薬剤耐性菌の拡大が、私たちを脅かすようになりました。
薬剤耐性とは、細菌が薬に対する抵抗性を示し、抗菌薬(抗生物質)が効きにくくなること指します。薬剤耐性菌は、抗菌薬の多用や不適切な使用などが原因で発生し、私たち自身が、知らず知らずのうちに薬剤耐性菌の出現を助長するようなことをしたり、いつの間にか感染していたりすることもあるといわれています。

抗菌薬は、感染症にかかったときに私たちの身を守ってくれる強力なツールです。有効な抗菌薬がなければ、怪我や病気がなかなか治らなかったり、深刻化したりします。抗菌薬をこれからも有効に使い続けていくには、薬剤耐性菌を生み出さないように、私たち一人ひとりが努力していくことも大切なのです。

このイベントでは、薬剤耐性問題 (AMR (※1) 問題) の分析と情報発信に取り組む「国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター」の専門家チームをお招きします。薬剤耐性菌を生み出さないために私たちができる正しい薬の使い方とはどのようなものか、そもそも薬が必要にならないように感染症を防ぐにはどうすればよいのか──。多くの患者を診てきた専門家ならではの実践的な方法を伺います。また、手洗いの重要性を目で見て実感できるワークショップや、病原体が広がる様子、薬剤耐性菌の出現する状況の動画や資料などの展示を通して、AMR問題を一緒に考えていきます。

スペシャル・トーク

講師: 松永 展明 氏 (AMR臨床リファレンスセンター 主任研究員)
開催場所: 日本科学未来館 5階 コ・スタジオ

トーク①「どう防ぐ? 感染症と耐性菌」

体が小さく、免疫力が未発達な子どもの感染症事情とは。子どもを感染症から守るために、子どもが抗菌薬を生涯使い続けられる未来のために、何ができるでしょうか。小児科、新生児科の臨床医である松永氏に、特に小児感染症の側面から感染症予防とAMR問題についてお話を伺います。

開催日時: 2018年2月12日(月・祝)、18日(日) 12:30~13:00(各日とも内容は同一)

トーク②「生み出すのはあなたかも? 薬が効かない耐性菌」

"とりあえず抗菌薬"という使用法には、どのような危険が潜んでいるのでしょうか。小児科、新生児科の臨床医である松永氏に、市民一人ひとりがとるべき対策と、AMRという地球規模課題についてお話を伺います。

開催日時: 2018年2月12日(月・祝)、18日(日) 15:30~16:00(各日とも内容は同一)

講師プロフィール

松永展明 の写真

松永展明

国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター主任研究員

小児科専門医・指導医、周産期新生児学会専門医、感染症学会専門医、医学博士、公衆衛生学修士。順天堂大学小児科学講座助教などを経て、現職。

体験・対話コーナー

「見よう!測ろう!ばい菌ラボ」
あなたの手に菌はどれほどいるでしょうか。このコーナーでは、きちんと手が洗えているか、どこに洗い残しがあるのか可視化するワークショップ「見よう!」と、手のひらに付着している微生物の量を手洗いの前後で測定するワークショップ「測ろう!」を実施。手洗いの効果をあらためて確認します。合わせて、病原体の広がりや耐性菌の出現に関する動画、資料の展示を用意しています。
国立国際医療研究センターの専門家チームや未来館の科学コミュニケーターとともに、ばい菌の世界を探り、AMR問題への意識を高めることができます。

開催場所: 日本科学未来館 3階 実験工房

ワークショップ「見よう!」 / 動画・資料の展示

開催日時: 2018年2月12日(月・祝)、18日(日) 両日とも12:00~17:00

ワークショップ「測ろう!」

開催日時: 2018年2月12日(月・祝)、18日(日)
(1) 13:30~ (2) 14:30~ (3) 16:30~ (全3回、内容は同じです)
※各回、先着10名。1グループにつき1名の体験とさせて頂きます。

(※1) AMR : Antimicrobial resistance の略語
(※2) 生物に由来するATPという生体分子の量を計測します。微生物量の目安として、食品衛生などの場で使われている方法です

開催日時
2018年2月12日(月・祝) 12:00~17:00
2018年2月18日(日) 12:00~17:00
開催場所
日本科学未来館 5階 コ・スタジオ、3階 実験工房
対象
小学校4年生以上
※イベントの様子を撮影した写真を広報などの目的で使用および公開する場合があります。予め、ご了承ください。
定員
トークイベント:40名程度(満員の場合は、立ち見でのご見学も可能です)
参加費
入館料のみ
参加方法
事前申し込み不要。 直接会場にお越し下さい。
主催
日本科学未来館
国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター
問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)