
耳が聞こえない人と会話をするとき、あなたならどんな方法を使いますか? 手話や筆談など、いくつかの方法がありますが、近年、ますます使いやすくなっているのが、音声認識の技術を使ったスマートフォンの字幕表示アプリです。
話した内容がリアルタイムで文字起こしされるため、耳が聞こえない人にも簡単に伝えることができます。しかし、会話中はスマートフォンに目を向ける必要があるため、相手の口の動きや表情などを見逃してしまいます。もっと自然なコミュニケーションはとれないでしょうか?
そこで、未来館の研究エリアに入居する「xDiversity(クロス・ダイバーシティ)プロジェクト」が開発しているのが、透明パネルに話者の言葉をリアルタイム表示するシステム「See-Through Captions」(シースルーキャプションズ)です。自分と相手の間に置くことでパネル上の字幕と同時に、パネルごしに表情やジェスチャーなどの非言語情報も一緒に確認することができます。
「See-Through Captions」で本当にスムーズなコミュニケーションが実現できるのでしょうか、未来館の2つのシチュエーションで確かめる実証実験に参加いただけます。
(1) 総合案内受付での実験(どなたでも)
未来館の3階 総合案内受付に「See-Through Captions」を設置します。6月5日、6日は開館中いつでも、どなたでも体験していただけます。館内で困りごとや分からないことがあれば、設置されている窓口で、受付のスタッフに質問してみてください。近くに開発している研究者もいますので、研究の話を直接聞いていただくこともできます。
※体験していただいた一部の方にアンケートを依頼することがあります。
(2) 常設展示ツアーでの体験(聴覚障害の方とお連れ様限定)

科学コミュニケーターによる40分間の常設展示ツアーです。3階常設展示エリア「未来をつくる」の中から、いくつかの展示を一緒にまわります。科学コミュニケーターが解説する際、小型の「See-Through Captions」を手に持ち、言葉を字幕で伝えながら実施します。
参加は聴覚障害の方とそのお連れ様に限定させていただきます。6月5日、6日にそれぞれ11:30/13:30/15:30の3回実施予定です。参加を希望される方は当日、3階総合案内受付でお申し込みください。
※ツアー終了後、アンケートにご協力お願いします。
これらの実験で得られたデータは、耳が聞こえる人と聞こえない人のコミュニケーションにおける「See-Through Captions」の有用性を調べる研究に活用されます。
実施研究者

設楽明寿
筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科 博士後期課程

山本健太
筑波大学大学院 人間総合科学学術院 情報学学位プログラム 博士後期課程

鈴木一平
筑波大学大学院 人間総合科学学術院 情報学学位プログラム 博士後期課程

百田涼佑
筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類

飯嶋稜
筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類

落合陽一
筑波大学 デジタルネイチャー開発研究センター長 / 図書館情報メディア系 准教授
イベント設計・科学コミュニケーションデザイン

川﨑文資
日本科学未来館 科学コミュニケーター

田中沙紀子
日本科学未来館 科学コミュニケーター
See-Through Captions プロジェクト紹介動画
※1分12秒ごろから日本科学未来館での実証実験の様子が紹介されます
開催概要
- 開催期間
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2021年6月5日 (土) 、 6月6日 (日)
新型コロナウイルス感染症の状況によって本イベントは中止や延期となる可能性があります。
- 実験スケジュール(常設展示ツアー)
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2021年6月5日 (土)
11:30 / 13:30 / 15:30(1回40分)
2021年6月6日 (日)
11:30 / 13:30 / 15:30(1回40分)
- 参加人数(常設展示ツアー)
- 各回1組
- 対象(常設展示ツアー)
- 聴覚障害者の方とそのお連れ様
- 参加方法(常設展示ツアー)
- 当日、3階総合案内受付にてお申込みください。先着順での参加受付となります。
- 開催場所
- 日本科学未来館 3階 総合案内受付、常設展示エリア
- 参加費
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無料
※常設展示ツアーに参加される方はオンラインで入館券の事前予約のみお願いします。
※3階の総合案内受付で、障害者手帳をご提示いただくと、ご本人とお連れ様1名は常設展入場料が無料です。
- 主催
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日本科学未来館
JST CREST xDiversityプロジェクト
- 協力
- 株式会社ジャパンディスプレイ
- お問い合わせ先
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日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)
感染症対策について
- 展示ツアーは各回の参加者は1組です。肌に直接触れるものは消毒を実施します。
未来館の研究エリアについて
展示エリアの隣にある「研究エリア」には最先端の科学技術研究を進める多様な外部プロジェクトチームが常駐しています。ここは研究者が実験や研究を行うだけでなく、来館者が最先端の研究に参加する場所でもあります。ともに研究を進め、未来をつくっていくために、みなさんをお待ちしています。
日本科未来館 研究エリアについて
JST CREST xDiversity について
"できないこと"の壁を取り払い、"できること"をより拡張できたら、本当に個性が活かせる社会になるのではないか。人や環境の「ちがい」をAIとクロスさせ、多くの人々によりそった問題解決の仕組み作りを目指すプロジェクトです。JST CREST xDiversityについて