老化によるもの忘れは、記憶の一部が抜け落ちるのが特徴です。例えば昨日の夕食のメニューが思い出せない場合、食べたこと自体は覚えていて、前後の行動など覚えている部分をたどっていくことで思い出せます。一方、認知症によるもの忘れは経験全体の記憶が抜け落ちる場合が多いです。夕食を食べたこと自体を忘れる、といった具合です。そもそも認知症は、脳の機能が低下し生活に支障がでる状態のことです。加齢によりなりやすくなりますが、だれにでも起こる老化ではなく病気として位置づけられています。原因となる疾患によって、アルツハイマー型認知症や血管性認知症などいくつかの種類があります。進行をゆるやかにする治療薬の研究開発や、認知症であっても暮らしやすい街づくりなどが進んでいます。

老化による「物忘れ」は記憶の一部が抜け落ちる
認知症による「物忘れ」は記憶全体が抜け落ちる