Miraikanストーリー
ともにつくる挑戦
CO-CREATION STORY

タイトル「2 ジオ・コスモス 地球の共有」

解説

≪BGMが流れる。沢山のパネルに映る地球の映像。目まぐるしく切り替わる。
ズームアウトし、吹き抜けに浮かぶ大きな地球型のディスプレイ「ジオ・コスモス」の姿を映す。
球体を覆う無数のパネルに映像が映し出されている。
ジオ・コスモスを背景に「Miraikan ストーリー ともにつくる挑戦 CO-CREATION STORY」のタイトルが表示される。
ディスプレイが、地球型のイラストに変わる。
地球が何分割かされ、それぞれの空間で人々が活動している。
展示物を見ている人たち、マンモスの展示や重機を操縦する人、議論をしている人たちなど。
イラストを背景に「Geo-Cosmos Sharing the Earth」「2 ジオ・コスモス 地球の共有」のテロップが表示される。≫

ナレーション

2001年の日本科学未来館開館以来のシンボル展示、ジオ・コスモス。刻々と変化する地球の今を映し出すこの球体ディスプレイは、どのようにして誕生したのでしょうか。

解説

≪湾岸地域に建つ、日本科学未来館の外観。全面ガラス張りの大きな宇宙船のような形をしている。
館内。天井から吊るされた大きな球体ディスプレイ。≫

テロップ

毛利 衛
初代館長

毛利のインタビュー

「地球観測の仕事で宇宙に行って。いきなり真っ暗闇の中からヒューッと現れて、
輝いている青。そのイメージがすごく強かったので、なんとか自分が見た地球を共有できないかと。」

解説

≪真っ暗な中浮かび上がり、青く光るジオ・コスモス。刻々と変化する雲の様子が映し出されている。ジオ・コスモスを取り囲む回廊「オーバルブリッジ」で見学する来館者たち。
紺色のスーツに黄色のネクタイ姿の男性、初代館長の毛利がオーバルブリッジで話す。
「こちら、国際宇宙ステーション」の展示の中。毛利が仲間の宇宙飛行士と一緒に撮った写真が貼ってある。
毛利がジオ・コスモスを見ながら歩く。≫

テロップ

中西 忍
初代ジオ・コスモス製作統括

中村のインタビュー

「未来館がオープンしたのは翌年の2001年7月ですので、正味8か月間の時間で
やり通さなければいけないと。」

解説

≪オーバルブリッジの中央にあるコントロールルーム「ジオ・コックピット」で、黒いシャツ、黒のスーツを着た男性、中西が話している。≫

毛利のインタビュー

「しかもLEDの青色発光ダイオードは新しいものなんですね。なかなか手に入らないものだったんですね。」

解説

≪たくさんのLEDの正方形パネルがアップで映る。
青色に光るジオ・コスモスのディスプレイのアップ。鱗のように見える。
毛利が話す。≫

中西のインタビュー

「それはまだ誰も試したことないし、ましてや球体に貼り付けるなんてことは誰もしたことがないので、想像に想像を重ねながらやったと。」

解説

≪吊るされたジオ・コスモスを下から見た映像。何も映していない真っ白な状態。LEDの四角形のパネルがいくつも貼り合わさってできている。
ジオ・コスモスの制作過程。床に置いた状態で、球体のディスプレイに映像が映っている。球体の先端部分がふたのように開いている。
中西が話している。≫

毛利のインタビュー

「本当にこの未来館は、日本の総力を挙げてつくった科学知術の最先端。このLEDからもノーベル賞が出てますしね。地球を出したときに『あっ、これは自分が見た地球に非常に近い色だ』と、すごく感激しましたね。」

解説

≪毛利が話す。
ジオ・コスモスを見ている毛利。
ディスプレイのアップ。きれいな青い地球が再現されている。
ジオ・コスモスを見学する家族連れの来館者たち。≫

解説

≪BGMが変わる。≫

ナレーション

日本科学未来館のシンボルとして誕生した、ジオ・コスモス。約100万のLEDを使った巨大な球体は、10年後の2011年、有機ELパネルを使い、さらに高解像度な美しい姿へと変貌しました。

解説

≪天井から吊るされたジオ・コスモス。
巨大な球体に、四角形の有機ELパネルが隙間なく貼り合わされ、地球の映像を鮮明に映し出している。
真っ白なパネル。ジオ・コスモスに高所作業車に乗った人たちが近づいていく。
ディスプレイのテスト映像。1つのパネルに青・緑・赤・青・緑・赤が並び、流れるように点灯していく。
ディスプレイに映し出された、地球が動く様子が見える。
メンテナンス作業中の様子が早送りで映る。吊るされたジオ・コスモスに、高所作業車に乗った作業員が近づき、作業を繰り返す。ディスプレイは青く光ったり、真ん中が日の丸のように赤く光ったりしている。
イラストの映像。ディスプレイが変化するジオ・コスモスをオーバルブリッジで見ている人たち。≫

テロップ

内田まほろ
2代目ジオ・コスモス製作統括

内田のインタビュー

「技術の進化ということも非常に意識してるデバイスだったので、LEDではないものを探したいと。」

解説

≪黒いカットソーを着た女性、内田が「ジオ・コックピット」のパソコンの前で話す。≫

毛利のインタビュー

「プラスチックの中でも電気を通すプラスチックがある。有機EL。」

解説

≪毛利が話している。≫

内田のインタビュー

「有機ELの大型パネル用があるらしいって、まだ開発中のものを見せてもらったり探しに行ったりとかして、3月の17日か18日にオープンさせようとしていて、内覧会等々を準備していて。そしたら 3.11の地震が起きてしまって、私たちも被災して。」

解説

≪ジオ・コスモスのディスプレイのアップ。パネルの面全体が発光している様子がわかる。パネル取り付け用の穴があいたジオ・コスモスのフレーム。
取り付けるパネルの裏表をチェックする手元が映る。パネルの裏面に有機ELが取り付けられている。表面に、天地を示すUPの文字と矢印。
内田が話す。
「ジオコスモス2」と書かれたホワイトボード。設計図のような物も貼ってある。
製作過程の様子が映る。
ジオ・コスモスの有機ELパネルを取り付けるフレームを溶接加工する作業員。
作業員たちが8分の1サイズの球体の有機ELパネルの点灯試験を行う。
パネル1枚1枚をフレームに取り付けていく。
パネルを取り付けたフレームの裏面。ケーブルでぎっしりになっている。≫

解説

≪BGMが変わる。≫

ナレーション

東日本大震災により、3か月間の休館を余儀なくされた日本科学未来館。2代目ジオ・コスモスの公開時には、この震災による津波が太平洋高域に広がっていく様を可視化しました。

解説

≪東日本大震災時の映像。未来館の外に避難した人たち。奥の建物から灰色の煙が出ている。
館内。会議室のような部屋で、うずくまっている人たち。
天井の石膏ボードが剥がれ落ちている写真。
ヘルメット姿のスタッフたちが館内の損傷をチェックしている写真。
暗い館内で、時間とともに変化していく雲の様子を映し出す、ジオ・コスモス。≫

毛利のインタビュー

「単に青い地球を映すのではなくて。3.11の津波が北アメリカ、南アメリカ、そして南氷洋にまで影響を与えるような、すごく大きなエネルギーだったので、本当に地球規模で広がっていく、そういう自然災害の怖さというものを知らせることができたんです。」

解説

≪毛利がジェスチャーもまじえて話す。
ジオ・コスモスに、赤や青、黒が入り交じったような波が湧き上がってくる様子が映る。
波がどんどん広がっていく。津波が広がる時間も表示されている。≫

中西のインタビュー

「1代目と2代目の大きな違いは、格段に周りのいろいろなクリエイターとか技術者が、関わりやすくなったことだと思うんですね。」

解説

≪中西が話している。≫

内田のインタビュー

「地球の可視化ができるジオ・スコープとか、ジオ・パレットという、別のインターネット上のサービスだったり、いろいろ併せて作ったんです。今だと私たち今持ってるコンテンツって100以上あるので。シンボリックですよね、地球を表現するコンテンツがここにそれだけ集まってるということも、大きな変化だと思うんですよね。」

解説

≪展示のタッチパネル。地球の映像が映っている。
「GEO-SCOPE・地球を探る」という画面をタッチすると、アフリカ大陸、ヨーロッパ大陸などが表示される。大陸の一部がピンク色などに塗られている。色パレットで、選択した大陸に色をつけることができるしくみ。
別の画面。世界の大陸の上に困っている顔のマークやグラスのマークが表示されている。
画面上に「日射量の季節変化」「世界の森林分布」「アジサシの移動」「森林火災」などたくさんのコンテンツメニューが並ぶ。
内田が話す。
ジオ・コスモスに海底の生物の進化の様子を描いたアニメーションや、光の速さを表したようなもの、日本の国旗、世界の言語などを表したもの、色とりどりに変化する映像が次々映し出される。≫

ナレーション

そしてジオ・コスモスは教育プログラムやコンテストの開催、また、ジェフ・ミルズやビョークをはじめとした世界的なミュージシャン、アーティストたちとのコラボレーションのメディアとしても機能しています。

解説

≪来館者たちがオーバルブリッジを歩いて行く。
集まっている世界各国の若者たち。2人の若い女性がマイクを持って話している。
ジオ・コスモスに世界各地の人種を表すようなアニメーション映像が映る。
並んだ展示物に触れている人たち。
海外アーティスト、ジェフ・ミルズの写真。
ビョークの写真。
月のように輝くジオ・コスモスの下で演奏するアーティスト。
ディスプレイに無限に開いていくファスナーのアニメーションが映る。
人の手の動きに合わせてディスプレイの映像が動く様子。
イラストの映像。ジオ・コスモスを見学する来館者。オーバルブリッジから見る人、寝転んで下から見ている人もいる。≫

テロップ

ジェフ・ミルズ
ジオ・コスモス空間音楽製作

ジェフ・ミルズのインタビュー

「ジオ・コスモスのサウンドトラックをつくるのは、とても大きな挑戦でした。
この音楽は日や時間帯によって変化するのですが、距離を測定したり、ジオ・コスモスを取り囲む空間の音響を聴いたり、リサーチには多くの時間を費やしました。
また、来館者が実際にどのように見て、どんなふうに歩き回っているのか、ジオ・コスモスが何に使われているのか、ということへの理解も、サウンドトラックづくりに影響しました。」

解説

≪スーツ姿のジェフ・ミルズがパソコンのディスプレイ越しに英語で話す。
案内されてオーバルブリッジを歩いたり、ジオ・コスモスを見学した時の様子が映る。≫

内田のインタビュー

「本当に夢みたいな話だったけど、ビョークさんが、あるご縁でまず1回目に、ここの下でコンサートもやるし、7階でワークショップもやるし。ジオ・コスモスを彼女の音楽と連動させて、一つのコンテンツを作るという試みができたのは、本当にやりがいのあることでしたね。」

解説

≪内田が話す。
ジオ・コスモスの下で演奏するビョーク。ディスプレイに白や赤の火花のような映像が映っている。
暗い部屋の写真。スクリーンに映像が映され、集まった人たちが寝転んでいる。
VRゴーグルをつけて見上げている人たちの写真。
子どもたちが、メガネをかけた外国人の科学コミュニケーターの話を聞いている写真。
内田のそばで、中西が聞いている。≫

毛利のインタビュー

「芸術も、それから音楽も、政治も、宗教も、全部いろいろなことを総合した中で、人間がほかの生命とどうしたらうまく持続的に生きていけるか、ということを考える時になってきている。」

解説

≪毛利が話す。
イラストの映像。ジオ・コスモスを見学する大勢の人たち。オーバルブリッジから見る人、寝転んで下から見ている人もいる。≫

解説

≪Miraikanのロゴで映像が終了。≫