あらすじ

主人公ナオコは、顕微鏡でさまざまなものを観察することに熱中している少女。ある日、ナオコは幼なじみのサトルから、宇宙人が地球に調査にやってきていると聞かされます。すると突然、不思議なカメラが2人の目の前に現れ、いくつかの映像を見せ、消え去ります。10年後に再び2人の前に姿を現した謎のカメラが見せた映像には、黄色く光る粒がいろいろな生き物の体を通りながら旅を続ける様子が・・・・。光る粒をときおり思い出しながら、その粒と自分の関係に次第に気づいていくナオコ。そして宇宙飛行士になったナオコが、宇宙から地球をみつめたとき、これまでの不思議な体験が一つにつながり、大切な真実にたどり着きます。

メッセージ

この作品を観覧することで、私たち人間は、ほかの生物と地球とを結ぶ"循環"というシステムの一部である、という大事なことに気がつきます。また、地球システムを理解するという科学的な意味にとどまらず、 宇宙からの視点で"ちきゅうをみつめて"いくことで、"自分を別の角度から再発見する"という体験にもつながるでしょう。

科学解説

番組に登場する宇宙人が「Z原子」と呼んでいるのは、炭素原子のことです。宇宙人は、宇宙で生まれた「炭素原子」を追って地球にやってきます。宇宙の始まり(ビッグバン)とともに誕生した原子は、初めのうちは数種類しかありませんでした。しかしこれらの原子の集まりから星がつくられて輝きだすと、その星の中でさまざまな種類の原子がつくられていきます。「炭素原子」もそうしてできた原子の一つ。寿命を迎えて爆発を起こした星から「炭素原子」は宇宙空間にばらまかれ、次の世代の星、惑星、そして生命をつくる材料となりました。「炭素原子」が地球で担っている役割とはなんでしょう? 宇宙人はそれを調べるために探査カメラを地上に送ります。「炭素原子」の一つをマーキングして、調査カメラはひたすらそれを追い続けます。そして驚きの真実を発見します。空気中に漂う「炭素原子」は植物にとりこまれ、その植物の葉や茎になります。植物は動物に食べられ、その動物はさらにほかの動物の食物となり、「炭素原子」はくり返しさまざまな生物の体の一部として利用されていきます。そして最後には生物の体を離れ、空気へと還っていくのです。こうして「炭素原子」はいったんばらばらになって空気中に漂いますが、再び植物にとりこまれ、その後またさまざまな生物に利用される旅に出ます。地球上の生物、そして私たち人間は、この「炭素原子」の絶え間のない流れのなかに存在しているのです。地球上のすべての生物は、この「炭素原子」でつながっています。生態系のなかでそれぞれの生きものが、それぞれの役割を果たすことで、「炭素原子」の受け渡しが滞りなく行われ、地球システム全体の調和が保たれているのです。

外部サイトへ移動します「ちきゅうをみつめて」トレイラー動画(1分30秒)

外部サイトへ移動します「ちきゅうをみつめて」本編(30分) ※平面仕様にて全編ご覧いただけます

外部サイトへ移動します「ちきゅうをみつめて」監修者からのメッセージ(9分)

環境教育教材「ちきゅうをみつめて」の提供

キャラクター(原案)

佐藤好春

詩(原案)

覚和歌子

総合監修

舩岡正光(三重大学名誉教授)

制作プロデューサー

前田融

アニメーション監督

佐土原武之

特別協力

山崎直子(宇宙飛行士)

制作協力

日本アニメーション株式会社、合同会社スターライトスタジオ

企画協力

八王子市こども科学館、富士川楽座、あすたむらんど

制作

有限会社アニメイノベーション東京

企画・制作・著作

日本科学未来館