視覚障害者向けナビゲーションロボット「AIスーツケース」 国内空港初の実証実験を新千歳空港で実施

日本科学未来館

館長浅川智恵子と「AIスーツケース」

日本科学未来館(略称:未来館、館長:浅川智恵子)は、未来館などが開発を進める視覚障害者向け自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」の実証実験を、北海道エアポート株式会社の協力のもと、7月29日(金)に新千歳空港で実施します。空港での実証実験は、これまで米国ピッツバーグ国際空港において行われましたが、日本の空港では初めての取り組みです。

AIスーツケース」はあらかじめ設定したエリア内で、視覚障害者を目的地まで自動で誘導するスーツケース型のロボットです。浅川が提唱する、障害や年齢、国籍といった違いに左右されないインクルーシブな未来社会の実現を目指す取り組みの一環として、外部の研究機関と共同で進めるコンソーシアム「日本科学未来館アクセシビリティラボ」などが研究開発を進めています。今回の実証実験では、一般搭乗客や大きな荷物カートなどが多く行き交い、土産物店などのショップが立ち並ぶ空港独特の環境下で、AIスーツケースが実験協力者をターミナルビル2階のセンタープラザから土産物店をめぐり、航空会社出発カウンター前まで誘導する動きを試行します。今回の実験結果は、今後空港における混雑状況下でのAIスーツケースの動きの改善などに生かされます。

AIスーツケースは、IBMフェローでもある全盲の浅川が出張の際に「スーツケースが自動で動き道案内をしてくれたら」と感じたことに着想を得て、2017年頃から浅川が客員教授を務める米国カーネギーメロン大学の研究室を中心に開発が始まりました。その後、2019年12月、日本IBMをはじめ、趣旨に賛同する5つの企業が「一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム」を設立し開発を推進し、2021年4月に浅川が館長に就任したのを機会に、未来館でも開発・検証が始まりました。

実施概要

開催日時
2022年7月29日(金) 14:00~15:30
開催場所
新千歳空港国内線ターミナルビル2階(北海道千歳市美々)
主催
日本科学未来館
協力
次世代移動支援技術開発コンソーシアム、北海道エアポート株式会社
実証実験に関する報道機関からのお問い合わせ先
日本科学未来館 経営戦略室 広報
インターネットからのお問い合わせ
実験会場に関する報道機関からのお問い合わせ先
北海道エアポート株式会社
総務・人事部 広報課
Tel: 0123-46-2990