特集 深海の科学  >  3人の研究者による3つの研究
3. 知られざる微生物の研究 ビジュアルサマリー

(2)地殻内微生物研究のあゆみ


好圧性細菌
マリアナ海溝チャレンジャー海淵(深さ約11,000m)で日本の無人探査機「かいこう」が採取した好圧性細菌
地殻内微生物の研究は、意外と早く、1920年代に始まった。1926年には、アメリカの油田の深部地下水から採取した硫酸還元菌の培養が、その数年後にロシア人研究者が岩石の中から採取した微生物の培養が報告されている。しかし、技術が未発達だった当時、それらの微生物が地表からもたらされた可能性も考えられた。

その後、半世紀余りも経った1970年代から1980年代にかけて、アメリカで地下水汚染の調査の一環として地下微生物の研究が行われるようになった。1990年代には分子生態学的手法が適用されるようになり、本格的な地殻内微生物の研究が始まった。

1998年、地殻内微生物の大量の存在が指摘され大きな関心を集めた。にもかかわらず、現在、海底下では、まだ1000mほどの深さの微生物しか見つかっていない。それは未だそれより深い所での調査が行われていないためで、1000mを超える領域は、これからが始まりである。

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