放射能と身体

質問: 体内に入ったわずかな放射性物質を浄化できる?

体内に入った微量の放射性物質を浄化する方法はあるのでしょうか?(30代女性・東京都)

回答:

たしかに、「微量であれば問題はない」といわれても、少しでも余分なものが体に入ってきたら外に出したいと思いますよね。でも、食べ物や飲み物を思い出してみてください。口から体に入ったら消化、吸収されて、いずれは排泄されます。同じように微量の放射性物質も、ちゃんと外に出ていきます。

例えば、ふだん食べているバナナやじゃがいもに多く含まれるカリウムというミネラルも、体内で微量の放射線を出します。ですが、いつまでも体の中にとどまっているわけではなく、体内で役目を果たした後、排泄されていきます。原発の事故以来、一部の食品や水で心配されている放射性ヨウ素も同じように排泄され、8日で半分まで減ります。

参照:緊急被ばく医療研修のホームページ「放射性ヨウ素による内部被ばくの模式図」

でも、万が一健康を害するくらい多くの放射性物質が体に入ってきてしまった場合に備えて、それらが体に多量に取り込まれるのをブロックする薬はあります。

参照:同ホームページ「放射性核種の体内汚染時の選択薬剤」

ただし、ほかの多くの薬と同じように、これらの薬剤には副作用が報告されています。放射性物質を取り込んだら、薬を飲む必要があるのでは? と思う人もいるかもしれません。しかし、入ってきてもちゃんと出ていく微量の放射性物質を、副作用の危険のある薬を使って浄化する必要があるでしょうか?

ちなみにこれらの薬は緊急のときに正しく使われるように、保健所等で保管されていて、医師の指示で処方されます。


執筆:科学コミュニケーター 村嶋恵
2011/04/03 掲載