だれもが楽しめるミュージアムをつくる!

もっといろいろな人に展示やイベントを楽しんでほしい

日本科学未来館では、建物のバリアフリー化はもちろん、多様な人が楽しめる展示ツアーや、五感を使って体験できる展示など、新たな体験を生みだす手法の開発に取り組んでいます。また、「AIスーツケース」をはじめとするサポート技術の開発や導入も進めています。これからもテクノロジーと人の両輪によるサポートを進め、アクセシビリティ改善に努めていきます。

3つのアプローチ

アクセシビリティの課題はたくさんありますが、現在は「五感で体験する展示の開発」「みんなが楽しめるイベントの提供」「テクノロジーによるサポート」の3つの観点からアクセシビリティを進めています。障害の当事者をはじめ、教育現場の先生方、研究者などさまざまな立場の方の協力を得ながら取り組んでいきます。

五感で体験する展示の開発

見るだけではなく、聞く・触る・嗅ぐなど、さまざまな感覚を使って理解したり、発見したりできる新たな展示体験を提供しています。

プラネタリー・クライシス(5F 常設展示)

世界の平均気温の変化や、国や地域ごとの二酸化炭素排出量の違いを触って理解できる展示です。上昇を続ける気温を立体的な折線グラフにしたり、二酸化炭素の排出量を球の体積で表現したりしています。

ノーベルQ ―ノーベル賞受賞者たちからの問い(3F 常設展示)

未来館を訪れたノーベル賞受賞者たちからいただいたメッセージ「来館者にいつまでも考え続けてもらいたい問い」を、手話動画や点字でも紹介しています。

みんなが楽しめるイベントの提供

多様な人が参加し楽しめるイベントを開発していきます。リアルタイムで音声を認識して字幕を表示するシステムを使った展示ツアーや、展示や模型に触れながら宇宙のくらしをイメージするツアーを定期的に開催しています。

文字と絵で伝えあう展示ツアー

透明なパネルに音声情報を字幕表示するシステム(See-Through Captions)や手話、紙芝居などを用いて、参加者のみなさんと意見交換をしながら、いくつかの展示をめぐるツアーです。耳が聞こえる・聞こえないにかかわらず、未来館の展示を楽しむことができます。
協力:JST CREST xDiversityプロジェクト、株式会社ジャパンディスプレイ

さわってわかる! 宇宙ステーションのくらし

国際宇宙ステーション(ISS)の展示や精巧な模型を通して、宇宙でのくらしを考える視覚障害者向けツアーです。ふだんはさわることのできない展示も含めて触れながら観察し、ISSについて学んだり、宇宙でのくらしを具体的にイメージしたりします。

テクノロジーによるサポート

障害のある方がもっと自由に未来館を楽しむことができるように、人によるサポートはもちろん、移動や情報保障に関するテクノロジーの開発や導入にも注力しています。

AIスーツケース

視覚障害者の移動を支援するために開発中の自律型ナビゲーションロボット。障害物や人を認識して、安全に目的地まで案内します。現在、常設展内でAIスーツケースによるナビゲーションを体験していただける実証実験を毎日開催しています(休館日を除く)。

「AIスーツケース」について詳しくみる

日本科学未来館アシストアプリ

主に視覚に障害のある方の展示体験をサポートするオリジナルアプリです。常設展示ゾーン内の約50カ所に設置されたARマーカーを読みとることで、各展示の解説や体験方法を音声およびテキストで提供します。アシストアプリを補完する実験的なアプリ「アシストアプリプラス」では、人に聞こえない高さの音に埋め込んだ信号や流れてくる音声をアプリが聴きとり、タイミングに合わせた解説を音声で提供するシステムです。

「アシストアプリ」について詳しくみる

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