トークセッション「なぜ“不公平”はイヤなのだろう ~動物でさぐる起源 社会にみえる不調和~」
2人の研究者からお話を伺いながら、「不公平感」という概念を科学的にとらえなおすオンラインのトークイベントです。
同じ仕事をしたはずなのに自分だけ報酬が少なかったら、イヤな気持ちになりますよね。中には受け取りを拒否する人もいるでしょう。逆に、自分だけ見返りが多いのもイヤだ、という人も多いかもしれません。短期的な利益を減らしてまで不公平をイヤがるこの心理は、いったいどこから来るのでしょう。そのわりに、格差や差別による不公平を解消しようという議論がなかなかまとまらない現状もあります。いったい何がはばんでいるのでしょうか。
このイベントではまず、私たちが不公平をイヤがる性質の起源から探っていきます。この性質はサルやカラスなど、ヒト以外の動物の一部でも観察されており、遺伝子が関わる性質だと考えられています。社会をつくる動物の心理を研究する瀧本彩加氏に、不公平をイヤがる性質がどのように進化してきたのか、何かの役に立っているのかについて、ヒトやヒト以外の動物を比較しながらお話しいただきます。
人間の社会についても見ていきます。誰かが不公平を解消しようと周囲に働きかけると、「ただのワガママだ」「態度が良くない」「自分は自力で対処できた」など、主張を受け入れないさまざまな反応が生じることがあります。それを見越して、主張せずに我慢をする人もいます。不公平と感じていてもうまく解消できない社会の不調和について、社会運動と周囲の反応を研究対象とする社会学者の富永京子氏より、実際の事例にもとづいた知見を共有していただきます。
イベントの最後には、2人の研究者の専門的な見地と、視聴者からの質問やコメントも合わせながら、不公平感についてさらに探っていきます。自分や他者の不公平感とそれを取り巻く不調和を、いつもとは違う視点からみてみませんか。
ゲストスピーカー
瀧本 彩加
北海道大学 准教授
2012年京都大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専門は動物心理学・比較認知科学。「動物の利他行動とその進化を支える心理基盤」「動物の絆形成を促すコミュニケーション」など、社会の中で育まれるこころの進化を実証的に研究している。
富永 京子
立命館大学 准教授
2015年東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(社会学)。専門は社会学、社会運動論。「日本において社会運動への抵抗感・忌避感がなぜ高いのか」という問題意識の元、政治参加をとくに日常的・文化的な側面から研究している。
企画・ファシリテーション
山本朋範
日本科学未来館 科学コミュニケーター
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開催概要
- 開催日時
- 2021年7月10日(土) 11:00~12:30
- 視聴方法
-
ニコニコ生放送にてご覧いただけます。
日本科学未来館チャンネル(ニコニコ生放送)
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- 対象
- 小学校5年生以上推奨
- 参加人数
- 上限なし
- 参加費
- 無料
- 主催
- 日本科学未来館
- お問い合わせ先
-
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)