特集 深海の科学  >  3人の研究者による3つの研究
3. 知られざる微生物の研究 ビジュアルサマリー

(3)2つの研究スポット


熱水噴出孔
海底の断層や岩石の割れ目からしみ込んだ海水が、地下で地球内部のエネルギーによって熱せられ噴出している。噴出した熱水には、硫黄、メタン、重金属などが含まれている。



バクテリアマットの海底
バクテリアが雪のように降り積もっている海底の風景(バクテリアマット)。地球内部の活動の影響を受けにくい低活性の地殻には、過去の歴史が静かに堆積している。
高井氏がリーダーをつとめる地殻内微生物研究プログラムは、地殻内の2つのスポットに注目している。

A「活動的な地殻内環境」と
B「活性の低い海底下」である。

Aとは、プレート境界やホットスポットなどダイナミックな地球の内部活動が見られ、それに伴う物質循環が盛んな場所。その中でも高井氏のチームが特に注目しているのは、「熱水噴出孔の下」。
1993年、アメリカの研究者デミングとバロスが、こうした環境下に活動的な微生物生態系が存在すると提唱して以来、世界的に注目が高まっている。

Bとは、海底に堆積物が大量に沈積しているような、活性の低い場所の海底下。こうした海底下には、過去の微生物の歴史の記録が無傷で保存されている可能性が高い。もしくは、まるで死んでいるように見えても、実は仮死状態で生きている微生物が大量に存在しているかもしれない。

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