放射能と身体

質問: 屋内退避が安全という根拠は?

福島原発から20~30 km圏内では屋内退避が推奨されていますが、屋内がどれだけ安全かという情報はあるのでしょうか。(30代・東京都)

回答:

たしかに眼でみえない放射線や放射性物質が、家の中と外とでどれだけ違うのかは実感しにくいですよね。

今回の原発の事故により、原子炉から放射性物質が漏れて大気中に広がっていることがわかりましたが、それによる危険は2つあります。空気中の放射性物質から出ている放射線を浴びる危険、そしてその放射性物質を空気とともに吸い込んでしまい、長期間にわたって身体の中から放射線の影響を受ける危険です。屋内退避はこの2つの危険から身を守るべく、「放射線をさえぎること」と「身のまわりの放射性物質を少なくすること」を目的に推奨されているのです。

屋内がどれくらい安全か、国際原子力機関(IAEA)から調査結果が報告されています。放射性ヨウ素を例にみてみましょう。

【放射線をさえぎる効果】
 木造家屋      10分の9に
 コンクリートの建物 5分の1に

【身のまわりの放射性物質を少なくする効果】
 通常の建物     4分の1~10分の1に
 気密性が高い建物     20分の1~70分の1に

窓を閉め、換気扇を止めて、放射性物質の進入を防ぐことで、さらに安全性は高まります。ただし、屋内退避しなければすぐに健康障害が起きるというわけではありません。今後万が一緊急事態が起こっても、被害を最小限にとどめるための予備的措置と考えてよさそうです。


執筆:科学コミュニケーター 松山桃世
2011/04/09 掲載