#みんなの肝臓リサーチ

未来館には、さまざまな分野の研究をおこなう「研究エリア」があり、9の研究プロジェクトがあつまっています。このうち医学の研究をおこなう「ヒューマン・オルガノイド」プロジェクトが、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)という、アルコール以外の原因により肝臓に脂肪がたまってしまう病気の解明のための市民参加型研究 #みんなの肝臓リサーチ を未来館で実施します。

さまざまな計測やアンケートをおこないます。

研究では、さまざまな計測やアンケートをおこない、それぞれの参加者の肝臓の状態を調べるとともに、その他の身体的特徴や生活習慣などについて調査します。

病気の有無などを個別にお知らせすることはできませんが、参加する一人ひとりのデータが集まることで、病気の解明に近づき、新たな予防方法や治療法を開発するヒントになります。実際に研究に参加し、研究者と直接お話して、未来の健康をみんなでつくる活動にあなたも参加してみませんか?

体験の内容

当日の流れ

所要時間:1時間~1.5時間程度

1.研究の説明と同意

10分程度
研究内容と流れの説明を行い、ご参加いただける場合は同意書に記入をお願いします。

2.からだの測定

約1時間

  • 身体測定
    身長と体重から肥満度を計算します。
  • エコー測定
    お腹に超音波をあてて、肝臓の脂肪を調べます。
  • 唾液調査
    交感神経の活性化検査と遺伝子調査のため、唾液を採取します。
  • 自律神経検査
    センサーを指につけて心拍変動を測定します。
  • アンケート
    年代や性別、食生活などに関するアンケートに回答します。

3.研究者とのお話

10分程度
研究者に気になることを質問したり、体験の感想や研究についてのアイデアを話したりしてみよう。

データの帰属について

本研究で収集されたデータは、研究者(東京医科⻭科大学・大阪大学大学院 武部貴則、東京医科⻭科大学 大内梨江)及びその協力者が研究用として用い、匿名化した後に論文として公開される場合があります。詳細については、当日説明を行います。

結果の返却について

調査によって得られたあなたのデータは、他の方の個人情報等の保護及びこの研究の独創性の確保に支障がない範囲でご覧いただくことができます。お気軽に研究者にご相談ください。
また、調査は医師によって実施されるものではないため、得られた結果から健康状態について見解を述べる、または診断するといった行為はできません。予めご了承ください。

研究者からのメッセージ

今回の市民参加型研究#みんなの肝臓リサーチで注目する「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」は、肝臓に過剰な脂肪が蓄積された状態である脂肪肝と、そこからさらに悪化した状態のことをいいます。このNAFLDは、炎症・線維化を伴う脂肪性肝炎の原因となり、さらに進行すると、肝硬変、肝癌になってしまうこともあります。日本では、現在3人に1人が脂肪肝なのではないかと推察されており、多くの人が、肝硬変や肝癌を含む重度の肝疾患になる可能性を有しています。

NAFLDを発症する最大の要因は食べすぎや運動不足による肥満です。しかし、日本を含むアジア圏では、肥満でない人でも、NAFLDを発症するケースが少なくないことがわかってきました。残念ながら今のところ、肥満でない人がNAFLD(非肥満型NAFLD)になる要因について詳しいことはわかっていません。非肥満型NAFLDは、肝がんなどの重度の肝疾患の発症率リスクや死亡率が高いことが過去に報告されています。この非肥満型NAFLD がなぜ発症するのか、その要因を特定し、若年・中年期から予防対策を行うことが求められています。

科学者だけでなく、市民も科学に参加する「市民科学」という考え方があります。非肥満型NAFLDの発症要因の特定には多くの人のデータが必要です。#みんなの肝臓リサーチは、日本科学未来館に来るみなさんの協力によってはじめて実現する研究です。「ヒューマン・オルガノイド」プロジェクトは、みなさんと一緒に、まだ解明されていない非肥満型のNAFLDの研究を進め、NAFLDの予防法や治療法の開発につなげていきたいと考えています。ご協力のほどよろしくお願いいたします。

プロジェクト代表

武部 貴則 の写真

武部 貴則

東京医科歯科大学 教授、大阪大学大学院 教授、横浜市立大学コミュニケーションデザインセンター センター長、シンシナティ小児病院 准教授、オルガノイドセンター 副センター長

2011年横浜市立大学医学部医学科卒業。2013年にiPS細胞から世界で初めて血管構造を持つヒト肝臓原基を創る。臓器再生医学の研究のほか、新しい医療の概念である「Street Medical(ストリート・メディカル)」の普及に取り組む。

プロジェクトメンバー

大内 梨江、森田 優

東京医科歯科大学

西井 正造、藤森 晶子、小高 明日香、村田 尚寛

横浜市立大学 コミュニケーションデザインセンター

林 恭子、小林 真美、上村 花奈、坂田 美穂

臨床検査技師

井上 美穂、坂本 慶太

東京医科歯科大学 学生

植松 紗希

日本女子大学 理学部 学生

イベント設計・科学コミュニケーションデザイン

三澤 和樹、竹腰 麻由、三井 広大、太田 努、佐久間 紘樹

日本科学未来館 科学コミュニケーター

実施概要

実施日程
2022年7~11月、2023年11~12月、2024年1~3月
※現在はこちら https://minnanokanzo.takebelab.com/外部サイトへ移動します で募集しています。
時間枠(各日)
各回90分程度
① 11:00-12:30
② 14:00-15:30
実施場所
日本科学未来館 4階 「ヒューマン・オルガノイド」プロジェクト研究室
対象
13〜80歳
参加人数
各回1グループ、2名まで
参加費
入館料のみ
主催
東京医科歯科大学 統合研究機構 武部貴則研究室
大阪大学大学院 医学系研究科 器官システム創生学 武部貴則研究室
協力
日本科学未来館
お問い合わせ先
研究の内容についてのお問い合わせ
東京医科歯科大学 統合研究機構 武部貴則研究室
「ヒューマン・オルガノイド」プロジェクト担当
takebelab.minnanokanzo@gmail.com

その他のお問い合わせ
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)
インターネットからのお問い合わせ

研究エリアについて

未来館に併設されている「研究エリア」には、最先端の研究を進めるプロジェクトが常駐しています。一般の人々が研究に参画する場として今後さらなる展開を考えています。一緒に未来の研究をつくっていきましょう!
研究エリアについて