約4千年前に絶滅してしまったマンモス。40万年にわたってシベリアの地に君臨していたこの巨大哺乳類が、なぜ突如として姿を消してしまったのか?その原因は謎に包まれています。

最終氷期が終わり温暖化し始めた環境に適応できなかったのか?気候が急速に変化したことで餌としていた植物が減ってしまったのか?あるいは、シベリアにまで活動範囲を広げた人間に狩り尽くされてしまったのか?諸説ありますが、本当のところはいまだによくわかっていません。

その一方で、近年、地球温暖化で解けだしているロシアの永久凍土から冷凍状態のマンモスが次々に発掘されています。骨格だけになってしまった化石と違い、これらの冷凍標本には生きていた頃のさまざまな情報が残されています。ひょっとしたら、マンモスを絶滅に追いやった犯人を見つけ出す鍵もそこに隠されているかもしれません。

調査のためロシアに何度も足を運びマンモスの研究を続ける、「マンモス―絶滅の謎からクローン化まで―」の著者であり、本展の監修にも協力をいただいている、北海道大学名誉教授の福田正己博士に、マンモス研究の最新成果をお話ししていただきます。地球が温暖化していた時代に絶滅し、再び姿を現し始めたマンモスの冷凍標本には、同じように気候の変化に直面している私たちへのメッセージが残されているのかもしれません。

ゲストスピーカー

福田正己(ふくだまさみ)氏 の写真

福田正己(ふくだまさみ)氏

北海道大学名誉教授

1972年 東京大学理学系大学院博士課程修了・理学博士取得。1974年 北海道大学低温科学研究所 助手。1986年 北海道大学低温科学研究所 助教授。1990~2007年 北海道大学低温科学研究所 教授。1995~1998年 東京大学理学系研究科大学院流動講座 併任教授。1999~2004年 放送大学 客員教授。2007~2010年 アラスカ大学国際北極圏研究センター 教授。2011~2015年 福山市立大学 教授。著書の「マンモス-絶滅の謎からクローン化まで-」が「第60回児童福祉文化賞」の出版物部門に選出。

開催日時
2019年8月27日(火) 13:30~14:30
開催場所
日本科学未来館 5階 コ・スタジオ
定員
40名程度(立ち見も可)
参加費
入館料のみ
参加方法
事前申し込み不要。直接会場にお越し下さい。
主催
日本科学未来館、フジテレビジョン
問い合わせ先
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151

開催報告

マンモスについての著作や研究で有名な、北海道大学名誉教授の福田正己先生によるトークセッションを開催。実はマンモスはアフリカゾウより小さかった!?という意外な事実からはじまり、1万年前に突如姿を消してしまった謎を様々な角度の研究成果に基づいて熱く解説いただきました。夏休み中の小学生から、大人まで、多数の聴衆に囲まれて、会場との質疑応答でも盛り上がった1時間となりました。