miraikan_logo.jpg

line.gif

contest_title_4_ak.png

 アーカイブ: 2014  


jyusyou.pngshinsaiin8.png選評__menu2.jpg

選評2.jpg

本審査に残った5作品を審査した委員の選評です。

本審査 審査委員(五十音順)


itotoyoo.png
伊東豊雄 氏
(建築家)

Geo-Cosmosは球体なので、見る側は動きながら鑑賞することができます。またGeo-Cosmosに映しだされる作品も動いています。鑑賞者それぞれが、あらゆる方向から、動いている映像を眺めるという意味で、Geo-Cosmosにおいてはすべてが流動的であると感じました。このような流動性のなかで、いかに新しい表現としての作品をつくることが可能かが、このコンテストの大事な点だったと思います。
それぞれの作品からは力を感じ、審査する立場としてたいへん楽しむことができました。


inoko.png
猪子寿之 氏
(チームラボ 代表取締役社長)

誰が見ても「地球は人が作っているんだよ」「人が地球を大きくするんだよ」というようなメッセージが伝わってくる作品は良かったと思います。コンテストの審査会では光っている球体を沢山見ることができ、とても幸せでした。


ingo.png
インゴ・ギュンター 氏
(アーティスト)

My only regret is that we could only judge the 5 finalists tonight and not all the 67 contestants and their artistic work. It was not easy to select the works that would be successful in this ambitious ambiguity that was required. But I hope that we, as 8 male jury members judging 5 ladies’ works, were nevertheless just and inspiring.


testb.jpg
ジェフ・ミルズ 氏
(DJ/テクノプロデューサー)

This jury selection was never easy because you have to kind of dissect someone’s creativity along with meaning. I think the Geo-Cosmos is probably one of the most important things that we have in order to look at ourselves and monitor how our planet is doing. So I hope that more things are going to happen to the Geo-Cosmos.


shirakawa.png
白川英樹 氏
(ノーベル化学賞受賞・科学者)

これまでに科学論文や科学コンテスト等の審査は度々行ったことがありますが、今回の審査は科学も多少入っているでしょうが、芸術性や人にどう訴えるか、ということになると全く自信がなく、今回毛利館長からこの話を頂いたときに大分躊躇いたしました。しかし、専門が異なる色々な方々が審査にあたられるということで、その方々の見方の違いも楽しめるのではないかと思い、この審査をお引き受けしました。

審査の結果は予想通りで、やはり人の見方というのは非常に異なっていて、今回の最終選考5作品に対しても審査員の評価は大きく分かれ、とりわけ私の評価は他の審査員とはだいぶ違うものになりました。しかし、いずれにしてもGeo-Cosmosの球体の上でどのような表現をするのかという事は、今までの平面的な絵画や立体的なインスタレーション等と比べると全く別のカテゴリであり、それに挑戦し、最終作品に選ばれた5名の皆さんの努力と創意工夫に敬意を表します。
色々な見方ができるものだな、と思った、というのが今回の審査での率直な印象でした。


idatu.jpg
伊達吉克 氏
(株式会社NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー)

応募作品を制作された方々は、Geo-Cosmosという、この丸く、少々特殊なデバイスで表現するという難しさと楽しさ、両方あったのではないかと想像します。このデバイスは他に類を見ないものですので、コンテンツを作る側からすると新たな挑戦ができるということでもあります。未来館のスタッフの方々もかなりアグレッシブですので、これからもどんどん新しいコンテンツを作って頂ければと思います。


tsujikawa_01.png
辻川幸一郎 氏
(グラフィックデザイナー/映像作家)

審査会では本当に審査員の皆さんの意見が大きく分かれたのですが、逆に言うとそれだけ一つ一つの作品に力があったからではないかと思います。Geo-Cosmosのように丸く大きいディスプレイというものは他にないものですので、今回、このディスプレイを利用して様々な作品を見ることが出来たのは非常に面白い体験であったと思います。


hasegawa.jpg
長谷川踏太 氏
(Wieden+Kennedy Tokyo エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター)

Geo-Cosmosは地球が投影されているだけでも素晴らしいものですので、その地球に勝る映像を考えるということは非常に大変なことだろうと想像します。今回様々な種類の作品を見せていただき、見る方としてもとても楽しめましたし、また同時にGeo-Cosmosに映る存在感というのはすごく“でかいなぁ“と感じました。


審査委員長 毛利衛より今回のコンテスト開催について 


mori01.png
毛利 衛
(日本科学未来館 館長)

1992年に私が宇宙から見た地球は、国境も上下もない、漆黒の闇にぽっかりと浮かぶ青く輝く球体でした。2001年未来館の開館以来、先日ノーベル物理学賞を受賞した日本の科学者の発明した青色発光ダイオードのおかげでその地球の姿をシンボル展示で来館者と共有できました。そして2011年、ディスプレイの研究がさらに発展し環境に優しい有機ELパネルをつかった、超高解像度Geo-Cosmosにリニューアルしました。それは、まさに私が宇宙で見た青く輝く地球に近く、球体ディスプレイとしても新しい表現の可能性を秘めていました。この年未来館は開館10周年をむかえ、新しく「つながり」プロジェクトを立ち上げました。

「つながり」プロジェクトとは、国内外の研究機関から地球に関する科学情報を収集し、それらを感性に届く新しい表現に換え、より多くの人々と共有することで、私たちが直面するグローバルな課題を解決する糸口を提供しようとするプロジェクトです。その中心となるのが、未来館のシンボル展示Geo-Cosmosです。

今回のコンテストは、科学データの視覚化に限らず、広くコンテンツを公募しました。初めてとなる今回、さまざまな感性をもった沢山の作品が集まり、素晴らしい受賞作品が選ばれたことを、大変嬉しく思います。

私たちはいま、気候変動、エネルギー、生物多様性、食糧問題などさまざまな地球規模の課題に直面しています。未来館では、Geo-Cosmosによる新しい表現を通じて、一人ひとりが、自分と地球とのつながり、生命のつながり、未来へのつながりを見つめる機会を提供していきます。このコンテストを通じて次年度以降も、新しい表現と、多様な人のつながりが生まれていくことを楽しみにしています。



footer_800_4_b.png