物との関係を大きく変えつつあります。さらに、その変化が私たちの健康に思ってもいなかった影響を与えていることが、最近の研究から報告されています。
「VISIONARY FES」では、常設展示「ビジョナリーラボ」の今回のビジョナリーである伊藤光平さんをはじめ、さまざまな方をゲストにお呼びし、微生物たちとの共生やこれからの関係性についてトークをおこないます。

第3回のテーマは「微生物がうつし出す あなたのこころ わたしのこころ」
第1回、第2回のトークでは微生物多様性の観点から都市や環境などを取り上げてきました。
第3回は、微生物多様性をキーワードに、都市をはじめさまざまな環境に暮らす私たちそれぞれの視点や感覚、そして文化について深堀りしていきます。
ゲストは、ビジョナリーとして都市における微生物多様性を掲げる伊藤光平さん、腸内細菌を専門に研究する福田真嗣さん、本展示オリジナルのSF小説『ココ・イン・ザ・ルーム』を執筆した青山新さん、科学と異分野をつなぐプロジェクトをはじめ、最近では死や民俗学をテーマに取り組む編集者/キュレーターの塚田有那さん。「微生物」という言葉によって想起されるイメージの違いから浮かび上がるさまざまな価値観を交差させると、私たちの生き方や世界の見え方にどんな変化が起こるのか。分野やアプローチが全く異なるゲストの方々と、それぞれの微生物観≒微生物センスを交えトークを進めます。

これまでのVISIONARY FES
【VISIONARY FES VOL.1 微生物視点から次世代の都市のありかたを考える】
2022年4月8日(金) 19:00~20:00
https://youtu.be/I-Rjoa-Ky0U外部サイトへ移動します

【VISIONARY FES VOL.2 都市の微生物多様性を“拡張”するビジョン】
2022年4月22日(金) 21:00~22:00
https://youtu.be/ikwnI47DU0A外部サイトへ移動します

ゲストスピーカー

伊藤 光平 の写真

伊藤 光平

株式会社BIOTA 代表取締役

1996年生まれ。都市環境の微生物コミュ二ティの研究・事業者。
山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所にて高校時代から特別研究生として皮膚の微生物研究に従事。2015年に、慶應義塾大学環境情報学部に進学。情報科学と生物学を合わせたバイオインフォマティクス研究に従事し、国際誌に複数の論文を投稿。現在は株式会社BIOTAを設立し、微生物多様性で健康的な都市づくりを目指して研究・事業をおこなっている。

福田 真嗣 の写真

福田 真嗣

慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授/メタジェン代表取締役社長CEO・CGDO

2006年明治大学大学院農学研究科博士課程を修了後、理化学研究所基礎科学特別研究員などを経て2012年より慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授、2019年より同特任教授。2013年文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。2015年文部科学省科学技術・学術政策研究所「科学技術への顕著な貢献2015」に選定。同年、第1回バイオサイエンスグランプリにて、ビジネスプラン「便から生み出す健康社会」で最優秀賞を受賞し、株式会社メタジェンを設立。代表取締役社長CEOに就任。専門は腸内デザイン学。著書に『もっとよくわかる!腸内細菌叢 ”もう一つの臓器”を知り、健康・疾患を制御する』(羊土社)。学生時代から20年以上一貫して腸内細菌の研究をおこなっており、基礎研究と社会実装の両輪で病気ゼロ社会の実現を目指している。

青山 新 の写真

青山 新

デザイナー/リサーチャー/ライター

1995年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了(デザイン)。〈anon press〉編集長。SFや未来志向型のデザインを中心に、執筆/表現活動をおこなっている。主な作品に「オルガンのこと」(樋口恭介編『異常論文』所収、早川書房)、「ココ・イン・ザ・ルーム」(日本科学未来館「セカイは微生物に満ちている」にて展示)、「Re: Re: Enchantment」(『S-Fマガジン2020年8月号』所収、早川書房)「以顔繪」(『小説すばる2022年2月号』所収、集英社〉、など。
https://scrapbox.io/shinaoyama/外部サイトへ移動します

塚田 有那 の写真

塚田 有那

一般社団法人 Whole Universe 代表理事/編集者、キュレーター

一般社団法人Whole Universe代表理事。編集者、キュレーター。世界のアートサイエンスを伝えるメディア「Bound Baw」編集長。2010年、サイエンスと異分野をつなぐプロジェクト「SYNAPSE」を若手研究者とともに始動。2016~2021年、JST/RISTEX「人と情報のエコシステム(HITE)」のメディアコミュニケーションを担当。2021年、展覧会「END展 死×テクノロジー×未来=?」(ANB Tokyo)、翌年「END展 あなたの人生の物語」(東急ラヴィエールと共催)を主催する。2021年より、岩手県遠野市の民俗文化をめぐるカルチャーツアー「遠野巡灯籠木(トオノメグリトロゲ)」を主催。近著に『RE-END 死から問うテクノロジーと社会』(高橋ミレイと共同編著、2021年人工知能学会AI ELSI賞を受賞)などがある。
http://boundbaw.com/外部サイトへ移動します

企画・ファシリテーション

小林 沙羅 の写真

小林 沙羅

日本科学未来館 科学コミュニケーター

今回のビジョナリーラボの展示で多くの人と考えを混ぜ合わせながら企画を進めていくうちに、自分と他者の”あたま”の境界があいまいに。さらに私たちの体の表面にいる常在菌の存在を意識していたら、自分と他者の“からだ”の境界があいまいに。そこから何とか自分のところに戻ってきてみると、他者と混ざり合っていなかったところが見つかったり、混ざり合う前とは違う自分になっていることを発見したり。微生物を通してゆらゆら揺らいでいる今日この頃。

VISIONARY FES VOL.3 微生物がうつし出す あなたのこころ わたしのこころ

開催概要

開催日時
2023年1月17日(火) 19:00~20:30
開催場所
YouTube(Miraikan Channel)でライブ配信します。
URL: https://youtu.be/Z8mMzOf-p1o外部サイトへ移動します
対象
どなたでもご参加いただけます。
参加費
不要
字幕の視聴について
字幕表示をおこないます。
参加方法
アカデミーヒルズ公式HPより、事前にお申し込みいただくことをおすすめします。
※事前申込がない場合でも、当日視聴していただけます。
お申し込みはこちら外部サイトへ移動します
主催
日本科学未来館
協力
森ビル株式会社、アカデミーヒルズ
お問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
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