放射能の基礎知識

質問: 放射線は1時間測っているの?

放射線量を示すのに「毎時○○マイクロシーベルト( μSv)」という表現をよくみかけますが、本当に1時間ずっと測っているのですか?(30代男性・東京都)


回答:

現在100メートル走の世界記録は9秒58、ジャマイカのウサイン・ボルト選手が出した記録です。これを時速に直すとおよそ37.6キロメートル。では、ボルト選手は1時間に37.6キロメートル走れるか?というと、走れません。しかし、例えば他の動物との速さを比較するときなどによく使われています。「チーターの走る速さは時速110キロメートル」「はやぶさ(鳥)の降下する速さは360キロメートル」といった表現は、トップスピード時の速さを時速に換算したものです。しかし、時速○○キロメートルに換算することで、他と比較することができるのです。

放射線量を示す場合も同じです。実は質問の「1時間ずっと測っているのか?」に対する答えは「No」です。数秒程度の測定結果を、測定器は時間単位に換算して表記します。換算することで被ばく量の危険度を比較しています。“1時間あたり”という意味では厳密ではありませんが、短時間で計ることによって放射線量に大きな変動があった場合にも即座に気づき対応ができるのです。

ちなみに現在、文部科学省をはじめ多くの機関から放射線量のデータが公開されていますが、このようなデータは上記のような測定を10分間続け、その平均値をデータに使用しているようです。


執筆:科学コミュニケーター 天野春樹
2011/04/25 掲載



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