本展示は終了しました。
展示概要
地球上で最も広大な面積を有するアジア地域は幅広い気候帯のため、多様な生物種が生息しています。その存在は地球全体の環境バランスの持続源であり、生活資源としても大きな可能性を秘めています。しかしながら、近年の経済、産業におけるめまぐるしい発展は、大気・水質汚染や土壌劣化といった深刻な環境問題をもたらしています。
環境やエネルギーの問題、自然災害など、各地域における課題とアジア共通の課題の双方に対し、科学技術による解決策が求められています。科学の分野におけるアジアの力、アジア地域における科学の力を通して、今までとは異なる視点による先端の科学技術の姿を紹介します。
展示構成
ゾーン 1「アジアの広場」
巨大なダイアグラムが床面に展開された広場では、知っているようで知らないアジアの最新情報に触れることができるでしょう。週末や夏休み期間には多彩なイベントを開催します。
ゾーン 2「アジアの今、科学の今」
1.「多様な生態系と科学」
“パンダ絶滅にストップ !?” (中国)、“虫のカビが効く!” (タイ)
パンダの人工繁殖に関する研究や哺育、遺伝子などの様々な研究のほか、生物資源の多様なタイならではの冬虫夏 草(昆虫に寄生する微生物)から抗マラリアや抗ガン剤を作る研究に迫ります。
2.「自然の脅威と科学」
“火の国の挑戦!” (インドネシア)
インドネシアは火山や地震が多く、世界の火山災害による死者数の 60%を占めています。このため、火山防災が進ん でおり、ハザードマップ作りに力が入れられています。
3.「伝統と科学」
“漢方、世界を目指す!” 、“ナノへと続く絹の道。” (中国)
漢方などの伝統医薬を現代の科学で解析し、伝統と現代が融合した新しい薬の開発が試みられています。また、ナノテ クノロジーの進歩により、光ファイバーでできた布地や、体温や発汗、脈拍など生体機能をセンサーし、コントロールす るなど、さまざまな機能を持つ布地の開発を通し、未来のファッションを提案します。
4.「慣習と科学」
“教えを守る科学。” (マレーシア)、“新しい鍼の歴史、始まる。” (ベトナム)
イスラム教徒の多い国ならではの「ハラルフード」に含有される豚成分を検出しようという試みのほか、エイズ感染が深 刻な地域における、従来の針の代わりにレーザーを用いた鍼治療の研究を取り上げます。
5.「教育と科学」
“全国民ハピネス大作戦!” (タイ)、“こども研究所、新発売!” (シンガポール)
タイ国王の主導のもと、農林地など周辺地域の人たちが生活を維持し、向上することを目的としたプロジェクトや、シン ガポールで行われているインタラクティブな体験を通してバイオ工学やナノテクノロジーを学ぶため開発されたツールを 紹介します。
6.「都市と科学」
“脳を鍛えて視力アップ!” “2015 年、IT 未来都市出現!” (シンガポール)、“送信!携帯ドクター” (韓国)
シンガポールではコンピューターを利用して脳視覚野を鍛え、治療するという世界初の新型視力回復プログラムを開発。 また、いつでもどこでも情報にアクセスでき、さまざまなサービスを受けられるネットワーク型社会を目指しています。 ブロードバンドの普及率が世界トップの韓国における、携帯電話を利用した血液検査システムとは?
7.「消費と科学」
“ゴミから不思議未来物質・・・!?” (マレーシア)、“うちの庭がガスプラント。” (インド)
マレーシアでは、もみ殻などの有機ゴミを、優れた断熱性を持ち航空宇宙分野でも活用されている超軽量素材「エアロ ゲル」のような価値の高い素材に変える研究が行われています。インドでは身近な器具で組み立てることができ、家庭 から出る生ゴミをガスに変えることができるバイオガス・ジェネレーターが都市部でも広まりはじめています。
ゾーン 3「今を知る、未来を知る」
地域の問題のように思えることも、実はアジア全体、地球全体の問題です。そうした現状を把握したうえで将来を予測し、ア ジア全体の環境保全と経済発展を目指す、国際的な取り組みを紹介します。
会場風景
基本情報
- タイトル
- 企画展 『サイエンスニュース!アジア展 ~アジアの力、科学の力、を伝えます』
- 会期
- 2007年6月2日(土)~9月2日(日)
- 開催時間
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10:00~17:00(入館は閉館時間30分前まで)
※8月中の土日は18:00まで、8/13~8/17は20:00まで開催
- 開催場所
- 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンa
- 料金
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大人 900円、18歳以下 350円 (常設展示見学可)
団体割引・8名以上:大人 800円、18歳以下 310円
友の会 大人 400円、18歳以下 150円
※障がい者手帳所持者は当人および付き添い者1名まで無料
- 休館日
- 毎週火曜日 (※7/24~8/29の火曜日は開館)
- 主催
- 日本科学未来館、朝日新聞社、フジテレビジョン