相馬氏が手掛けたVR作品『解放されたプロメテウス』の体験者の様子(画像提供:シアターコモンズ'21、撮影:佐藤俊)

人と直接会って話すことや触れ合うことが大きく制限されるようになり、オンライン会議やオンライン授業のほか、VR(仮想現実)の空間を活用した音楽フェスティバルや学会に参加するようになった方は多いでしょう。さらにはロボットを遠隔操作して会議に出席するような事例も増えてきています。デジタル空間を自分自身で、または自分とは姿形の異なるアバターやロボットとして活用する技術は、ここ1年で多くの人にとって随分と身近なものになってきました。ですが、デジタル空間とリアルな空間は「同じではない」と、多くの人が感じていることでしょう。

本イベントでは、その重要な違いのひとつと考えられる「存在感」に注目します。
デジタル空間に私やあなたが確かに“いる”と感じられる。でもリアルな空間に“いる”のとはなにかが違う――デジタル空間での存在感の感じ方とその未来について、認知心理学と先進的な演劇表現の両面から考えます。お招きするのは、VRの技術を使って人間の心理を実験的に探求している北崎充晃氏と、演劇などの身体表現とVRの技術を融合したアート作品を手がけるアートプロデューサーの相馬千秋氏です。デジタル空間において私たちは、どのように世界を捉え、自分自身の存在感を感じているのでしょうか? また、そこで出会う相手の存在感をどう受け止めているのでしょうか? さらに、デジタル空間をつくり出す技術が進展していった未来には、私たちはそれをどう受け入れ、活用するようになるのでしょうか?

ゲストスピーカーのお二人と未来館の展示フロア内のコ・スタジオをオンラインでつなぎ、会場のコ・スタジオにはファシリテーターを務める科学コミュニケーター・田中沙紀子が立ち、イベントを進行する予定です。また、その様子を生配信し、オンラインの参加者の皆さんからの質問やコメントも受け付けます。本イベントで、みなさんはゲストスピーカーや科学コミュニケーターの存在感をどのように感じるでしょうか? ぜひ、その点も含めてお楽しみください。

ゲストスピーカー

北崎充晃 の写真

北崎充晃

豊橋技術科学大学大学院工学研究科 情報・知能工学系 教授

私たちが世界をどのように知覚し、他者とどのようなコミュニケーションをしているのかを、実験心理学の手法で解明することを目指す。リアルには実現不可能な状況をVRで体験した際の人間の心理にも迫っている。

相馬千秋 の写真

相馬千秋

アートプロデューサー/NPO法人芸術公社代表理事

演劇、美術、社会関与型アートなどを横断するプロジェクトのプロデュース、キュレーションを国内外で多数手掛ける。2017年に「シアターコモンズ」を創設、現在に至るまで実行委員長兼ディレクターを務め、VRやAR(拡張現実)の作品も発表している。

企画・ファシリテーション

田中沙紀子 の写真

田中沙紀子

日本科学未来館 科学コミュニケーター

私が"いる"ってなに? デジタル空間での存在感と、その未来

開催概要

開催日時
2021年7月4日(日) 14:00~15:30
開催場所
日本科学未来館 5階 コ・スタジオ
対象
どなたでも
※お席によっては、YouTube Liveの配信に映り込む可能性があります。
※イベントの様子を撮影した写真を広報などの目的で使用する場合があります。予め、ご了承ください。
参加人数
30人…着席20人(当日13:00よりコ・スタジオにて、整理券を配布します)、立ち見10人(整理券不要、ソーシャルディスタンスを確保するために指定の場所でご覧ください)
参加費
入館料のみ
ご来館にあたって
日本科学未来館では、ご来館いただく皆さまにも新型コロナウイルス感染症の拡大防止の取り組みにご協力をいただきながら、安全に楽しめる空間の実現を進めています。ご予約前に「ご来館にあたってのお願い」を必ずご確認ください。
ご来館にあたってのお願い
主催
日本科学未来館
お問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)