日本では、お盆に先祖の霊がこの世にかえってくるとされています。この夏、写真を見ながら亡くなった人を思い出したり、お墓参りに行って故人に語りかけたりする人も多いのではないでしょうか。「また、あの人に会って話したい」。実はいま、そんな願いを叶えてくれる技術がすぐそこまで来ています。

故人が生前にのこした大量のデータを学習した人工知能(AI)を使って何かを語らせたり、新たな楽曲を歌わせたり、新たな小説を書かせたりと、故人のような言動や創作物を生みだせる技術が進展しています。例えば、生前に書かれたメールやSNSのメッセージをAIに大量に学習させれば、亡くなった後もあたかも故人と雑談したり、つらいことがあれば励ましてもらったりすることができます。一方で、このような方法で故人を再現することに対して、「冒とくだ」と反発する人や言い知れぬ違和感を抱く人も多く、賛否両論が起きています。

では、この賛否が割れる議論の根には、どのような問題が潜んでいるのでしょうか? 本イベントでは3人の研究者とともにこのテーマを掘り下げていきます。
お招きするのは、AIを使って故手塚治虫さんの新作マンガを作りだすプロジェクト(TEZUKA2020)に関わるAI研究者の松原仁さん。私たちがこれまで築いてきた死者との関係性や倫理観の点から、技術によって死者の言葉を創作し、生者の都合のいいように利用することの危うさを指摘する政治学者の中島岳志さん。データやAIがもたらすリスクと利活用の在り方を研究して、異分野や異業種の人たちとの対話の場作りを行っている江間有沙さん。

技術の現状を知り、違和感の正体を言葉にしながら、新しい技術とどのように向き合っていくべきか一緒に考えていきましょう。

視聴URL(ニコニコ生放送)
外部サイトへ移動しますhttps://live2.nicovideo.jp/watch/lv327360681

ゲストスピーカー

松原仁

東京大学 次世代知能科学研究センター 教授

東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は人工知能、ゲーム情報学。コンピュータ(機械)に知能を持たせる、あるいはコンピュータを(反面)教師として人間の知を探究することを目指して人工知能の研究に取り組む。

中島岳志

東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 教授

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科博士課程修了。博士(地域研究)。専門は政治学。インド政治や近代日本の思想史の研究に取り組む。

江間有沙

東京大学 未来ビジョン研究センター 特任講師

東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は科学技術社会論。人工知能やロボットを含む情報技術と社会の関係についての研究に取り組む。

企画・ファシリテーション

川﨑文資

日本科学未来館 科学コミュニケーター

開催概要

放送日時
2020年8月23日(日) 18:00~19:40
視聴方法
ニコニコ生放送にてインターネット放送します。
字幕の視聴について
音声認識字幕アプリ「UDトーク」によるコミュニケーション支援をおこないます。(リアルタイム配信時のみ)
対象
どなたでも視聴可能です。
主催
日本科学未来館
協力
東京大学未来ビジョン研究センター
問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)

Miraikanフォーカスについて

本トークセッションは、科学と社会にまつわる未来館注目のテーマ「Miraikanフォーカス」の関連企画です。日本科学未来館では人工知能とこれからの社会をテーマに、「ハロー!AI社会 人工知能ってナンなんだ? そういう私ってナンなんだ?」というタイトルのもと、各種イベントや展示を実施しています。

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