
トークセッション実施レポート
科学の発見が話題になることも多い今日このごろ。しかし「はやぶさ2、小惑星から帰還!」「地球はかつて氷の惑星だった!」などと突然言われても、自分の人生には関係ない……なんて思ってしまいませんか?
実は、そんなことはありません。科学がもたらす発見は、私たちが自分自身や身のまわりに向ける眼差しに、たくさんの影響を与えているのです! 何億年も前の地球で起きた現象や地球以外の惑星を探るといった研究が、いま私たちがここに存在していることとどんな風に関わっているか、私たちの考え方や物事のとらえ方をどう変えていくか、一緒に考えてみましょう。
今回のトークセッションでは、惑星と生命のつながりを研究している田近英一氏、科学の知見と人々の思想のつながりを研究している青木滋之氏をお招きし、私たちの価値観と科学の深い関係を探っていきます。
田近氏からは、地球などの惑星、地球と生命の歴史、さらに地球外生命についての研究の現状をお話しいただき、そこから得られる知見をもとに、宇宙や地球における私たちの立ち位置を読み解いていただきます。続いて青木氏から、科学の知見が私たちの価値観をゆさぶってきた歴史をご紹介いただき、さらに、惑星と生命をめぐる新発見が私たちの物事の見方や考え方にどう影響するのか解説していただきます。その後、視聴者からのご質問やコメントを交えながら、社会や私たちにとっての科学の存在意義について、さらに議論を深めていきます。
惑星や生命の話を入り口に、科学することの意味を一緒に考えてみませんか。みなさんのご参加をお待ちしております。
本トークセッションは、常設展示「“ちり”も積もれば世界をかえる– 宇宙・地球・生命の探求」の関連イベントです。
この展示では、私たちの好奇心がどのように世界観を更新していくかを体感できます。世界最高の掘削能力をもつ地球深部探査船「ちきゅう」(JAMSTEC)、リュウグウの砂を持ち帰った小惑星探査機「はやぶさ2」(JAXA)、微弱な電波から宇宙を解き明かす電波望遠鏡「アルマ」(国立天文台)を紹介しています。
東京大学 大学院理学系研究科 博士課程修了。博士(理学)。日本地球惑星科学連合(JpGU)会長。専門は地球惑星システム進化学・アストロバイオロジー。地球はなぜ生命の惑星なのか、惑星環境と生命の“共進化”を探りつづけている。
京都大学 人間・環境学研究科 博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は英米系哲学、科学史・科学哲学。哲学者としての立場から、科学と人々の思想の関係性について考えつづけている。