本展示は終了しました。
展示概要
私たちの足元にある地下世界。地下鉄などが埋まるライフラインのその先は、宇宙にも匹敵するほどの広大なフロンティアが広がっています。現在、その闇の世界について、さまざまな研究やプロジェクトが進行しています。そこから明らかとなったのは、地下には、地上をしのぐほどの生物圏が存在し、全生命の祖先は地下に住む生物から発生したのではないかとする研究結果や、地球環境の歴史、地球の未来に関する結果の数々です。本展では、そうした最先端科学の研究成果に、神話や小説、哲学など空想豊かに語られてきた「地下」の姿を手がかりに、誰も見たことのない闇の世界を描き出します。
会期中には、地下施設を見学する「地下探検ツアー」やトークイベント「地下の達人に訊く!」など、さまざまな関連イベントを予定しています。また、都営地下鉄の定期券をご持参の方には、割引料金にてご入場いただけます。
展示構成
「冒険のはじまり」 / 「足下からはじまる地下 [都市の地下利用] 」 / 「地下の心がまえ」
トンネル、地下鉄などの都市生活に欠かせない地下施設の映像、地下に住む生物などを紹介。見えない地下を想像します。
「タイム・カプセル [Time Capsule EXPO'70 プロジェクト] 」 / 「ノアの方舟 [北極種子保存庫プロジェクト] 」
1970年大阪万博にて、5000年後の未来にむけて埋められたタイムカプセルプロジェクトと、大規模な自然災害などに備えて、数百万種の農作物の種子を保存するノルウェーのプロジェクトを紹介。地下が過去と未来をつなぐ場所であることが分かります。
「地中の宝 [地下資源] 」 / 「地下にゆだねる [放射性廃棄物の地層処分] 」
石油探査の最新技術や石油危機の真相など、地下資源の謎に迫るほか、原子燃料のリサイクルから発生する高レベル放射性廃棄物を地下 300m 以深に安全確実に埋設する計画を紹介します。何万年もかけ生成される地下資源と、地上の人間活動との係り合いを捉え直します。
「氷の記憶をほりおこす [氷床コア] 」 / 「誰も見たことのない湖 [南極・ボストーク湖] 」
南極での氷床コアの掘削研究から、地球環境の歴史を解き明かします。また地球最大の南極の地底湖「ボストーク湖」について紹介します。
「生命の樹 [全生物の系統関係図] 」 / 「全てはひとつに [コモノート(共通祖先)] 」
分子進化学の進歩により、全生命は一つの共通祖先(コモノート)から発生してきたのではないか、とする研究が進められています。そうした研究成果を「生命の樹」としてインタラクティブな展示で表現します。
「地下住人の肖像 [地下生物圏] 」
地下には地上をしのぐほどの生物がいると言われており、その特殊な生態は、産業への応用、また生命起源の謎を解く手がかりとして注目されています。太陽の光も届かず、酸素もない極限の環境で生きる地下生物の謎を取り上げます。
「生命がはじまる場所 [生命起源『地下説』] 」
地中の粘土鉱物が原始地球にあった物質を複雑に結びつけ、生命のもととなる構造を生み出した、という「生命起源地下説」を紹介します。
「闇の世界 [巨大隕石衝突] 」
6500 万年前、巨大隕石の衝突により、生物種の 76%が大量絶滅したと言われています。隕石衝突のシミュレーションなど地球科学の成果と、化石から検証される生物学の成果を結びつけ、地球史上の大事件に迫ります。
「地球が凍った日 [スノーボールアース] 」
地球 46 億年の歴史のなかで、地球が全面氷で覆われる、「スノーボールアース(全球凍結)」が 3 回起こったと言われています。その現象について、地下から発見された証拠をもとに紹介、巨大な球体のディスプレイでその謎を解き明かします。
「地の底~中心へと行き着く [地球内部のしくみ] 」
地球内部のダイナミクスについて、最新のシミュレーション映像で紹介。コアの重さ、マントルの動くスピードなどを体感できます。
「地下世界のはじまりと終わり [地球の起源] 」
地下の構造は、地球の成り立ちを示唆しています。地球の起源や進化、未来について、天文学の成果とつなぎ合わせて紹介。
「46 億年の時計」
地球内部では、全ての要素が時計の歯車のように緊密に関係しあっており、資源の生成や気候のサイクルなど、地上の生活とも深く関わっています。そうした地下の時計が刻むさまざまなタイムスケールを「46 億年の時計」として表現、地球の鼓動を感じます。
会場風景
基本情報
- タイトル
- 地下展 UNDERGROUND-空想と科学がもたらす闇の冒険
- 会期
- 2007年9月22日(土)~2008年1月28日(月)
- 開館時間
- 午前10時~午後5時(入館は閉館時間の30分前まで)
- 場所
- 日本科学未来館1階 企画展示ゾーンa、b
- 休館日
- 毎週火曜日(祝日、冬休み期間は開館)、年末年始(12/28~1/1)
- 入場料
-
大人 900円、18歳以下 350円
団体8名以上:大人 800円、18歳以下 310円
友の会:大人 400円、18歳以下 150円
※常設展示見学可
※障がい者手帳所持者は当人および付き添い者1名まで無料
- 主催
- 日本科学未来館、朝日新聞社
- 後援
- 文部科学省、国土交通省、東京都教育委員会
- 特別協賛
- 国際惑星地球年日本実行委員会、原子力発電環境整備機構、日本ロレックス株式会社、発泡スチロール再資源化協会
- 協賛
- 独立行政法人産業技術総合研究所地質調査総合センター、石油連盟
- 協力
- 東京都建設局、東京都交通局、日本地球惑星科学連合
- 企画・制作
- 日本科学未来館
- 総合監修
- 平朝彦(海洋研究開発機構 理事)