化石燃料への依存から持続可能なエネルギー利用への「大転換」は、世界的な急務です。ところが現在の日本では、脱炭素への歩みは決して十分とは言えません。消費されるエネルギーのおよそ9割が化石燃料によって賄われ、排出される二酸化炭素の量も世界で5番目の多さです。「大転換」の鍵を握るのは私たち生活者の選択です。私たちが、どんなサービスや製品を選ぶかは、社会を変化させる大きな力があります。
このイベントでは、特に「電気」「家」「車」の選択の仕方について取り上げます。「自然エネルギーでつくられた電気を自宅に届けられるの?」「冷暖房を使わなくても快適に過ごせる家って?」「地域の発電所になるかもしれない電気自動車の意外な活用法とは?」。それぞれの専門家から、持続可能な社会の実現のための鍵となる新しい選択肢についてお話いただきます。

イベントの後半では、開催中の「どうする!?エネルギー大転換」展で集まった展示体験者の意見について中間集計結果を初公開します。エネルギーにまつわる10のテーマについて、体験者が国会議員になったつもりで選んだ最適な政策は何だったのでしょうか。オリジナルの企画展を開催したドイツでの投票結果と比較しながら、「大転換」を進める方策について議論を深めます。

ゲストスピーカー

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吉田明子

国際環境NGO FoE Japan エネルギー・気候変動担当

2007年よりFoE Japanで気候変動やエネルギー分野でキャンペーンや政策提言活動を行う。2011年よりネットワーク「eシフト」事務局、2015年に消費者からの電力選択をよびかけるパワーシフト・キャンペーンを立ち上げ事務局を務める。

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松尾和也

㈱松尾設計室 代表取締役/パッシブハウスジャパン理事

「健康で快適な省エネ建築を経済的に実現する」がモットー。自ら設計するだけでなく、「断熱」「省エネ」に関する講演も行なっており、受講した設計事務所、工務店等は延べ6000社を超える。2009年、日本型超省エネ住宅の普及を目指す非営利「パッシブハウスジャパン」を立ち上げ、理事としてドイツの最先端省エネ建築の考え方を日本の気候条件に合わせる形で普及促進活動を行なっている。
JIA登録建築家  APECアーキテクト 2005年「サスティナブル住宅賞」受賞

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渡部健

株式会社REXEV 代表取締役社長/九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター客員教授/大阪市立大学大学院都市経営研究科非常勤講師

電気で動く車、バス、バイクなどの「e-モビリティ」の普及を通して持続可能な社会インフラの実現に向け活動する。住友商事株式会社にて電力関連商材貿易実務やプラント建設プロジェクト業務を担当した後、サミットエナジー株式会社へ出向し、発電所の開発業務、電力需給管理業務や小売営業など幅広く担当。2009年に株式会社エナリスへ入社、執行役員、取締役、常務取締役を歴任。2019年1月、株式会社REXEVを設立、代表取締役社長に就任。

企画・ファシリテーション

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宗像恵太

日本科学未来館 科学コミュニケーター

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清水裕士

日本科学未来館 科学コミュニケーター

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池辺靖

日本科学未来館 科学コミュニケーション専門主任

「今から始める! 『エネルギー大転換』~電気・家・車の選択~」(1時間58分)

主催
日本科学未来館、ドイツ 科学・イノベーション フォーラム東京(DWIH Tokyo)、ドイツ日本研究所(DIJ)