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江戸時代に出版された百科事典「和漢三才図会」より、カブトガニの項目

近代が幕を開けた明治時代、ヨーロッパ式の自然科学が本格的に導入されはじめると、その直後から北里柴三郎や湯川秀樹ら世界レベルの研究者が次々に現れました。明治以降、科学が発展した秘密は江戸時代にあるのかもしれません。「本草学」という学問が普及し、そして庶民も当時高価だった書籍に親しめるさまざまな仕組みが存在していました。国文学研究資料館の研究者・人文知コミュニケーターと、日本科学未来館の科学コミュニケーターが、文系・理系の垣根を超えた、江戸の知の世界にご案内します。

第一部 江戸の博物学「本草学」

動植物をはじめとした自然物、食品や薬などについての人の役に立つ情報、人々の間に伝わる様々な言い伝え・・・現代では科学や医学、民俗学といった別々の学問に分けられてしまった知識をひとまとめにあつかう学問が、かつての日本にありました。その名を「本草学」と言います。手軽に写真を撮ることもできなかった時代、本草学者はどれくらい正確に自然物をとらえていたのでしょうか? 本草学に秘められた不思議な物語の世界に皆様をいざないます。

第二部 お江戸の読書事情

明治以前、書物はたいへん高価で貴重なものでした。しかし、昔の人びとは書物をコレクションとして大事に仕舞っていただけではありません。「文庫」と呼ばれる公的図書館や、流行小説などを有料でレンタルをする貸本屋などを通じて、将軍から庶民までが書物に親しんでいました。また、巻物や折本など、本のスタイルもさまざまでした。そんなバラエティ豊かな和書の世界を紹介します。当時つくられた再生紙に混ぜ込まれていた「あるモノ」で、当時の人びとの健康や食べていたものもわかるそうです。

ゲストスピーカー

入口敦志 (いりぐち あつし) の写真

入口敦志 (いりぐち あつし)

国文学研究資料館 教授

1992年 九州大学大学院 文学研究科 博士後期課程退学、博士(文学)。九州大学助手を経て、1995年より国文学研究資料館勤務。江戸時代の小説を中心に、書物のかたちや出版文化といったメディアと文学との関わりについて研究を進めている。

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粂 汐里 (くめ しおり)

人間文化研究機構総合情報発信センター研究員(人文知コミュニケーター) 国文学研究資料館 特任助教

2016年 総合研究大学大学院 文化科学研究科 日本文学研究専攻 博士後期課程修了、博士(文学)。国文学研究資料館博士研究員、日本学術振興会 特別研究員PDを経て2018年9月から現職。研究テーマは、幸若舞曲、説経、古浄瑠璃など、中世末期・近世初期の日本の語り物文芸。

企画・ファシリテーション

福井智一 の写真

福井智一

日本科学未来館 科学コミュニケーター

開催概要

開催日時
2020年8月9日(日) 13:30~15:00
開催方法
Zoomを利用したオンラインセミナー(ウェビナー)
定員
500名
参加費
無料
参加方法
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主催
日本科学未来館
国文学研究資料館
問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)