Mirai can NOW第7弾「地震のほしをさぐる」

地震は、地球という「ほし(惑星)」が生みだすダイナミックな活動の一つです。地球のさまざまな場所で日々起きている地震。そのメカニズムの解明にいどむのが、全長210メートル、世界最高レベルの科学掘削能力をもつ地球深部探査船「ちきゅう」です。この企画では「ちきゅう」の模型展示や地震の謎にとりくむ研究者などの紹介を通して、地球科学研究の壮大なスケールと情熱に迫ります。

「ちきゅう」は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する日本の科学掘削船です。海底を掘り進め、堆積物や岩石などを含む地質試料(コア)を採取することができます。2011年の東北地方太平洋沖地震の翌年、「ちきゅう」による迅速な震源域の掘削調査では、巨大断層すべりの実態についてさまざまな事実が明らかになりました。現在も研究調査は続いており、解明できない謎も残っています。これらの謎に迫るため、今年9月、東北沖で再び掘削ミッションが始まります。

展示構成

「ちきゅう」の掘削技術と大きさを深掘りだ!

「ちきゅう」の全景
(画像提供:海洋研究開発機構(JAMSTEC))

世界最高レベルの科学掘削能力をもつ地球深部探査船「ちきゅう」の100分の1模型が登場します。船底のプロペラ推進器「アジマススラスタ」の実寸大グラフィック(約4.6メートル)や、掘削ツールの先端部品「ドリルビット」の展示とともに、全長210メートル、高さ130メートルにおよぶ科学掘削船の巨大さを想像してみましょう。 いずれも海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有しているものを、期間限定で未来館に展示します。

あの日、何が起きたのか? 震源域調査でわかったこと、残された謎

東北地方太平洋沖地震の発生から3日後には、JAMSTECは震源域の調査を始めました。翌2012年に「ちきゅう」での掘削調査「JFAST」が行われ、あの日震源断層で起こったことが少しずつ明らかになりました。会場では、迅速に掘削調査を行ったからこそわかった3つのポイントや残された謎に迫ります。

出航目前! 巨大地震の謎にいどむ研究の最前線

2012年の「JFAST」では、水深7000メートルの海底をさらに850メートルも掘り進み、地震断層のコアサンプルを採取するという、前例のない掘削に成功しました。しかし、巨大地震の全容はいまだ解明できていません。知りたいのは“あの日、地震断層で何が起こったのか?”、“今どうなっているのか?”そして“次に何が起こるのか?”。“千年に一度”とも言われる巨大地震を解明するには、長い時間をかけた研究が不可欠です。会場では、2024年9月から12月にかけて東北沖で行われる大規模な掘削ミッション「JTRACK」の内容を紹介します。

「ちきゅう」クルーへメッセージを送ろう! & 記念フォトブース

9月から12月にかけて「ちきゅう」に乗り込むクルーたちにむけて、質問や応援メッセージを書きませんか? 航海が始まったら、クルーが返事をくれるかもしれません。また、「ちきゅう」の船上から見える迫力ある景色を背景にした記念撮影スポットもご用意しました。これであなたも「ちきゅう」クルー?!

ワークシート  「地球や宇宙をさぐる科学技術」を常設展でさがそう

海底を掘削する「ちきゅう」だけでなく、人工衛星や望遠鏡など、世界にはさまざまな「地球や宇宙をさぐる科学技術」があります。地球惑星科学にまつわる研究に着目しながら、本企画の1階の会場内と、5階の常設展示フロアをめぐることができるワークシートを会期中、特別に配布します。
地球や宇宙をどんな方法で探るの? そこから何がわかる? 惑星スケールの研究を楽しみながら学ぶことができます。

シリーズ企画「Mirai can NOW」について

未来館では、未来を考える“入口”として、「Life(ライフ)」「Society(ソサイエティ)」「Earth(アース)」「Frontier(フロンティア)」の4つのテーマを設定しました。「Mirai can NOW」は、未来にむけた研究開発や、その実現に取り組む人々の「いま」に触れ、体験するシリーズ企画です。今回は「Frontier」をテーマにした第7弾です。

開催概要

開催日時
2024年8月1日(木)~9月9日(月)
開催場所
日本科学未来館 1階 シンボルゾーン
対象
どなたでも
参加費
無料(入館料も不要)※常設展、特別展やドームシアターの鑑賞は有料です
主催
日本科学未来館
協力
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)
お問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
お問い合わせフォーム