本展示は終了しました。

展示概要

空飛ぶ爬虫類である"翼竜"は、脊椎動物として初めて空を飛び、恐竜時代の大空を支配していました。

不思議な形のトサカ、大きなくちばし、長く伸びた指など、奇妙な姿と謎につつまれた生態から、「スカイモンスター」とも呼ばれます。 近年、新たに発掘された化石や分析技術の進歩などから、その進化と絶滅、鳥類とのすみわけ、飛行や歩行の秘密など、徐々にその全容が明らかになりつつあります。

本展は、謎に包まれた"恐竜時代の空の支配者"である翼竜を本格的に紹介する企画展です。 翼を広げると約10mにもなる世界最大の翼竜"ケツァルコアトルス"の全身復元骨格と生体復元模型を展示するほか、近年、中国の遼寧省で発掘されて話題になった貴重な翼竜化石の数々も公開します。

本展は巡回展で、これまで、北九州、大阪、長崎、名古屋の各地で開催されてきました。 最終開催会場の日本科学未来館では、オリジナルの新規展示として「翼竜研究から次世代のフライトへ」を新たに加えて開催します。 NASAで翼竜をモデルに研究されている惑星探査機"ソリッド・ステート・エアクラフト"など、翼竜から学ぶ次世代のフライト技術の数々についても紹介します。

展示構成

第1章【翼竜とは】

空飛ぶ爬虫類である翼竜は、恐竜が生きていた時代の大空を支配していました。翼竜は、鳥とは異なる生き物で、恐竜でもありません。この不思議な生物、翼竜はいつ頃地球上に現れ、どのような生活をおくり、どのように進化したのでしょうか。第1章では、様々な翼竜を通して、翼竜類の特徴を明らかにするとともに、脊椎動物の中での位置づけやその進化と系統について紹介します。

第2章【空へ】

翼竜にはグライダーのように大空を滑空するものだけではなく、翼を羽ばたかせて空を自由に飛びまわるものもいました。翼竜の翼は第4指(人間でいえば薬指)が異常に長く伸びて、この指1本だけで支えられていました。また、体を軽くするため、骨はとても薄く、内部が中空で、強度が必要な部分はまるで蜂の巣のようなハニカム構造をしていました。第2章では、鳥、コウモリ、ムササビなど、いくつかの空飛ぶ動物と比較し、翼竜の骨や膜の構造、飛ぶときの姿勢など、最新の研究成果を紹介し、どのようにして空を飛べるようになっていったのかを見ていきます。

第3章【大空の支配者】

翼竜がその高い飛行能力で大空へ進出してから、それまで昆虫が支配していた中生代の空の世界は一変しました。草原や広い湖、海にまで活動範囲を広げ、プテラノドンなど特に飛行能力が高い翼竜は、海岸から数百kmも離れた海にまで飛んでいくことができました。そして、白亜紀の終わりには、翼を広げると約10mにもなる最大の翼竜”ケツァルコアトルス”が現われました。このような巨大な翼竜は羽ばたくための胸と腕の筋肉が少なかったことから、上昇気流を利用しながら滑空して飛んだと考えられています。第3章では、史上最大の飛行生物であるケツァルコアトルスの生態の謎に迫ります。
(※米国テキサス州で発見されたケツァルコアトルスの化石を元に復元された全身骨格と生体模型を展示します。)

第4章【生態と進化】

長い間、翼竜は謎に包まれた生き物でした。骨が薄いため保存状態のよい化石が少なく、研究が困難だったからです。近年、羽毛恐竜の発見で有名な中国、遼寧省から保存状態のよい翼竜化石が見つかり、体毛があったことなどが確認されました。また、足跡化石の分析や頭骨の CT スキャンなど、最新の技術を使った研究によって、歩き方や脳の構造、視覚など翼竜の生態や体の構造も明らかになってきました。第4章では、最新の研究から分かってきた鳥にも勝る翼竜の優れた飛行能力の秘密に迫り、羽ばたきや歩行、体毛、成長、食性、進化など、最新の翼竜研究の成果を紹介します。
(※体中に体毛が残っているジェホロプテルス、長い上顎が特徴的なフェイロングス、後肢がとても小さいハオプテルスなど、中国遼寧省で発掘された貴重な化石の数々も日本初・世界初公開。)

第5章【絶滅】

恐竜時代の大空を支配した翼竜は、およそ 6550 万年前の白亜紀末期に絶滅しました。巨大隕石が衝突し環境が変化したことが原因という説が有力で、恐竜、首長竜、アンモナイトなど中生代の多くの生物が大量に絶滅しました。新生代になると、翼竜に代わって、鳥類が大空の支配者となりました。第5章では、絶滅を免れた鳥類との比較などから、翼竜の絶滅について考察します。

未来館オリジナル展示【翼竜研究から次世代のフライトへ】

近年、新たに発見された化石や、分析技術の進歩により、翼竜の飛行方法が想像以上に洗練され優れたものであることが解明されてきました。さらに、その効率的な飛行方法をモデルにした飛行技術の研究もはじまっています。未来館オリジナル展示では、NASA で研究されている人工筋肉で生き物のように羽ばたく惑星探査機、”Solid State Aircraft”計画など、翼竜研究を起点とした次世代のフライト技術の数々を紹介します。

会場風景

スライド 1:

基本情報

タイトル
企画展「世界最大の翼竜展~恐竜時代の空の支配者~ 」
会期
2008年6月28日(土)~8月31日(日)
開催時間
午前10時~午後5時(入館は閉館時間の30分前まで)
※8月中の土曜日と日曜日は午前10時~午後6時、 8月13日~8月17日は午前10時~午後8時
休館日
毎週火曜日(ただし7月21日~8月31日の期間は火曜日も開館)
開催場所
日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンa
入場料
大人 1,300円、18歳以下 900円
団体8名以上:大人 1,200円、18歳以下 800円
友の会:大人1,000円、18歳以下800円
※常設展示見学可
※小学校未就学児は無料
主催
朝日新聞社、テレビ朝日、静岡朝日テレビ、日本科学未来館
後援
文部科学省、外務省、アメリカ大使館、中国大使館、東京都教育委員会
協賛
ダイワボウ情報システム株式会社、三井物産株式会社、EPSON、日立マクセル
監修
デイビッド・アンウィン(英国レスター大学)
お問い合せ先
日本科学未来館
〒135-0064 東京都江東区青海2-41
(2009年11月1日から青海2-3-6に表記変更)
TEL:03-3570-9151 / FAX:03-3570-9150