解析技術の進歩により、DNAレベルでのがん研究が急速に進み、一人一人の病状に合わせたがん治療も可能になるなど、がん医療は大きく変わろうとしています。特に今年からは、がんの原因解明や新しい治療法の開発を目的に、10万人規模で患者の全遺伝情報(ゲノム)を調べる「全ゲノム解析」がスタートし、その変化はさらに加速することが予想されます。

これまでの治療法にゲノム研究の成果が加わることで、私たちのがん治療の選択肢は、さらに広がると期待されます。その一方で、新たな課題も生まれるでしょう。本イベントでは、ゲノムと生命倫理の研究者から、がんのゲノム研究で今後がん治療が具体的にどう変わるのか、そして、その場合に起こるかもしれない倫理や法、社会の課題などについて話題提供をしていただきます。その上で、ワークショップを通じてみんなで未来のがん医療について考えていきます。

今や2人に1人は一生のうちにがんになると言われており、がんは私たちにとって身近な病気です。この機会に、「がん」という病気との向き合い方を考えてみませんか?

※音声認識ツールを用いた字幕による情報保障を行います。

イントロダクション

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宮野悟

東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長、文部科学省・新学術領域研究「がんシステムの新次元俯瞰と攻略(システム癌新次元)」領域代表

九州大学理学部数学科卒。理学博士。九州大学理学部教授を経て1996年より現職。スパコンを駆使したゲノムデータ解析で個別化ゲノム医療を推進中。

ゲストスピーカー

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片岡圭亮

国立がん研究センター研究所 分子腫瘍学分野長

東京大学大学院医学系研究科修了、博士(医学)。東京大学医学部附属病院・特任助教、京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学講座・特定助教を経て、2017年より現職。次世代シーケンサーを利用して、がんの遺伝子異常の全体像の解明や、がんの分子病態の理解を目指している。さらに臨床研究とも連携し、個別化医療への応用にも取り組んでいる。

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高島響子

国立国際医療研究センター研究所 メディカルゲノムセンター ゲノム医療倫理室 上級研究員

東京大学大学院医学系研究科満期退学、博士(保健学)。東京大学医科学研究所公共政策研究分野特任研究員を経て、2018年より現職。生命・医療倫理学を専門とし、ゲノム研究における倫理的・法的・社会的課題(ELSI)に関する研究や、医学研究における研究参加者の保護に関する研究倫理に従事するほか、臨床現場で生じた倫理的なジレンマへの解決策を探る倫理コンサルテーションにも携わる。

企画・ファシリテーション

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毛利亮子

日本科学未来館 科学コミュニケーター

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開催日時
2020年2月16日(日) 13:00~16:00
開催場所
日本科学未来館 7階 コンファレンスルーム土星
対象
どなたでも参加可能です。
高校生以上の方のご参加をおすすめいたします。
定員
60人
参加費
無料
申込方法
WEBによる申込、先着順。
申込期間
2020年1月20日(月) 12:00 ~ 2020年2月16日(日) 13:00
主催
日本科学未来館
共催
文部科学省・新学術領域研究「システム癌新次元」
問い合わせ先
日本科学未来館