福島第一原発の放射能汚染

質問: 放射能汚染された水はどうやって処理するの?

放射能に汚染された大量の水は、この先どうやって安全に処理できるのですか?(70代以上女性・東京都)

回答:

高濃度の放射性物質に汚染された水が、福島第一原発の1号機から3号機のトレンチやタービン建屋の地下に大量に漏れ出しています。ようやく復水器への移送作業が功を奏しはじめていますが、いまだ残る大量の汚染水の除去、そして除去された水の処理が問題になります。

除去された汚染水はどのように処理されるべきでしょうか。汚染水の処理には、隔離して貯蔵することと放射性物質を除去することの2点が重要になってきます。放射性物質を除去する方法について、ここではスリーマイル島の原発事故の例をご紹介しましょう。

スリーマイル島原発事故でも、セシウム137で汚染された数千トンの水が原子炉の地下にたまりました。数ヶ月にわたって構築したシステムを使って、この汚染水を吸い上げ、放射耐性のあるゼオライト(沸石)とよばれる石を使ったフィルターにかけて浄水しました。ゼオライトとは、結晶構造の中で大きな空隙をもつアルミノケイ酸塩のことをいい、イオン交換材料や吸着材として、衣料用洗剤や消臭などにもよく使用されています。スリーマイル事故での浄化度はかなり高く、ゼオライトでの浄水後セシウムはほぼ除去されました。

しかし、ゼオライトのフィルターによる浄水後も、トリチウムなどの除去できない放射性物質が多く残る可能性があります。そのためにも貯蔵スペースを確保することが重要になります。福島原発では、原子炉から漏れ出している高濃度の汚染水の貯蔵スペースを確保するために、1万トンもの低濃度の汚染水を海に排水しました。また、汚染水を浄水し、冷却水としてリサイクルする装置の開発を、東京電力は工程表に盛り込んでいます。タンクの容量を確保するのにも時間がかかりますので、今後福島の動向に注意していく必要があります。


執筆:科学コミュニケーター 林田美里
2011/04/19 掲載



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