放射能の基礎知識

質問: グレイとシーベルトの違いは?

ニュースではよく放射線の単位が「シーベルト」で表現されますが、どのような意味があるのでしょうか。グレイやベクレルとの関係がわかりません。(30代男性・東京都)

回答:

放射線にはさまざまな単位が使われるので、混乱しますね。しかしそれぞれの単位が表わす意味をしっかりと区別して理解しておくと、ニュースの内容がすんなりと理解できるはずです。

 ベクレル(Bq): 放射性物質が放射線を出す能力
 グレイ(Gy): 放射線が1 kgの物質に与えるエネルギーの量
 シーベルト(Sv): 放射線が人体におよぼすダメージを表わす量

これを野球のピッチャーにたとえてみましょう。ボールを投げるピッチャーは放射性物質、投げられたボールは放射線です。

 ベクレル:ピッチャーがボールを1イニングに何球、投げられるか
 グレイ:ボールが物にぶつかったときに与えるエネルギー
 シーベルト:ボールがヒトにぶつかったときに与えるエネルギー(ダメージ)

放射線のエネルギー(グレイ)が同じでも、放射線の種類によって人が受けるダメージ(シーベルト)は異なります。同じスピードで投げられたとしても、ボールが硬いかフワフワか、はたまたギザギザなのかでダメージが違うことからも想像できますね。

さらに、同じエネルギー(グレイ)の放射線が当たったとしても、ダメージを受けやすい臓器と受けにくい臓器があります。例えば生殖腺は皮膚や骨表面よりも約20倍もダメージを受けやすいのです。ボールが当たったときのダメージが、目とお尻では違うのに似ているかもしれません。


執筆:科学コミュニケーター 田端萌子
2011/04/18 掲載



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