あなたは科学に何を期待してきたでしょう? 震災以降、社会に生まれた科学者への不満や期待と、科学者の側の切実な思いとをぶつけ合い、議論しました。科学が力を存分に発揮できる社会にするために、今、私たちが抱える課題と解決方法を探ります。
(このサイトでは、当日の講演とディスカッションをダイジェストでまとめています。イベント全編はYouTubeでご覧ください。)
開催概要
あなたは科学に何を期待してきたでしょう?
3月11日後の大震災に際して、科学はあなたの期待どおりの働きを見せてくれたでしょうか? 事後処理と復興の活動が多方面で懸命に行われている一方で、さまざまな混乱や問題が生じているのも事実です。そこでは、渦中にある科学者もまた悩み苦しんでいたはずです。
この会は、これまでの8ヵ月余りの間に生まれた科学や科学者に対するあなたの疑問や不満そして期待と、科学者の切実な思いとをぶつけあい、ともに語り合う場です。科学が力を存分に発揮できる社会にするために、今、私たちが抱える課題と解決方法を探ります。(本イベントはUstreamでライブ中継を行います。)
【出演】
原子核物理、気候モデリング、防災と、それぞれの分野で精力的に活動し、自らの役割を考え抜いた3名の科学者と、科学のあり方を追求してきた研究者が一堂に集結。各人の立場からの本音トークをどうぞお楽しみに!
早野龍五(東京大学大学院 理学系研究科 教授)
中島映至(東京大学大気海洋研究所地球表層圏変動研究センター センター長)
長坂俊成(防災科学技術研究所 主任研究員)
平川秀幸(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 准教授)
司会: 松山桃世(日本科学未来館 科学コミュニケーター)
【プロフィール】
早野龍五
1952年生まれ。専門は素粒子原子核物理学。震災直後から自身のTwitterで、原発をめぐる基礎知識や福島原発の現状分析をリアルタイムで発信。最近では「給食まるごとセシウム検査」を文部科学省に提案し、大きな注目を浴びた。
中島映至
1950年生まれ。人工衛星データ解析と気候システム研究の第一人者で、震災後は放射性物質の飛散予報計算にとりくむ。SPEEDIのデータが公開されない中、予報データ公開の是非など緊急時における科学データのあり方について、学会内の議論をリード。
長坂俊成
1962年生まれ。震災直後から被災地入りし、「東日本大震災協働情報プラットフォーALL311」というネット上のサービスを立ち上げ、情報提供による被災者支援を行う。現在も頻繁に現地に出向き、救助や復興支援を続けている。
平川秀幸
1964年生まれ。専門は科学技術社会論。科学の外側の立場から、科学のあり方を問う気鋭の論客。特に震災後は、科学をめぐる既存の体制に厳しく切りこんでいる。著書に『科学は誰のものか』(NHK生活人新書)など。