研究エリア

展示スペースの奥には、最先端の研究を行う外部のプロジェクトチームの研究室があります。科学館という一般の人に開かれた場に研究室を併設することで、生の研究現場をご覧いただく機会を設けています。

現在行われているプロジェクトのご紹介

SFC Lab|サイエンスコミュニケータープロジェクト

「科学技術に対する意見の収集と活用方法の開発」

本プロジェクトの目的は、科学コミュニケーションのあり方と、その中心となる科学コミュニケーターの役割を根本的に問い直し、未来に向けて再設計することです。
日本科学未来館のオピニオンバンクを活用し、生活者の理解に沿った効果的な科学コミュニケーション方法と合意形成メカニズムの構築を行うとともに、未来社会における科学と社会の橋渡しとなるコミュニケーターの定義と育成を行います。例えば、ドローンやソーシャルロボットの活用範囲や規制のあり方、人間の活動や移動の認知と可視化による、より良い交通や社会生活のあり方などについて、主要な論点をオピニオンバンクで積み上げながら、生活者の譲れない一線・不安等を明らかにしつつ、態度形成の要因等を解析していきます。

慶應義塾大学環境情報学部
村井 純

光電変換プロジェクト

「軽元素を活用した機能性電子材料の創出」
(JST戦略的創造研究推進事業(CREST)「元素戦略を基軸とする物質・材料の革新的機能の創出)研究領域)

hasegawa_pj.jpg有機薄膜太陽電池(OPV)は軽量かつデザイン性の高い次世代の再生可能エネルギー源として期待されています。特に溶液塗布法を用いたOPVは製造コストが低く、早期の実用化が望まれております。塗布型OPVに用いる有機半導体には、1)強い光吸収、2)高い安定性、3)十分な溶解性、4)強い分子間相互作用(高い電荷輸送能)といった特性が要求されます.このような高効率のOPVデバイスを開発するために、綿密な分子設計を行い、合成をし、デバイスを作製しております。また、新しい機能性を持つ酸化物薄膜の探究や、有機半導体の基礎物性の研究などに取り組んでいます。

東京大学大学院理学系研究科化学専攻
長谷川 哲也、松尾 豊

この研究プロジェクトの詳細
http://www.chem.s.u-tokyo.ac.jp/users/sschem/index.html

松尾研究室
http://www.matsuo-lab.net

ロボットの自律知能プロジェクト

「人環境のためのロボットの自律知能の研究」

151_3_robot02_01.jpg 人の多い環境で動くロボットの自律性を達成するために、認識・計画・制御の各機能を研究しています。特に、人と接する環境では、周囲にある様々な物やその動きを認識する、人の動きや意図を理解する、といった情景理解が重要です。ロボットに搭載したセンサから環境の3D地図を生成し、地図を利用した自己位置推定や経路計画、移動制御を行うとともに、ロボットの視覚・聴覚で観測した周囲の人・モノや聞こえる情報から状況変化や場の使われ方を自動学習する機能を研究しています。こうして学習した環境の知識を基に、状況に応じて自律的に動作生成可能なロボットの実現目指しています。

独立行政法人産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター
持丸 正明

この研究プロジェクトの詳細
http://www.dh.aist.go.jp/jp/

空中3Dディスプレイプロジェクト

151_2_3D.jpg3D表示の多くは、人間の両眼視差を利用することによって疑似3Dイメージを2D上に形成したもので、視野の制限、生理的な不快等多くの問題がありました。その問題を克服するために、本当の3D空間で3Dイメージを見ることが可能な、「実像の3Dディスプレイ」を開発しています。
このディスプレイ装置はレーザー光線の焦点にプラズマ放出現象を使用し、焦点の位置を3D制御することによって、空気中にドットアレイを構成し、まさにSF映画に登場するディスプレイ装置のような3D画像を表示します。
現在はこのディスプレイの特徴を生かした、震災時に津波警報や避難場所などの情報を空中に表示する「高度空中表示装置」の実用化を進めています。

株式会社エリオ 研究室
木村 秀尉

この研究プロジェクトの詳細
http://www.burton-jp.com/jp/future.htm

人々が集う場の情報メディアプロジェクト

「局所性・指向性制御に基づく多人数調和型情報提示技術の構築と実践」
(JST戦略的創造研究推進事業(CREST)「共生社会に向けた人間調和型情報技術の構築」研究領域)

naemura_pj.jpg多人数が集う場での利用を前提に、人々の直観的理解や対面コミュニケーションを自然に促す新たな情報メディア技術の実現を目指しています。人々が集う場では、互いの目や周囲のモノを見ながら情報にもアクセスできることが望まれます。また、場を共有する全員に常に一様な情報を与えるだけでなく、場所や向きに応じてそれぞれに適した個別の情報を届ける「局所性・指向性のある情報提示」が便利で親切です。このために,従来のディスプレイの物理的な制約を取り払う「空間性」、日常生活品と情報機器の間にある隔たりを緩和する「融和性」、情報の共有と個別化を巧みに制御する「開示性」の3つの観点から、現実世界を情報技術で拡張する仕組みの研究開発に取り組んでいます。

東京大学大学院情報学環
苗村 健

この研究プロジェクトの詳細
http://nae-lab.org/crest/

ヒューマノイドプロジェクト

「注意誘導に基づくディペンダブルな遠隔操縦ヒューマノイドシステムの実検証」

interaction_pj.jpg人型のロボットであるヒューマノイドには、人が入り込めない過酷な環境に長時間滞在することや、人に近い身体構造を活かして人の活動環境や道具を扱うことで人にしかできなかったタスクを行えるなどの利点があります。しかし,ロボットが事前に想定できない環境では,利用する道具の選定や適用対象を人が指示したり、ロボットの行動途中に人が誘導して教示を行うことが必要となります。そのため、通常は想定された自律行動を行えるロボットに対して、人が必要に応じてロボットの注意を誘導し、目的を指示できる遠隔操縦ヒューマノイドシステムの研究開発を行っています。遠隔からの高齢者活動支援や緊急災害対応などを想定し、東京大学本郷キャンパスなどから通常のインターネット回線を介して利用可能なヒューマノイド行動実験を行っています。

東京大学情報理工学系研究科
稲葉 雅幸

この研究プロジェクトの詳細
http://www.jsk.t.u-tokyo.ac.jp/index-j.html

Cyber Living Lab|身体性メディアプロジェクト

JST ACCEL「触原色に立脚した身体性メディア技術の基盤構築と応用展開」

Cyber_Living_Lab.jpg

ACCEL「身体性メディア」プロジェクトでは、CREST「さわれる情報環境」プロジェクトで培った、触原色原理に基づく触覚伝送手法・触覚と3D映像が融合した3次元視触覚情報提示装置・触感を伝えるテレイグジスタンスロボットなどの基盤技術を発展させ、触原色原理に基づき小型・一体型の触覚伝送モジュールを開発し産業界や一般のユーザーに広く提供することで、触覚を持つ身体的経験の記録、伝送、再生に基づく製品やサービスの早期創出を推進します。実証システムとして放送分野やエンターテインメント分野での実用化を志向した「身体性コンテンツプラットフォーム」、およびロボットを用いた遠隔就労という新しい産業の可能性を示す「身体性テレイグジスタンスプラットフォーム」を構築し、社会的インパクトを与えるイノベーションの創出を目指します。

東京大学/高齢社会総合研究機構
舘 暲

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
南澤 孝太

この研究プロジェクトの詳細
http://tachilab.org/

多感覚コミュニケーションプロジェクト

「顔と声による感情認知の国際比較研究」
(科研費・若手研究A「表情と音声による視聴覚情動認知の文化差とその神経基盤」)

Multisensory_Communication_-Project.jpg

他者と円滑にコミュニケーションを進めるためには、相手の顔や声から適切に感情を読み取ることが不可欠です。私たちはこうした人間の感情認知が文化や経験によってどのように形成されていくのかというテーマについて研究しています。これまでの私たちの研究では、日本人は欧米人と比べて声を重視して他者の感情を認知することを発見しました。しかし、どのようにして感情認知の文化差が形成されていくのか、そしてそれがどのような脳の働きに支えられているのかといった問題は解明されていません。そこで現在、感情認知の文化差が発達過程の中でどのように生起しているのかを研究しています。こうした研究成果は、コミュニケーションにおける文化の壁を乗り越えるための方策の提案や、コンピュータを利用して異文化間での感情コミュニケーションを支援する技術などに応用することが可能だと考えています。

東京女子大学 現代教養学部 心理学専攻
田中章浩

この研究プロジェクトの詳細
http://akihirotanaka.web.fc2.com/

超人スポーツプロジェクト

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「超人スポーツ」は、いつでも、どこでも、誰もが楽しむことのできる新たなスポーツです。人間の身体能力を補綴・拡張する人間拡張工学に基づき、人の身体能力を超える力を身につけ「人を超える」、あるいは年齢や障碍などの身体差により生じる「人と人のバリアを超える」、そのような超人(Superhuman)としてフィールドで競う、「人機一体」の新たなスポーツを創造します。超人スポーツの実現に必要な技術開発、プレイヤーやコミュニティの育成のみならず、自ら新たなスポーツのルールをデザインし、新しい時代に対応した競技を生み出し、スポーツ分野そのものも拡張していきます。

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科/超人スポーツ協会
稲見 昌彦

この研究プロジェクトの詳細
http://superhuman-sports.org/

ミトコンドリア生合成プロジェクト

JST/CREST「ミトコンドリアをハブとする構造機能ネットワークの解明」
科研費基盤研究(S)「ミトコンドリアを舞台としたタンパク質の交通管制機構の解明」

mitochondrion_pj.jpg生物の最小単位は細胞です。細胞の中には、膜で囲まれた区画(細胞内小器官)がつくられており,エネルギーを生み出したり,DNAを貯蔵したり,と区画毎に役割が決まっています。しかし、こうした小器官を構成する成分を探ってゆくと、タンパク質や脂質など" 生きていない分子"からつくられていることがわかります。生きていない分子が集合してシステムをつくると,あたかも生きている細胞のようにふるまう細胞小器官。細胞小器官を生命の最小単位である細胞のモデルと捉え、細胞小器官の研究から「生きていることの本質は何か」を明らかにすることを目指しています。 本研究では、生物が生きていくためのエネルギー産生に欠かせない細胞小器官,ミトコンドリアを題材に研究を進めています。近年,ミトコンドリアのかたちや内部構造が従来考えられていた以上に複雑に制御されていること,他の細胞内小器官とも物理的に結合して物質を交換しているらしいなど,新しい発見が相次いでいます。私たちは「構造生物学」と呼ばれる様々な手法を用いて,ダイナミックに働くミトコンドリアの構造と機能ネットワークの全貌とそれを制御する仕組みの解明をめざします。

京都産業大学総合生命科学部
遠藤 斗志也

この研究プロジェクトの詳細
http://www.endolab.jp/wp/theme/research.html

次世代疾患モデルマウスプロジェクト/体内ホメオスターシス機構の解明と新薬開発プロジェクト

「創薬シーズ開発の効率化に向けた次世代疾患モデルマウスの迅速作製技術開発」

創薬シーズ開発の効率化に向けた次世代疾患モデルマウスの迅速作製技術開発ノックアウトマウス作製のために、ES細胞から作り出されたキメラマウス

病気の治療標的となる新しい分子の役割を研究したり、新しい医薬品を開発していく上で、その病気のモデルとなる様な実験動物が存在するか否かが、研究の成否を握っています。
マウスは、自在に遺伝子を改変する事が出来る哺乳動物です。特定の遺伝子を過剰発現させたマウス(トランスジェニックマウス)や、欠損させたマウス(ノックアウトマウス)は、人の病気のモデルとなりうることから、医学において重要な研究開発ツールとされています。しかし従来、遺伝子改変マウスを樹立するには、多くの費用と時間がかかるという難点がありました。我々は医薬開発のための遺伝子改変マウスを、短期間、低コストで作製する独自の新技術=SCOT(Speed Conditional Gene Targeting)の実用化を目指しています。


「生理活性因子の情報制御システムに基づく革新的な医薬品の創出」
(CREST生体恒常性維持・変容・破綻機構のネットワーク的理解に基づく最適医療実現のための技術創出)

生体内生理活性因子は、生体の恒常性維持のための情報伝達因子として、細胞・臓器間の相互連携において中心的役割を果たしています。一方で、情報の受信側の細胞・臓器では、生理活性因子の情報を処理する情報制御システムが存在します。本研究では、生理活性因子の情報制御システムによる生体の恒常性維持機構と、ストレス応答障害から引き起こされる疾患発症のメカニズムを解明し、その研究成果を生活習慣病や難病などに対する創薬に展開します。

信州大学大学院医学系研究科
新藤 隆行

この研究プロジェクトの詳細
http://www7a.biglobe.ne.jp/~shindo/

精神疾患の中間表現型「非成熟脳」解明プロジェクト

「精神疾患の中間表現型「非成熟脳」の発生機序の解明と制御法の探索」
(JST戦略的創造研究推進事業(CREST)「精神・神経疾患の分子病態理解に基づく診断・治療へ向けた新技術の創出」研究領域)

miyagawa_pj.jpg 統合失調症や自閉症などの心の病は、脳の病と考えられています。私たちは、遺伝子を改変したマウスの行動変化を捉えることにより、遺伝子と行動・精神疾患の関係を明らかにすることを目標として、これまでに顕著な心理学的異常を示すマウスがいることを見つけてきました。このようなマウスの一部では脳の特定の領域が大人であるにもかかわらず未成熟な状態にとどまってしまっていること、さらに統合失調症患者さんの脳でもこれと似た状態が生じていることがわかりました。これらのマウスを統合失調症のモデルとして活用することで、統合失調症の病因・病態の理解が飛躍的に進むことが期待されます。現在、精神疾患の予防・治療法の開発を目指して、脳の未成熟な部分を成熟させる方法の開発に取り組んでいます。

1) 藤田保健衛生大学、総合医科学研究所、システム医科学
2) 生理学研究所、行動・代謝分子解析センター、行動様式解析室
宮川 剛

この研究プロジェクトの詳細
http://dsm.fujita-hu.ac.jp/

普段は入ることのできない研究エリアを日本科学未来館のボランティアが案内し、わかりやすく解説するツアーを実施しています。
※研究室の都合などにより、実施スケジュールを変更する場合があります。あらかじめご了承ください。

「ネズミで探る?!遺伝子のヒミツ~新藤プロジェクト&宮川プロジェクト」ツアー

ノックアウトマウスと呼ばれるマウスを使った遺伝子の研究を紹介します。
開催日時: 毎月第1、3土曜日 13:00~14:00
定員: 15名
参加方法: 当日先着順。下記集合場所までお越しください。
集合場所: 5階 常設展内「コ・スタジオ」

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