だれもが楽しめるミュージアムをつくる!
もっといろいろな人に展示やイベントを楽しんでほしい。
日本科学未来館ではこれまで、建物や展示のバリアフリー化を通して「アクセシビリティ」(施設やサービスの利便性)の向上に取り組んできました。これからはさらに一歩進んで、多様な人が楽しめる展示ツアーや、五感を使って体験できる展示など、新たな体験を生みだす手法の開発に取り組んでいきます。
障害や年齢などの“ちがい”に関わらず、多様な人が楽しみ、交流できる未来館をみなさんと一緒につくっていきます。
3つのアプローチ
アクセシビリティの課題はたくさんありますが、まず進めていくのは、「館内の移動」、「展示体験」、「イベントへの参加」におけるアクセシビリティの向上です。障害の当事者をはじめ、教育現場の先生方、研究者などさまざまな立場の方の協力を得ながら取り組んでいきます。
館内の移動をサポートするツール
視覚障害のある方や、車いすを利用する方、地図を読むのが苦手な方も、もっと自由に館内をまわれるよう、サポートツールの開発や音声ナビゲーションの提供を行っています。
AIスーツケース
視覚障害者の移動を支援するために開発中の自律型ナビゲーションロボット。障害物や人を認識して、安全に目的地まで案内します。現在、常設展内でAIスーツケースによるナビゲーションを体験していただける実証実験を毎日開催しています(休館日を除く)。
「AIスーツケース」について詳しくみる
五感を使って体験する展示
見るだけではなく、聞く・触る・嗅ぐなど、さまざまな感覚を使って理解したり、発見したりできる新たな展示体験を提供していきます。
ノーベルQ ―ノーベル賞受賞者たちからの問い(3F 常設展示)
未来館を訪れたノーベル賞受賞者たちからいただいたメッセージ「来館者にいつまでも考え続けてもらいたい問い」を、手話動画や点字でも紹介しています。
みんなが楽しめるイベント
多様な人が参加し楽しめるイベントを開発していきます。リアルタイムで音声を認識して字幕を表示するシステムを使った展示ツアーや、展示や模型に触れながら宇宙のくらしをイメージするツアーを定期的に開催しています。
文字と絵で伝えあう展示ツアー
透明なパネルに音声情報を字幕表示するシステム(See-Through Captions)や手話、紙芝居などを用いて、参加者のみなさんと意見交換をしながら、いくつかの展示をめぐるツアーです。耳が聞こえる・聞こえないにかかわらず、未来館の展示を楽しむことができます。
協力:JST CREST xDiversityプロジェクト、株式会社ジャパンディスプレイ
さわってわかる! 宇宙ステーションのくらし
国際宇宙ステーション(ISS)の展示や精巧な模型を通して、宇宙でのくらしを考える視覚障害者向けツアーです。ふだんはさわることのできない展示も含めて触れながら観察し、ISSについて学んだり、宇宙でのくらしを具体的にイメージしたりします。