放射能と身体

質問: 母乳への放射性物質の影響は?

母乳で乳児を育てています。浄水場で基準値を超えた放射性物質が検出されたと聞きましたが、何かできることはありますか?(40代女性・東京都)

回答:

日本産婦人科学会によると、母乳中に含まれる放射性ヨウ素は、お母さんが摂取した量の約4 分の1と推測されています。したがって、3月24日の時点で、授乳を続けても、お母さんと赤ちゃんに健康被害は起こらないと発表されています。

しかし、赤ちゃんへの被ばくをなるべく少なくしたいお母さんたちの気持ちももっともです。母乳中の放射性物質をなるべく減らしたい場合は、お母さんの飲み物はスポーツドリンク、ミネラルウォーター(軟水)、ジュースなどがおすすめとのことです。

放射性ヨウ素(I-131)は自然に崩壊し、約8日で半分の量になりますので、水道水を汲み置きしてから使うことも、放射性物質を減らすために有効です。例えば、水道水を1日汲み置きするだけでも放射性ヨウ素は減ります。
また、汲んでから8日後の水道水をお母さんが飲むと、母乳に含まれる放射性ヨウ素は、最初の水道水に含まれる量の8分の1になります。ただし、水道水を8日間汲み置きすることは衛生上好ましくないため、凍らせて保存した後に解凍して使用してください。

母乳を与えているお母さんは、赤ちゃんには放射性ヨウ素の少なくなった水分を与えているといえます。お母さんは、自らの体を呈して子どもを守っていることになるのです。3月27日現在、全国で放射性物質の濃度が基準値を上回る水道水はありませんが、今後も発表にご注意下さい。


執筆:科学コミュニケーター 小林直樹、橋本裕子
2011/4/7 改訂
2011/03/28 掲載



関連リンク

水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内-日本産婦人科学会
妊娠されている方、子どもを持つご家族の方へ-日本医学放射線学会