未来館アクセシビリティラボでは、「AIスーツケース」※による誘導や音声案内をより賢くしていくことを念頭に、画像認識技術や大規模言語モデルなどを用いて周辺環境をリアルタイムに把握し、その場に応じた経路選択や音声ガイドの提供を目指して研究開発を行っています。研究は、早稲田大学などの外部研究機関と共同で行います。また、データ分析や機械学習に使用するため、未来館内でカメラ等を使いデータ取得を行うことがあります。
- 「AIスーツケース」は、視覚障害のある方の移動を支援するために開発されている自律型ナビゲーションロボットです。
未来館内での映像データ取得について
現在、以下の2つの研究開発(以下、「本研究開発」という)のため、館内で映像データを取得しています。
① AIスーツケースなどのロボットが、混雑した環境の中で周りの人の動きに合わせてスムーズにナビゲーションを行うためのアルゴリズムの開発
② あらかじめ登録した地図情報を用いず、リアルタイムに取得する画像に基づいてナビゲーションを行う手法の開発
研究内容
館内に設置したカメラの映像データから歩行者の動きなどを分析します。具体的には、映像データから姿勢や視線、動き方などを抽出し、機械学習の手法を用いて、その場の状況に応じて進路や速度を調整するためのアルゴリズムなどを開発します。これをもとに、AIスーツケースの走行プログラムの改善や、事前に地図情報が取得できない場所でのナビゲーションを実現するための研究開発を進めます。
本研究開発の実施予定期間:2024年4月~2028年7月
データの取得方法とその扱いについて

未来館内(常設展示ゾーンおよび無料ゾーン)の天井付近、および館内を走行するAIスーツケースに取り付けたカメラを用いて、映像データを取得します。映像データは、個人が識別できないよう「顔」にぼかしなどの加工を施した上で使用します。
また、取得したデータは、上記に記載した本研究開発の範囲内でのみ利用し、それ以外の目的では一切利用しません。
具体的な撮影場所は、撮影当日に館内に設置する看板などでお知らせします。
- ご自身が映った可能性のあるデータの使用を許可しない場合は、ページ下部のお問い合わせ先までご連絡ください。
データ取得期間や取得場所、保管期間は次の通りです。
- データ取得期間: 2025年2月~2027年3月(予定)
- データ取得場所: 日本科学未来館 常設展示ゾーンおよび無料ゾーン
- データ保管期間: 取得開始日より2030年3月末(予定)
データの共同利用について
取得したデータは、本研究開発を目的に共同利用します。共同して利用する者は次の通りです。
- 国立研究開発法人科学技術振興機構
- 日本アイ・ビー・エム株式会社
- 学校法人早稲田大学
共同利用する個人データは、顔、身体、歩く様子、その他の動きなどを含む、上記「データの取得方法とその扱いについて」に記載した方法で取得した映像データです。(いずれの共同利用者も、実際に使用する前に個人が識別できないよう加工を施します。)
本研究開発におけるデータ管理責任者は次の通りです。
- 国立研究開発法人科学技術振興機構 日本科学未来館 副館長 高木啓伸
そのほかのデータ取得について

映像データのほかに、館内を走行するAIスーツケースに搭載されたLiDAR (Light Detection and Ranging)センサーにより、点群データを取得しています。イメージ図のように、壁の形や周りの障害物の様子が点群として表されたもので、データから個人が識別されることはありません。
取得データは今後、ロボットのナビゲーション技術などの研究開発を目的に公開する可能性があります。
お問い合わせ
日本科学未来館
03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
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