現在、様々な分野で注目を集めているAI(人工知能)。それはがん医療においても同様です。内視鏡画像などから、がんかどうかを見る画像診断にAIが使われ始めています。さらには、その人のがんにあった治療薬を探すことにもAIが使われようとしています。がんの遺伝子レベルの解析から治療法を探し出してくるのです。そうなると、思わぬ治療法が見つかるかもしれません。ですが、もし、AIに必要なデータが少なくて治療方法の提案を受けられなかったら、あるいは、もし、治療方法を提案されたとしても、それが日本ではまだ使用できない未承認薬だったら──あなたはどう感じますか?

本イベントでは、がん医療やがんにとどまらない医療分野全般におけるAIの可能性について、現状と今後の展望、またそこにはらむ倫理的・社会的課題について研究者からお話をうかがいます。

今や2人に1人はがんになると言われています。将来的には自分自身や周りの人が当事者となりうる疾患です。少し先の未来のがん医療について、この機会に一緒に考えてみませんか?

ゲストスピーカー

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宮野悟

東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長、文部科学省・新学術領域研究「がんシステムの新次元俯瞰と攻略(システム癌新次元)」領域代表

九州大学理学部数学科卒。理学博士。九州大学理学部教授を経て1996年より現職。スパコンを駆使したゲノムデータ解析で個別化ゲノム医療を推進中。

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山口類

愛知県がんセンターシステム解析学分野 分野長、名古屋大学大学院医学系研究科 連携教授

九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻修了、博士(理学)。東京大学医科学研究所・特任講師から講師、准教授を経て、2019年2月より愛知県がんセンターシステム解析学分野・分野長、同年4月より名古屋大学大学院医学系研究科・連携教授兼任。シークエンスデータの解析やがんのシステム情報抽出の研究、AI技術を活用したがん臨床シークエンスのための情報解析基盤の開発研究に従事する

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中田はる佳

国立がん研究センター 社会と健康研究センター 生命倫理・医事法研究部 研究員

東京大学大学院新領域創生科学研究科修了。法務博士(専門職)、博士(生命科学)。東京大学医科学研究所、国立循環器病研究センターを経て2018年より現職。研究倫理を専門とし、臨床試験参加者の意思決定に関する研究のほか、医学研究の規制に関する研究や利益相反管理に従事する。

企画・ファシリテーション

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鎌田芽生

日本科学未来館 科学コミュニケーター

アーカイブ(電子書籍)

どう変わる!?がんとの向き合い方──人とAIでひらく新たな医療

開催概要

開催日時
2020年3月8日(日) 13:00~15:00
主催
日本科学未来館
共催
文部科学省・新学術領域研究「システム癌新次元」