1年のうちで最も美しい月が見られるという中秋の名月は、今年は101日。ススキやお団子、里芋などをお供えし、夜空に浮かぶ月を愛でるお月見が、古くから親しまれてきましたが、いまから30年後の2050年には、まったく違うお月見の楽しみ方が登場しているかもしれません。

現在、人間の活動領域が月にまで拡大しようとしています。2024年に月に再び人を送り込むアルテミス計画が動き出し、月の周りに宇宙ステーション、そして月面にも基地を建設する構想もあります。さらに将来的には、月面に町がつくられ、大勢の一般の人々が月で生活するようになっているかもしれません。しかし地球にはある水や空気、海や森などの自然、私たちが生きていくうえで必要なものが何もない月面で、どのように暮らすことができるのでしょうか?

今回のイベントでは、“食”を通じて2050年の月面での暮らしについて考えます。ゲストスピーカーは、未来の宇宙の食に詳しい、一般社団法人 SPACE FOODSPHEREの田中宏隆さんと菊池優太さんです。月にある限られた資源を活用して、食料を生産する方法についてお話しいただきます。また地球環境とは大きく異なる月で、未来の食はどう変わるのか、どのような文化が生まれる可能性があるのかを一緒に考えます。

そしてイベントに先立ち、「未来のお月見弁当の人気投票」事前アンケートを行っています。未来館および、本イベントの協力科学館(旭川市科学館サイパル、はまぎん こども宇宙科学館、福井県児童科学館 エンゼルランドふくい、福岡市科学館)の各館内でパネルを設置しているほか、未来館のウェブサイトでも以下より投票を受け付けています。(※アンケートは終了)

月で人が暮らすようになる未来には、月に暮らす人々はお弁当を食べながら宇宙にうかぶ地球をながめる、“お月見”ならぬ“お地球見”を楽しむようになっているかもしれません。あなたは、どのお月見弁当を選びますか?

未来のお月見弁当の人気投票! (※アンケートは終了)

「おいしさバツグン! ちきゅうべんとう」
ざいりょうはぜんぶ、ちきゅうからはこんだもの!月ではきちょうなちきゅうのあじを!
「とれたて新せん! 月べんとう」
月でそだてたやさいと、だいずで作ったハンバーガー!えいようまんてん!
「ざいりょうはヒミツ! うちゅうべんとう」
りょう理が作れるプリンターで、すきな形、すきなあじがじゆうじざい!

2050年には、月に人々がくらす町ができているかもしれません。月の町で、子どもたちは学校へ、大人たちは仕事へ出かけます。そして、お月見の季節には、ちきゅうをながめながら食べるお弁当が大人気! さて、みなさんは、月でどのお弁当を食べたいですか?

ゲストスピーカー

田中宏隆 の写真

田中宏隆

株式会社シグマクシス ディレクター / 一般社団法人 SPACE FOODSPHERE 理事

パナソニック株式会社、McKinsey & Company等を経て、2017年よりシグマクシスに参画。戦略策定、新規事業開発・ 実行、マーケティング、M&A、パートナーシップ、ベンチャー協業等幅広いテーマに精通する。フードテックを中心とした食・料理のトレンドやプレイヤー動向等に造詣が深く、世界最大の食のカンファレンスであるSmart Kitchen Summitの日本版を2017年に立ち上げるほか、国内外での講演・セミナー・パネルディスカッションやメディアを通じた情報発信にも多数取り組んでいる。一般社団法人 SPACE FOODSPHERE 理事、書籍『フードテックの未来』監修、著書に『フードテック革命~世界700兆円の新産業「食の進化と再定義」』。

田中(たなか)さんの自己紹介 (じこしょうかい)
わたしは「食べもの、りょう理、とテクノロジー」を組みあわせることで、みんながもっと楽しく、けんこうで、しあわせに「食べる」ことができるみらいを作りたいと考えています。これまで日本や海外の会社ではたらいたけいけんや、しごとを通してふやしてきたたくさんのなかまと力をあわせて、大きなかいぎをひらいたり、国内・海外の人々とじょうほう交かんをしたり、本を作ったりしながら、みらいのせっけい図をえがき、じつげんするというしごとにとり組んでいます。

菊池優太 の写真

菊池優太

JAXA 新事業促進部 J-SPARCプロデューサー / 一般社団法人 SPACE FOODSPHERE 理事

人間科学(スポーツ科学)分野の大学院修了後、JAXAに入社。ロケット部門の事業推進や、外部連携による宇宙教育事業等を担当。その後出向した大手広告代理店にて、宇宙コンテンツの企業プロモーション活用やビジネスクリエーション等に参画。JAXA帰任後は、主に非宇宙系企業の参入に向けた新規事業や異分野テクノロジーとの連携企画に加え、宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)の立ち上げ・制度設計に従事。現在は、J-SPARCプロデューサーとして、主に宇宙旅行・衣食住ビジネス、コンテンツ・エンタメビジネス等に関する民間企業等との共創活動を担当。出身は大分県竹田市。趣味はスポーツ全般、異業種交流。夢は、「月面オリンピックを実現し、自ら実況すること」。

菊池(きくち)さんの自己紹介(じこしょうかい)
いよいよはじまる「うちゅうりょこう」、ふたたび月に人が行く計画もはっぴょうされていますが、しょうらいはうちゅうにくらす時だいがやってこようとしています。そうなるとだいじになるのが「衣(い)・食・住(じゅう)」。わたしは、うちゅうに人がくらす時だいのじゅんびの一つとして、さまざまな会社やけんきゅうしゃときょうりょくして、2040年の月での食たくを考えています。また、ぜんこくの学校や科学かんなどでうちゅうについてのじゅぎょうを行っていて、「きくにぃ」というニックネームでうちゅうイベントや番組MCなども行っています。ゆめは、「月でのオリンピックをじつげんし、そのじっきょうをすること」です。

企画・ファシリテーション

中島朋 の写真

中島朋

日本科学未来館 科学コミュニケーター

2050年、みらいのお月見!ちきゅうをながめながら、何食べる?

開催概要

放送日時
2020年9月27日(日) 17:30~18:50
視聴方法
YouTube Live(Miraikan Channel)にてインターネット放送します。
対象
小学校低学年とその保護者
字幕の視聴について
音声認識字幕アプリ「UDトーク」によるコミュニケーション支援をおこないます。(リアルタイム配信時のみ)
主催
日本科学未来館
協力
旭川市科学館サイパル、はまぎん こども宇宙科学館、福井県児童科学館 エンゼルランドふくい、福岡市科学館
お問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)