実証実験公募プログラム 第一回採択結果発表と第二回公募の実施
ミュージアムを開かれた“実験場”に
日本科学未来館
日本科学未来館(略称:未来館 館長:浅川智恵子)は、企業や大学・研究機関などの研究開発に一般市民が広く参加する「実証実験公募プログラム」について、昨年11月に行った第一回公募の結果を公表するとともに、第二回の募集を4月16日(水)から開始しました。未来館を実証実験のフィールドとして提供し、「来館者とともに未来をつくる開かれた実験場」となることを目指す取り組みの一環です。

実証実験公募プログラムは、現在進行形の研究開発や製品・サービス開発に関する実証実験を、未来館でオープンに実施していただくことで、多くの人々が最先端の研究開発に参加し、そのフィードバックを開発や社会実装に役立てることを目的としています。
第一回公募では、ロボットやAIクローンなどのデジタル技術を活用した先進的な実証実験を7件採択しました(別紙)。これらの実証実験は、本年度中に未来館内で実施していきます。第二回公募でも、前回同様、常設展示ゾーンをはじめとする館内のさまざまなスペースで、来館者が気軽に実証実験に参加できる場を提供します。先進的な研究開発をテーマに、広く一般市民が未来社会をつくる機会に積極的に参画できるような取り組みを募集します。詳細は募集要項をご覧ください。
未来館では2001年の開館以来、来館者と研究者のコミュニケーションを活性化し、研究開発を促進する取り組みを進めてきました。2021年4月に掲げた新たなビジョン「あなたとともに『未来』を作るプラットフォーム」のもと、社会実装を目指した研究開発を推進する場としての役割をより一層強化してまいります。
- 名称
- 実証実験公募プログラム
- 募集期間
- 2025年4月16日(水)~2025年6月20日(金)正午
- 募集対象
- 日本国内で法人格を有する企業、団体、大学・研究機関等で、その構想を実現するために自立して実証実験などを推進できる組織。
別紙 第一回公募で採択した実証実験 (7件)
〇生成AIを用いたユニバーサルガイドアプリによるあらゆる人に最適な展示博覧体験サービスの実証
北村 幸弘氏
(NHKグローバルメディアサービス ユニバーサルサービスセンター センター長)
生成AIを活用し、年齢や障害、言語の違いにあわせ、多言語テキスト、音声、画像など、ユーザーに最適化した情報提供を行うユニバーサルガイドアプリを開発。展示体験における情報保障サービスを実証します。
〇多面連動ディジタルサイネージと空間的・没入的映像提示による人流制御手法の検証
三河 祐梨氏
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 感覚表現研究グループ リサーチアソシエイト)
都市空間を想定した多面連動ディジタルサイネージ空間における人流制御を促す映像デザインの効果検証を実施。体験者の行動データから、混雑緩和や避難誘導等を目的とした不特定多数の人流制御の可能性を検証します。
〇生成AI 技術や画像認識を用いたロボットによる新しい対人サービスの実証
竹原 久雄氏
(JALデジタル)
自律走行ロボットを用いた対人案内サービスの実証。AIによる自然な会話とサービス提供、画像認識技術の有効性を評価し、ロボットの施設利用者への利便性や快適性の向上、新規労働力としての可能性を検証します。
〇子ども型見守りロボット「Hanamoflor」の子どもを対象とした活動の価値検証と社会受容性検証
袖山 慶直氏
(ソニーグループ 事業開発プラットフォーム 技術開発部門 モーションAI開発部 Hanamoflor PJ プロジェクトリーダー)
子ども型見守りロボット「Hanamoflor(ハナモフロル)」を活用し、主に未就学児を対象とした保育・教育用途のユースケース実証を実施。体験によるユーザー価値評価のほか、ロボット共生社会の社会受容性検証を行います。
〇AIクローン技術を活用した人間とAIの共創的サイエンスコミュニケーションモデルの構築と検証
笠原 俊一氏
(ソニーコンピュータサイエンス研究所 リサーチャー / 沖縄科学技術大学院大学(OIST) 客員研究員 / 科学技術振興機構 さきがけ研究員)
科学コミュニケーターのAIクローンを開発し、身体や時間の制約を超えた新たな対話手法を実証。AIクローンの対話経験を本人にフィードバックすることで、人間とAIの共創型コミュニケーションモデルを構築します。
〇スマートフォン用ソフトウェア<空間楽器>による多様な人々と社会を結ぶアート手法の検証
古川 聖氏
(東京藝術大学 美術学部 先端芸術表現科 教授)
音声同期ソフトウェア<空間楽器>を用い、不特定多数の多様な人々が、自分のスマホからQRコードを読み込んで参加する音楽セッションを実証。「望まない孤独や社会的孤立」を乗り越えるためのテクノロジーとアートの活用可能性を検証します。
〇遠隔操作とロボット基盤モデルを組み合わせたサービスロボティクスのスケール化に関する実証
松嶋 達也氏
(東京大学大学院工学系研究科 特任助教 / 一般社団法人AIロボット協会 CTO)
ロボットの遠隔操作によるサービス提供と自動化技術の実証実験を行います。参加者の体験・遠隔操作データは、ロボット基盤モデルの学習データとして活用され、ユーザビリティ向上や自動化の研究開発につながります。
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