放射能と身体

質問: 浴びても問題ないとされる放射線量の根拠は?

今回の原発事故でマイクロシーベルトとかミリシーベルトとかいわれていて、このぐらいなら大丈夫とかテレビでコメントされていますが、その根拠はどこからきているのですか?(30代男性・東京都)

回答:

放射線の安全性を示す基準値は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告書をもとに決められています。では勧告書の値はどのように見積もられたのでしょうか? 私たち人間はこれまでに何度か放射線を被ばくする事件や事故を経験しています。これら過去に起こった被ばく事故の追跡調査結果が、放射線の安全性の基準値を決める際の判断材料として用いられています。

例えば、1945年8月に広島と長崎に投下された原子爆弾。この影響で、数か月以内に多くの人々が死亡し、死亡を免れた人もさまざまな臓器にがんや機能の異常が発生するなど、長期にわたって健康への影響が生じています。これらの症状について、放射線影響研究所が追跡調査を続け、膨大な数の報告書を発表してきました。その研究結果が、国際放射線防護委員会が放射線の防護基準を決める際の基礎として使われています。

他にもチェルノブイリの原発事故後の追跡調査から得られたデータなども、判断材料に含まれています。二度と放射線による被害が発生しないよう、過去のデータが貴重な資料として役立てられているのです。

食品の安全基準については【Column】暫定規制値の決め方 をご覧ください。


執筆:科学コミュニケーター 松山桃世
2011/04/17 掲載
2011/04/22 追記