
トークセッション「ヒトはなぜ孤独になるのだろう?」開催報告
SNSのつながりは多いけれど、リアルで頼れる友人がいない。学校や職場、家族など、他の人と一緒にいるのになぜか孤独だと感じる……。
現代において、このような漠然とした孤独感を覚える人は少なくないのではないでしょうか。さらに、コロナ禍で以前ほどに外出が難しい状況において、孤独の問題はますます深刻化しているといわれます。
私たちはなぜ孤独を感じるのでしょうか。このトークセッションでは、まずは生物としてのヒトがもつ社会性を切り口に、私たちの孤独そのものを探ることを試みます。そのうえで、私たちは孤独とどのように向き合い、他者とつながっていけば良いかを、ヒト以外の動物との比較を通してみなさんとともに考えていきます。お招きするのは、ボノボやチンパンジーといった動物の社会性を研究している山本真也氏と、気鋭の臨床心理学者でカウンセリングを通して人の心を診ている東畑開人氏です。
孤独について、ヒトという生物がもつ性質と、人の心のはたらきという2つの視点から考えてみると、どんな新しい発見があるでしょうか。このイベントを通して一緒に考えてみませんか?
2009年京都大学大学院理学研究科生物科学専攻博士後期課程修了。理学博士。京都大学霊長類研究所特定助教、神戸大学国際文化学研究科准教授を経て、2017年10月より現職。
動物の集団性の研究を通して、ヒトとは何か、特に他者とのかかわりで発揮されるヒトの社会的知性について探る。チンパンジー、ボノボといった霊長類を軸に、近年はウマやイヌなどにも研究対象を広げている。
臨床心理士、公認心理士。2010年京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。沖縄の精神科デイケアでの勤務を経て、現職。2017年に白金高輪カウンセリングルームを開業。専門は臨床心理学、精神分析、医療人類学。著書に、大佛次郎論壇賞、紀伊国屋じんぶん大賞を受賞した『居るのはつらいよ:ケアとセラピーについての覚書』(シリーズケアをひらく、医学書院)など。
画像:朝日新聞社提供