特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」 (3/18~)

国内最大規模、90種類130点のロボットが大集結

きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?

日本科学未来館(略称:未来館、館長:浅川智恵子)では、2022318日(金)~831日(水)、国内展覧会史上最大規模となる約90種類、130点の多彩なロボットが大集結する、特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」を開催します。本展は、多数のロボットを見たり触れたりインタラクティブな仕掛けを体験したりしながら、幅広い層に楽しんでいただけます。ロボットとの関係性を通して、変わりゆく人間の「からだ」「こころ」「いのち」に目を向け、「人間とはなにか?」を問いかけながら、人間とロボットの未来像を思い描きます。

本展のみどころは、一堂に集結した多彩なロボットたち。世界初の人型ロボット「WABOT-1(ワボット-ワン) 」をはじめ、体高 4メートルを超える汎用人型重機「零式人機(れいしきじんき) ver.1.2」や、どこにいてもロボットを通して社会の活動に参加できる遠隔操作が可能な分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」、実在する人物の写真や音声などのデータを元に再現されたデジタルクローンなど、日本のロボット開発の礎となったロボットから、本邦初公開の最新ロボットまで多岐にわたります。また、本展後半では、インタラクティブな体験展示を通して、ロボットとともに変わりゆく人間のあり方や、その先の未来像に思いをはせます。

「ロボット」という言葉が生まれてから100年以上。発展・拡大を続けるロボット技術は、いまや私たち人間にとってなくてはならない存在になり、ロボットの定義や概念、形もさまざまに変化しています。それはロボットと人間の関係性が複雑になってきたということなのかもしれません。私たち人間とはどのような存在なのか、かえりみるきっかけにもなるのではないでしょうか。

展示内容

Zone1 ロボットって、なんだ?

ロボットの誕生、そして現在へ

「ロボット」はいつ、どのように誕生したのか。そして、過去から現在までどのように発展・拡大してきたのか。壁一面に広がる年表を見ながら、「WABOT-1(4月より展示)」や「AIBO」、「ASIMO」など時代を代表するロボットたちの間をぬうように進み、歴史を体感します。また、ロボットの研究・開発に影響を与えた小説やアニメ、ゲームなどのSF作品も紹介します。

WABOT-1(ワボット-ワン)
早稲田大学ヒューマノイド研究所
1973年
日本のロボット開発の第一人者である故加藤一郎教授を中心に開発された、世界初の人型知能ロボット。 
※4月1日より展示
AIBO(アイボ)
ソニーグループ
1999年
子犬に似たふるまいが人気を集めた、世界初の家庭用エンターテインメントロボット。多くの家庭で受け入れられた。
HRP-2(エイチアールピー-ツー)プロメテ
川田工業(現:カワダロボティクス株式会社)
産業技術総合研究所
2003年
「人間協調・共存型ロボットシステム研究開発」の成果として開発された「働く人型ロボット(ヒューマノイド)」。ロボットアニメのメカデザイナーとして有名な出渕裕氏が外観をデザインした。

Zone2 きみって、なんだ? にんげんって、なんだ?

Zone2-1 からだって、なんだ?

いま、私たち人間の行動の可能性を広げるロボットや技術がたくさん生まれています。ロボットと人間の「からだ」は、切っても切り離せない関係にまで発展してきました。どこまでがロボットで、どこまでが人間なのか。人間の「からだ」とは何なのか。実際にロボットを動かしたり装着したりして、体感してみましょう。

MetaLimbs(メタリム)
東京大学先端科学技術研究センター
身体情報学分野稲見研究室
装着した2つのロボットアームを左右の足に対応づけて動かすことで、複数の腕の動きを可能にし、身体感覚を拡張するロボット。
零式人機(れいしきじんき)ver.1.2
人機一体
操作者の思いどおりに直感的に高所重作業を行える汎用人型重機。力を緻密に操る能力を持つ。鉄道インフラメンテナンスの社会実装を進めている。
※写真は零式人機ver.1.0
OriHime(オリヒメ)
オリィ研究所
距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人の、もう一つの体となる遠隔操作が可能な分身ロボット。
※OriHime-D(オリヒメ-ディー)も展示予定

Zone2-2 こころって、なんだ?

さまざまな感情にゆれ動く人間の「こころ」。そのこころに寄り添う多様なロボットが生まれています。愛らしいロボットや手助けしたくなるロボット、不思議な存在感を放つアンドロイドなど、いろいろなロボットに対して芽生えるさまざまな思いと、自分自身の感情のゆれ動きをヒントに、人間の「こころ」とは何かを考えてみましょう。

LOVOT(らぼっと)
GROOVE X
人の心に寄り添い、愛されるために開発された家族型ロボット。世界初のやきもちを焼くロボットでもある。
む~
豊橋技術科学大学 ICD-LAB
言葉足らずな発話で聞き手の関心を引き出すことで、より豊かなコミュニケーションをもたらすロボット。
ジェミノイドHI-4(エッチアイ-フォー)
大阪大学大学院基礎工学研究科石黒研究室
国際電気通信基礎技術研究所石黒浩特別研究所
石黒浩大阪大学教授に酷似した見かけをもった遠隔操作型アンドロイド。人の存在感とは何かを明らかにするべく制作、実験が続けられている。
※本展ではジェミノイドHI-2(エッチアイ・ツー) も展示し、ジェミノイドHI-4との対話を予定。

Zone2-3 いのちって、なんだ?

人間の「いのち」のあり方に、さまざまな形でロボットが関わるようになってきました。いずれ、からだをロボットに置き換えたり、こころをロボットで再現したりすることもできるようになるかもしれません。そのとき、人間は永遠のいのちを手に入れるのでしょうか。私たち人間はどう生きていくのか、人間の「いのち」とは何なのかを立ち止まって考えてみましょう。

レオナルド・ダ・ヴィンチ アンドロイド
大阪大学大学院工学研究科
ダ・ヴィンチミュージアムネットワーク
2015年にイタリアで開催された「ミラノ国際博覧会」に合わせて制作されたレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519年)のアンドロイド。
ぱいどん
「TEZUKA2020」プロジェクト
手塚治虫が存命で漫画を描いていたら、という考えから生まれた作品。AI(人工知能) と人間が共同して創作する新たな可能性が示された。
Morphing Identity
(モーフィング・アイデンティティ)
ソニーコンピュータサイエンス研究所
個人を識別するための顔映像が持つアイデンティティの流動性に着目し、自分の顔がいつの間にか他者の顔に変容していく体験を提供する。

Zone3 きみとロボットの未来って、なんだ?

ロボットの歴史や、人間の「からだ」「こころ」「いのち」にかかわるロボットを紹介してきました。私たちはそれらとともにどのような未来を築いていくのでしょうか。さまざまな分野で活躍する人たちが思い描くビジョンや、体験型のインスタレーション展示を通して、人間とロボットの未来を考えます。

開催概要

タイトル
特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」
会期
2022年3月18日(金)~8月31日(水)
会場
日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6) 1階 企画展示ゾーン 
時間
10:00~17:00 (入場は閉館の30分前まで)
休館日
火曜日(ただし、3月22日~4月5日、5月3日、7月26日~8月30日は開館)
料金
大人(19歳以上)2,100円(1,900円)
中人(小学生~18歳)1,400円(1,200円)
小人(3歳~小学生未満)900円(700円)
※( )内は8名以上の団体料金
※常設展もご覧いただけます 
※ドームシアターは別料金(要予約)
※2歳以下は無料
※障害者手帳をお持ちの方および付き添いの方1名まで無料
※会場の混雑状況により入場整理券の配布、または入場を規制する場合があります
※チケットは3月上旬に販売開始予定です
※会期等は変更になる場合があります
※本展覧会の内容は予告なく変更になる場合があります
※チケット情報を含む最新情報は本展公式サイトをご確認ください
主催
日本科学未来館、朝日新聞社、テレビ朝日
協賛
ソニーグループ、凸版印刷
後援
文部科学省、厚生労働省、経済産業省、産業技術総合研究所、日本科学技術振興財団、
日本ロボット学会、人工知能学会、東京臨海高速鉄道、ゆりかもめ
協力
東急電鉄、東京モノレール
助成
在日フランス大使館
企画協力
フランス国立自然史博物館
総合監修
浅田稔 大阪国際工科専門職大学 副学長/大阪大学特任教授(同名誉教授)
監修協力
江間有沙 東京大学未来ビジョン研究センター准教授
大澤博隆 筑波大学システム情報系助教
佐倉統 東京大学大学院情報学環教授/理化学研究所革新知能統合研究センター・チームリーダー
長井志江 東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェス国際研究機構特任教授
公式サイト
https://kimirobo.exhibit.jp/ 
お問い合わせ
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