
私たちの暮らしと、地球の資源や生態系、さまざまな人々の関わりについて、「かるた」の絵札と読札形式のパネルで、楽しくわかりやすく紹介する展示です。環境問題や人権問題など地球規模の課題は、私たちの日々の暮らしとつながっていますが、日常生活の中でそれらを実感することは難しいかもしれません。パネル展示「かるたでよみとく わたしと世界のつながり」を通して、私たちが暮らしの中で受けているさまざまな恩恵の背景には、地球規模の課題が存在していることに気づき、その解決のためにどうしたらいいかを「自分のこと」として考えてみませんか?
※パネル展示で扱っているテーマは、製品ライフサイクル、SDGs、くらし、地球資源、世界などです。
※会場では、「かるた一覧表」とワークシート「緊急指令!5つのミッションをクリアしよう!~地球のかけらのライフサイコロをつくってみよう!」をお持ち帰りいただくことができます。
かるた一覧表について

人間に一生があるように、私たちの身のまわりにある製品にも一生があります。どこの国のどんな原材料でつくられ、私たちのもとに届き、そして、どう使われて捨てられるのか、それともリサイクルされるのか。またそのような過程において、地球や世界の人々にどのような影響を与えているのか「製品のライフサイクル」をキーワードに、“わたしと世界のつながり” を知るためのヒントが得られるかるたをつくりました。
お オランウータン 森を失い 絶滅しそう
か 海洋プラスチック 亀、海鳥も、困っている
し 食品ロス まずは冷蔵庫のチェックから
など楽しい絵札と読み札を通じて、「わたしと世界のつながり」について理解を深めましょう。
ワークシート「緊急指令!5つのミッションをクリアしよう!~地球のかけらのライフサイコロをつくってみよう!」について

パネル展示をみながら、さまざまなミッションを体験できるワークシートです。自宅に持ち帰ってから「ライフサイコロ」をつくることもできます。
【ワークシート体験の流れ】
ミッション1:展示からあてはまるかるたを探し出し、サイコロに書きうつそう。
ミッション2:オリジナルの「り」のかるたを作ってみよう。
ミッション3:自分がもっとも大事だと思ったかるたの「ひらがな」と「その理由」を紙に書いて、会場のボードにはってみよう。
(家に帰ってから)
ミッション4:サイコロをつくろう。
ミッション5:サイコロを転がして、出た目の「?」マークの問いに答えよう!
開催概要
- 開催日時
-
2021年6月9日(水)~8月31日(火) 10:00~17:00
※休館日6/15, 6/22, 6/29, 7/6, 7/13
- 開催場所
- 日本科学未来館 5階ロビー(Miraikan Cafe前)
- 対象
- 主に、ひらがなが読める未就学児~小学生・中学生とその保護者や、SDGsに関心のある方や教育関係の方を想定していますが、どなたでもお楽しみいただけます
- 参加費
- 無料 混雑時には入場をお待ちいただくことがあります
- 主催
- 日本科学未来館
- 監修・協力
- 花王株式会社
- お問い合わせ先
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日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
問い合わせフォーム
開催報告
展示について

展示を見学された方から300を超えるコメントがありました。中でも『むかんしん 地球をどんどん 悪くする』のかるたを読んだ感想がもっとも多く寄せられました。「少し意識して小さなことからでも積みかさねていきたいなと思いました」「無関心になることが一番罪だと思う」「地球温暖化やゴミ問題は一人ひとりが意識することでだんだん良い方向にしていけると思う」など日常生活を見直すきっかけを提供できました。その他のかるたについても「売る人にやめさせるのではなく買わないことで守っていくことが大事だと思った」「成魚も稚魚も減っていてかわいそう」「ゴミ問題のことだけではない社会全体のことだよ」のように、SDGsについて、より自分事として感じていただけたようなコメントが多かったのが特徴です。こうした展示活動の成果については、日本理科教育学会第71回全国大会にて発表を行いました。
教材提供について
展示に関連した「わたしと世界のつながりかるた」を花王株式会社の協賛のもと1000箱制作しました。SDGs関連教材として2021年12月~2022年3月、全国322の教育関連団体に箱形式の「かるた」と関連教材を無償提供しました(※現在、箱形式での提供は行っておりません)。本教材は、付属の「かるた一覧表」や「製品のライフサイコロ」「ワークシート」を組み合わせた授業展開が可能です。実際に低学年向けに活用した小学校の教員からは、「SDGsには、いろんなことがある」「SDGsのかるた体験は楽しい」「SDGsってもっとしりたい」「やってみたい」「ほかの人とも、かるたをしてあそびたい」と児童から多くの反応があったことが報告されました。中学校の教員からは、「理科や社会で3年間学習したことが復習できたり、他教科との横断的なつながりに気づけたりと授業のまとめがいつも以上に活気がありよかった」「ニュース等で何げなく耳にしているワードや身近な問題がかるたという形態で行うことで日頃あまり興味が持てない生徒が興味を持てたり、興味がある生徒が他の友人に知識を伝え、より仲が深まったりすることができた」等の感想がありました。さらに、大学の教員からは、「予想以上に大学生がかるたで楽しく遊んでいて驚いた」と寄せられ、大学生からは「何気なく消費する商品が子どもの未来を救う可能性があることを知り、教師を志す者として知っておかねばならないと感じた」「責任という厳しめの言葉を使っているものの、可愛らしいイラストが用いられていて印象に残った。ゴミを減らすことのみでなく、作ることに目を向けている点がいいなと思った」等の感想が寄せられました。このかるたで、SDGsへの動機付け・導入として、多年代に訴求できたことが分かりました。


巡回展示について

本展示は、全国科学館連携協議会を通じて、以下の科学館等へ巡回しました(予定含む)。
2021年度(4館)
- 浦安市青少年館(千葉県浦安市)
- フェライト子ども科学館(秋田県にかほ市)
- 堺市立ビッグバン(大阪府堺市)
- 川口市立科学館(埼玉県川口市)
2022年度 展示巡回先(10館)
- 琴平海洋博物館(香川県琴平町)
- 厚岸町海事記念館(北海道厚岸町)
- 岩見沢郷土科学館(北海道岩見沢市)
- 盛岡市子ども科学館(岩手県盛岡市)
- 雲仙岳災害記念館(長崎県島原市)
- 静岡科学館る・く・る(静岡県静岡市)
- 山形県産業科学館(山形県山形市)
- 高崎市少年科学館(群馬県高崎市)
- 川口ダム自然エネルギーミュージアム(徳島県那賀町)
- 日立シビックセンター科学館(茨城県日立市)
2023年度 展示巡回先(9館)
- 原子力科学館(茨城県東海村)
- 松本市教育文化センター(長野県松本市)
- 黒部市吉田科学館(富山県黒部市)
- 橿原市立こども科学館(奈良県橿原市)
- 釧路市こども遊学館(北海道釧路市)
- 千葉市科学館(千葉県千葉市)
- 向井千秋記念子ども科学館(群馬県館林市)
- 上田創造館(長野県上田市)
- 四国西予ジオミュージアム(愛媛県西予市)
2024年度 展示巡回先
- 佐世保市少年科学館(長崎県佐世保市)
2024年2月現在