あなたは科学に何を期待してきたでしょう? 震災以降、社会に生まれた科学者への不満や期待と、科学者の側の切実な思いとをぶつけ合い、議論しました。科学が力を存分に発揮できる社会にするために、今、私たちが抱える課題と解決方法を探ります。
(このサイトでは、当日の講演とディスカッションをダイジェストでまとめています。イベント全編はYouTubeでご覧ください。)
開催概要
現在、電力の約30%を占めている原子力発電を自然エネルギーに変えた場合、電気料金は一家庭あたり一日110円の負担増になるという試算があります(下記青枠)。
あなたはこの“負担”をどう判断しますか? その判断の指標は? 値段、安全性、個人の生活、社会全体の利益、次世代への責務……突き詰めればそこには、社会とその中の個人のあり方を問う、哲学(公共哲学)の問題が現われます。
この会では今、根本から見直しを迫られているエネルギー問題について、科学・技術と哲学の両面から議論します。科学は何をどこまで可能にするのか。未来の社会をつくるために、私たちがベースにすべき考え方とは何か。「安全か危険か」「高いか安いか」 という一面的な判断にとどまらない、新たな選択の立脚点を探ります。
【出演】
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
1959年生まれ。京都大学原子核工学科、東京大学大学院先端科学技術研究センター博士課程修了。大手鉄鋼メーカー、電力関連研究機関で原子力研究開発に従事した後に退職。スウェーデンのルンド大学客員研究員などを経て現職。日本における自然エネルギー政策の第一人者として知られる。
小林正弥(千葉大学大学院人文社会科学研究科教授)
1963年生まれ。東京大学法学部卒。同大学助手などを経て2003年より現職。専門は政治哲学、公共哲学。平和、環境、福祉などの問題に焦点をあて、公共的な問題について研究を行っている。ハーバード大学マイケル・サンデル教授の紹介者としても知られ、NHK「ハーバード白熱教室」では解説者を務める。